ブルガリアの治安の悪さを盗難にあったことで実感した




今回の旅では、ブルガリアの3都市、ソフィア・プロブディフ・ベリコタルノボを周り、治安や物価、仮に移住した場合の住み心地なども見てきた。

首都ソフィアにおいて感じたのは、異常に路上での喫煙率が高いということで、こういった雰囲気というのは、新興国というか後進国の雰囲気が強く、いわゆる日本人がイメージするようなヨーロッパとは、少し違うという印象を受けた。

言うまでもなくブルガリアというのは、先進国ではなく、かなり貧しい国な上に、フィリピンやタイやマレーシアのような、劇的な経済発展を遂げている真っ最中でもなく、ただただ時代から取り残されたようなところがある。

そういった国が健康志向ではないというのは当然のことではあるが、ビフィズス菌やヨーグルトのイメージがあるだけに、なんだか違和感を感じた。

しかしながら、ソフィアにいる間には、特別治安が悪いとは感じるようなことはなかったし、英語が通じないという不便はあるものの、取り立てて危ないという印象はなかった。

ただし、不愛想な人は多く、軍人のような印象を受けることは多かったし、その一方で極端に親切な人も1日に1人か2人はいて、中間がすっぽりと抜け落ちているような、奇妙な雰囲気を感じた。

ブルガリアの経済レベルの一端を見たのは、外国人旅行者が集まるような中心部以外に、レストランがほとんどないこと。テイクアウトのピザが一切れ100円で打っていたりはするものの、席に座って食事をするレストランは極端に少ない。


そして問題となったのは、次の街であるプロヴディフ。こちらはソフィアに続き、人口規模ではブルガリアで2番目の都市。

スーツケースの中にパソコンを入れておいて、夕食と散歩のために2時間半ほど部屋を空けておいた後に戻ってくると、スーツケースの中にあったはずのパソコンが盗まれいた。

閉じていたスーツケースはそのままの様子で、乱暴に開けられたりとか、そういった形跡はなかった。

その為、こちらの記憶違いかもしれないと思ってホテルの机の上であるとか、様々なところを探したが、結局どこにも見当たらず、盗難にあったという結論に至った。

そして、その時間というのは、ポーターがタオルを持ってきていた時間帯だったので、十中八九そのポーターが犯人であるということは、常識的な判断としてうかがえる。

しかしながら証拠があるわけでもなく、それを追及したところで無駄なことも目に見えている。

ちなみになぜルームクリーニングの人ではなくて、ポーターかというと、もうすでに時間が時間だったため、掃除の人は帰った後ということで、タオルの交換を頼んだところ、それをやったのはポーターだという話をレセプションの人に聞いた。

考えてみると、掃除係りの人が、私の部屋の掃除を忘れていたということが、間接的な要因にはなっているわけだが、もっと不可解なのはこのホテルの姿勢で、盗難にあったことを受付に言ったら、あっさりと翌日の警察行きの手配をして、しかも翌日には同じホテルで同日に、パソコンを盗まれたという別の宿泊客とも対面した。

どうやら日常的にこのようなことが起こっているらしく、明らかに異常なホテルという印象を受けた。ちなみに、ここはいかにも怪しげな安ホテルではなく、一応4つ星ホテル。それゆえの油断もあったのかもしれない。

部屋の前には防犯カメラがあり、ホテルで聞くと録画していると言う。フロント等でリアルタイムにチェックしているだけではないということなので、その映像を見せてもらうように言われたが、断られた。警察の捜査には協力すると言っていたが、それも疑わしいもの。

警察署に被害届を出したときも、ビデオの映像のことは伝えておいたが、実際に捜査などしていないのだろう。海外において、外国人が巻き込まれた軽微な犯罪などいちいち操作しないことは日常茶飯事。中国でも事件に巻き込まれたが、被害者なのに負傷中の身柄を拘束され、ケガの手当もできず、かといって指紋のついた遺留品も警察は受け取らず、街頭ビデオも故障しているといって調べず終いだった。


更に、プロヴディフに関しては、到着した当日からガラの悪い若者が、3人や4人で昼間から連れだって歩いていて、あまり治安や雰囲気の良くない町だという感じは受けていた。


