カンボジア・プノンペンの不動産投資はもう遅い?



カンボジアの首都、プノンペンの不動産投資を
検討している人から話を聞いた。

せっかくの機会なので、
これも何かの縁ということで調べてみることにした。

もっとも、東南アジアのコンドミニアムの高騰ぶりは
すでに各国で確認済み。

強い期待を胸にしてリサーチを始めたというより、
今後の参考程度に考えてスタートした。



まず、投資環境ということでは、
コンドミニアムなら外国人も購入可能。

1ベッドルームで1500万円以上の物件もあるが、
安いものだと3分の1ほど。

内装の写真等を見る限り、
いわゆる新興国価格はこの国にも適用されていないのが分かる。


この数年間で、新興国の不動産価格は大きく上がった。

「経済的にまだまだ発展途上なんだから、部屋も安くで買えるんでしょ?」
というのは過去の話で、
カンボジアも含め周辺国においても
近年は物価そのものが上がり、
それ以上の急スピードで不動産価格は上昇。

日本の地方都市のマンションよりも
プノンペンのコンドミニアムの方が高いというのも
特に珍しいことではない。


別にこれはカンボジア特有の事情ではなく、
東南アジア全般に見られること。

そして、物件価格の高騰の大きな要因として、
デベロッパーが新規物件を強気な価格で
販売していることが挙げられる。

そのため、売り出されている価格については、
たしかに成長している。

ただし、これを見て、
売却時のキャピタルゲインを狙えると考えるのは早計。

デベロッパーが売り出す価格が上がっても、
個人投資家が物件を売却する時に
買い手がつくかどうかは別問題。


この結果として生じる問題は、
マレーシアやタイの物件で数多く生じてきた。

販売力のあるデベロッパーが
プレビルドで新築物件を売りさばくことはできても、
完成後に購入後の物件を売って
イグジットしようとしても購入者が現れず、
ひどい時は購入額の8割ほどに値下げしても買い手がつかない。

こんなことは平気である。


不動産投資をした人の中には、
失業やビジネスがうまくいかなくなったりで、
契約時に比べキャッシュフローが悪化し、
素早く物件を手放して現金に換えたいという人がいる。

ある意味、その物件のその後を占う試金石でもあり、
ここで無事に売れるかどうかというのは重要な所。

この段階で買い手がつかないということは、
その後に暗雲が立ち込め始める。

もちろんゆっくりと市場価格が上がっていくこともあるが、
そうではない例もマレーシア・タイといった
カンボジアよりも発展が先に進んだ国において
頻繁に見られるのも事実。



プノンペンのコンドミニアムにしても、
これから伸びていく街・市場というプレミア感はない。

むしろ情報も少なく、
日本居住者の人が投資をするなら交通もいまいち不便で
簡単に足を伸ばせる場所でもなく、
不確定要素が多いことの方が目につく。


そもそもカンボジアが公正な投資環境を
すでに備えているのかも疑問。

たとえば、株式市場もオープンしたが、
証券取引所の開設時期も当初のアナウンスから遅れに遅れた。

そして、2012年当初に上場したのはわずか1社。

すぐに上場企業が次々に生まれるような宣伝がされていたが、
その後に上場したのは2014年にもう一社、
グランドツイン・インターナショナル・カンボジアのみ。

こうして2012年6月のオープンから
4年たっても2社しか上場企業がなく、
当然取引高が増えることも、流動性が高まることもなく、
惨憺たる状態が株式市場においても続いている。



カンボジアのそうした状況を考慮すると、
不動産投資についても市場ルールの確立という面から
相当なリスクを背負うことになると思われる。

不動産の権利が確立されているのは、
必ずしも当然のことではない。

隣国のベトナムはカンボジアよりも
先に経済的な発展を遂げているが、
この国もまだルールに不透明な部分が大いに残っている。

外国人が登記できるように法律が改正されても、
現場である役所では受理されなかったり。

表向きの法的なルールの他、
こうした現場の現実も押さえる必要があり、
そうした意味でのコストはかなり高い。


また、運用もスムーズに進むとは限らず、
カンボジアよりもずっと成長しているタイですら、
新築コンドミニアムの登記への手続きが
半年以上遅れることもある。

事実、私がタイで所有している物件がこのような状況で、
デベロッパー側が主張するには
「役所が頻繁に違うことを言ってくるため、
 その都度対応しなくてはならず、
 登記がスケジュールより遅れている」
ということ。

もっともデベロッパー側に責任の所在がある可能性もあるが、
海外の案件だと真実を突き止めるのは難しい。



こうしたリスク面を考慮しても、
そしてプノンペンのコンドミニアムの価格を見ても、
今の段階で無理に投資をする必要はないと感じた。

わざわざ危険なところに足を踏み入れる必要はないし、
現地の不動産業者のように
どうにかその街で利益を出せる物件を発掘する意味もない。

不動産に限らず、
そのタイミングで有利な物件を狙えるのが個人投資家の強みで、
今のところカンボジアのコンドミニアムには手を出さない予定。


というよりも、
基本的に東南アジアの不動産は、
世界的な金融危機が訪れたりして市場環境が変わるまで、
安易に手を広げる予定がない。

手持ちの物件でうまく利益を出しながら、
キャッシュを積み上げていく戦略を
当面は継続することになるだろう。



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執筆者、伊田武蔵
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