マレーシアのコンドミニアムに長期滞在して困ったこと

モントキアラのコンドミニアム

クアラルンプールを経由してこの街に来て以来、マレーシア・ジョホールバルのコンドミニアムに長期滞在をしている。最初に住んだところは1年、そして現在のコンドミニアムに移ってから8ヶ月が過ぎた。


マレーシアの物件の良いところ

日本と違い、マレーシアでは賃貸のコンドミニアムは家具・家電付きが標準。そのため、私が移住してきた時には、カバンに入る荷物を持ってきただけで、国際引越し業者を使ったりはしていない。それでも、長期滞在に不便することはないところが、大きなメリットだ。

そして、南国で常夏のマレーシア。コンドミニアムはプールが付いているのが標準仕様。たとえば、家賃3万円代であっても、プールが付いているのは普通だし、ジョホールバルであれば2LDK以下の部屋を見たことがない。

マレーシアのコンドミニアムには、各階にゴミ捨て場があるので、日本のマンションのように外まで行く必要もない。そして、分別も要らない。このあたりは、かなり楽だし、長期滞在の上での小さなストレスの芽がつまれている。

日本のマンションと異なるところとしては、他にもセキュリティの面がある。まず、マレーシアのコンドミニアムは敷地への入り口が基本的に一箇所で、そこには警備員がいる。ある程度のレベルのコンドミニアムなら、入り口だけではなく棟ごとに警備員が常駐している。

さらに、ドアの外側には鉄格子のようなドアが付いていて、二重になっている。この辺は治安への配慮なのだろう。やはり日本のように安全が当たり前という状況ではないことを反映している反面、マレーシアでもコンドミニアムに住めばこうしたセキュリティ面での配慮はされている。

もっとも、二重扉はすべての部屋で言えることではなく、同じコンドミニアムの中でもオーナーの方針で付けている部屋・付けていない部屋があったりもする。この点は物件選びの際にチェックした方がいいだろう。

なお、コンドミニアムを出て15メートルほど歩いたところで、ノコギリのような刃物を持った男が十字路の左手から飛び出してきたことがある。その後を、ゴルフクラブやバットを持った3人の男が追っていき、直後には警官がやってきた。

どうも最初の男が強盗か何かに失敗したらしく、それで反撃にあって終われ、逮捕に至った模様。

マレーシアは一般に言われるほど治安の良い国ではないので、ロングステイをするなら安全には配慮する必要があるし、住居選びもその観点を重視しておく方が賢明だろう。



賃貸物件の探し方

クアラルンプール

マレーシアで賃貸物件を探す場合、インターネット、口コミ・コネ、新聞、目をつけたコンドミニアムに直接行くという4つの方法がある。

まず、インターネットで賃貸物件を探す方法。たとえば、ジョホールバルであれば、「johor bahru real estate」のように、地名とreal estate(不動産)等の単語で検索する。そこで賃貸物件も出てくるし、業者の情報も調べられる。

ただし、ネット上で見つかる賃貸物件は、何年も前の情報であることも多い。そこに掲載されている電話番号に連絡してもつながらなかったり、折り返しがこないことも。

不動産業者を見つけ、コンタクトを取る場合にも複数の業者に一斉に連絡しておくのが賢明。私は10の不動産業者に連絡し、返事が返ってきたのは3件だった。ある程度、賃貸のコンドミニアムの情報を持っているとなると、そこからさらに絞られる。


マレーシアに住んでいる知り合いがいれば、口コミや人脈で不動産業者を紹介してもらう方法もある。実は、このパターンは現地では一般的らしい。とは言え、長期滞在や移住希望の日本人にとっては、なかなかハードルが高い。


新聞だが、ここにも賃貸コンドミニアムの広告が載っているらしい。私は取っていないので分からないし、マレーシアに来て現地の新聞を取る日本人はあまりいないだろうから、これも実用的とは言えない。


最後は、住みたいコンドミニアムに行くと、賃貸や売却したい旨と連絡先を書いて、掲示板に張り出されている。2件目のコンドミニアムは、この方法で見つけた。

もっとも、この方法はある程度の土地勘か情報がないと難しい。マレーシアに来て、まったく右も左も分からない状態では使えないので、その場合はネットで情報を集めるのが最初の一歩だろう。


騒音問題も

コンドミニアムの入り口

世界的に見ても大音量の音楽や話し声でひんしゅくを買っているのがインド人だが、インド系マレーシア人にもこの傾向は脈々と引き継がれている。

実際、私が住んでいた上の階の一家が常に大音量の音楽をかけていて、耳にこたえるどころか、低音が内臓に響くほどだった。騒々しいのは車の音楽も同様で、彼らが車で出かける時も音で簡単に分かった。

また、マレーシアでの2軒目のコンドミニアムに長期滞在していた時には、廊下で喫煙し、そこらへんに吸い殻をポイ捨てする住民もいたりして、コンドミニアムの環境が必ずしも良くないこともある。住んでみないとわからないこともあるが、廊下の汚れ具合はチェックしておいた方がいいかもしれない。



クアラルンプールの物件も見てきた

モントキアラのコンドミニアム
ジョホールバル以外で、マレーシアに住みたい街がないか?