次の町のベリコタルノボでは、iPhoneを充電させてもらう為に、パソコンを盗まれたという事情を話したところ、ブルガリアではよくあることだということを言っていたので、やはり治安はあまりよくないらしい。

どちらかというと、隣国のルーマニアの方が危ないと言われることがあるが、不思議なことにブカレストであるとか、それ以降のブラショフやシギショアラでも、特別危ない思いをしたことはなく、ヒヤッとする場面もなかった。

ブルガリアにおいても、凶悪犯罪が多くはないのだろうが、軽犯罪には気を付ける必要がある。

とはいえ、ホテルのスタッフが犯人ということになると、スーツケースだってその気になれば簡単に開けることができるし、金庫のあるホテルであっても、そのマスターキーはホテルスタッフが持っているわけなので、結局のところ身に付けて持ち歩くしかない。

しかしながら、自分で貴重品を持ち歩く場合だって、不注意でなくても強盗にあうとか、そういったリスクというのは0にはできず、結局のところ治安の悪い場所、危ない国に行くのであれば、そもそも盗まれるようなものは、持っていかないという選択をするか、もしくはそういった場所に近付かないか、というぐらいの選択肢しかないということになる。


ブルガリアは隣国のルーマニアと違って食事が美味しく、治安さえ良ければもっと長く滞在したかった。というより、パソコンが盗まれた後、まともなパソコンショップがプロブディフでもベリコタルノボでも見つからなかったため、急いでブカレストに移動したのだが。

何しろ、プロブディフでは大型のパソコンショップや家電量販店が見つからず、ベリコタルノボでは日本語入力の可否について店員は知らず、展示品に電源を入れて試すことも拒否された。これでは買うに買えない。


特に危険な街は?

やはり一般論としては、ブルガリアでも首都のソフィアがもっとも治安面に問題があると言う。パソコンを盗まれたプロブディフは、人口では国内2番目の街ではあるが、とても大都市とは言えない。つまり、ブルガリアで大きな都市はソフィアのみということになる。

そして、大都市が危険なのは多くの国で共通すること。もちろんブルガリアも例外ではない。郊外のリラの修道院に向かうバスで料金をごまかされるという、公共交通機関ですらいまいち信用できない話もある。

ソフィアの長距離鉄道の駅に行けば、親切に案内する係員を装い、法外なチップを請求されたりもした。首からカードキーのようなものを下げていたが、おそらく偽物の駅員なのだろう。本物があんなことをしていたのなら、より深刻な問題だが・・・。


なお、隣国のルーマニアにおいても、首都ブカレストの治安の悪さはしばしば特筆される。個人的には危険な印象は受けなかったが、大きな街には危険な人物も多く混ざっていることは、旅の間も頭の片隅に置いておく必要があるだろう。

特にブルガリアやルーマニアのように、いまいち治安が良いとは言えない国ならなおさら。


旅行者を悩ませるもう1つの問題

ブルガリアでは治安の他に、もう1つ旅行者にとって大きな問題がある。それは言葉の壁。

英語が通じやすい国ではない上、長距離鉄道に乗ると表記が分かりづらい。ブルガリア語の文字はロシア語に近いようだが、何しろなじみがないし、駅名も英語が併記されているという心遣いはない。

また、切符には出発時間のみ刻印されていて、何時に到着するかは分からない。これではおおよその時間で、そろそろ目的地に着く頃という見当もつけられないし、窓口で質問しても英語が通じない。

国内移動も大変だったが、ベリコタルノボからブカレストに行く経路に至っては、ホテルのスタッフが熱心に調べてくれたのだが判明せず、国境の街に行って現地で確認するしかなかった。

ベリコタルノボからブカレストへの陸路はメジャーなルートのはずだが、バス会社がホームページの時刻表を更新していなかったりして、ブルガリア人ですら事前に確認できないというカオス。

治安に加え、こういった面でも移動の際には強いストレスを感じた。普段は余った通貨はそのまま持っているのだが、おそらく次に来ることはないだろうと思い、ブカレストの両替商で手持ちのブルガリアの通貨レフはルーマニアのレウに交換してもらった。



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執筆者、伊田武蔵
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