その疑問を解消すべく、クアラルンプールの複数の不動産会社にメールを送り、物件を案内してもらうことにした。

せっかくMM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム)というリタイアメントビザも取ったし、もっと活用できる手はないかと。


普段ジョホールバルから行ってホテルに泊まる時には、ブキビンタン駅や隣のインビ駅のあたりに宿泊する事が多かった。

ブキビンタンの近くにはクアラルンプールを代表するモールのパビリオンがあり、駅の反対側にはマッサージが密集するエリアもあり、なにかと便利。

あるいは交通の便を重視して、KLセントラル駅の辺りに泊まったこともある。


しかし、このあたりに1年単位で住みたいかと言われると、騒がしくて交通量も多く、排気ガスもひどい。治安も良さそうな感じはしない。

モノレールで移動できるというのは、タクシードライバーの性質が悪いマレーシアでは魅力だが、生活環境としてはいまいち。

そこで、クアラルンプール郊外にある外国人が多数居住しているエリア、モントキアラのコンドミニアムを何軒か見せてもらうことにした。

モントキアラを一望
キッチン
コンドミニアムのリビング
共用スペースのプール

視察の率直な感想としては、モントキアラに長期滞在するならごく狭いエリアでの暮らしになることを前提として考える必要がある。

周囲を山や緑で囲われたモントキアラは、モノレールや地下鉄が走っている範囲にはない。

おのずとモントキアラの中で過ごすことが大半になりそうだが、炎天下の昼間に徒歩10分のショッピングモールまで歩いて行くのはなかなかの重労働。

かと言って、マレーシアでタクシーに乗ってトラブルになるのもストレス。


そうなると、最寄りのモールがカギを握る。

食事等で頻繁に使うわけなので、立地としてはこの点が最重要だろう。

モール直結のコンドミニアムもあったが、これなら雨の日でも濡れずに食事に行ける。

ただし、クアラルンプールの物件は基本契約が2年らしい。

いくつかのショッピングモールを見た限り、2年どころか1年で食事にも飽きてしまう印象。

これでは住みやすいとは言えない。


かと言って、長期滞在をするにしても、マレーシアで車を買って、運転する気にもならない。

そうまでして活動範囲を広げてみたところで、生活の質がそこまで上がるわけでもなく・・・。


不動産会社から聞いた黒い噂

一部のコンドミニアムについては扉の外に鉄格子のような二重扉がない部屋があった。

悪質な警備員だと、住人の留守を出入り口でチェックして、不在時に空き巣に入ることもあるらしい。

そうした悪い噂が立っているコンドミニアムも、モントキアラ地区を含めクアラルンプールには複数あると不動産会社の担当者から聞いた。

セキュリティ上、コンドミニアムの出入り口は一箇所しか設けられていないため、部屋にいるかどうかは警備員が把握できる。

これをやられたら、たまったものではない。


ペナンも足をのばしてみたが・・・


クアラルンプールの後、マレーシアでのコンドミニアム探しはペナンにも手を伸ばしたが、7社ほどにメールを送った記憶があるが、返事が来たのが一社だけ。

しかも2週間近くがたってからの返信で、すでにペナンを去るべく空港に行って搭乗前に時間があったので空港のwifiにつないでメールチェックをしている時に見つけた。

当然、部屋の内見はできなかったが、添付されている内装の写真を見る限り、安っぽくて妙に生活感があり、現物を見る価値はなさそうだった。

すでにペナンは家賃もそれなりに高いし、生活費を考えても特に魅力は感じない。しかも高い生活の質を求められるとは、とても思えなかった。


その他にも次の移住先を探してイポーやマラッカ等もおとずれたが、どうもマレーシアでコンドミニアムを借りてじっくり住むということはなさそう。

ロングステイ先として人気のマレーシアだが、実態を知るほどに幻滅していくことになった。

フィリピンで部屋を借りたが、そちらの方が居心地が良いという結論に至った。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ

電子書籍のプレゼントページへ



よく読まれている記事