結婚しない生き方に必然的にたどり着く理由

10代の頃から、ぼんやりと結婚しない生き方が
自分には合っているような予感はしていた。

それが現実になるという確信はなかったものの、
少なくても32歳になるまでに起こったのは、
その考えが強化されるという現象だった。



ある意味で言うと、結婚は保証だと思っている。

法的に守られた婚姻契約によって、ある種の権利が守られる。


自由に離婚できるわけではないし、
様々な義務も発生する。

一方が権利を得ているのだから、
他方には義務が生じるのは当然のこと。


その枠組みの中で生きていくことを確認するのが、
結婚という行為だと思っている。



保証を求める生き方というのは、
世の中の大多数の人にとって日常的なもの。

雇用は守られて法的にも労働者側が有利になっているし、
失業保険として社会保障も付いている。

しかし、彼らの大多数は幸せには見えない。



いくら保証を求めたところで、
他人に飼い慣らされているにすぎないのだから。

誰かが作ったルールに保護されている時点で、
自立心を奪われているも同然。

牙を抜かれて飼い犬になっていようなもの。



結婚しない生き方がより理想的に思えてきたのは、
保証を求めるほどに人間が腐るという考えが強まってきたことに
少なからず関係している。

サラリーマンのまま一生を過ごすと決めた人は、
会社組織の一員としてうまく生きることが合理的な選択になる。

必死に価値を生み出すこととか、
仕事で成果を挙げることではなく。


議員は利権を守ろうとするし、
主婦は女性としての緊張感を失う。


保証があるのだから、
それを最大限に活用するのは楽な生き方かもしれない。

大きくは失敗しないのかもしれない。


ただ、それ以上の価値があるとも思えない。




本当の意味で自立していれば、
他人から与えられる保証なんて要らない。

自分でビジネスを組み立てられれば
失業保険や就職先なんて要らないように、
結婚しなくても困ることはない。



逆に自立できていない人の相互扶助のシステムとして、
結婚生活は機能している。

歳をとってからお互いに支え合おうとか、
何なら子供を作って子供に介護をしてもらおうとか。

そんな目論見が外れるケースが多発しても、
他力本願の人は都合のいい事実しか見ないから、
すぐに価値観が変わったりはしない。



結婚しない生き方には孤独死や老後の問題など、
たしかにリスクもある。

ただ、結婚しても離婚することがあるし、
夫婦仲が悪くて険悪になるかもしれない。

老後だってどうなるか分からない。



最悪、老人ホームに入ったり、
物価の安い国で介護を受ける程度の資金や順応力があれば
結婚するよりも安定した生き方だと思う。

夫婦関係にすがったところで、
離婚率が上がっている昨今では
セーフティーネットとしてはあまりに心もとない。



自立できない人同士の相互扶助という仕組みを
結婚という制度の中に見ると冷めてしまった。

自由に生きていくためには、自立というのは最低限の条件。

わざわざそれを満たしていない側の生き方に
自分が寄っていく必要はない。




別に断固として結婚しないという決意もないし、
それはそれで囚われになる。

だからとりあえず今は結婚しないというか、
予定がないという感覚でいる。

法的な契約に頼る必然性が見つからないので。

どこかで必然性を発見すれば、方針転換するのかもしれない。


このまま結婚しない生き方が続いていく可能性のほうが
高い雰囲気がひしひしと漂うが。




海外に住んでいることもあり、
国際結婚しないのかという質問を受けることもあるものの、
特に考えたことはない。

たしかにマニラに住んでいると
フィリピン人と国際結婚している人の話も聞いたし、
バンコクに旅行した時にはタイ人と国際結婚した人にも会った。


ただ、私は一国にとどまる生き方を想定していないし、
その意味でも制約を設けたくない。



婚姻契約によってではなく、
お互いが必要とする関係が継続しているという理由で
相手とつながっていたい。

それが失われた時点で
関係が解消されるという不安定さも、
シンプルな生き方でいいと思っている。


常に理不尽に変化が生じるという事実を受け入れる方が、
架空の安定を求めるよりも分かりやすいのだから。



そもそも私の場合、
大した理由もなしに世界一周を始めたり、
住む国を固定せずにホテル暮らしをしたりしているので
家庭生活になじまないという問題がある。

他の国に移動する時も、直前になって気分で決めたりするので、
この生活を他人に強いるのもいかがなものかと。

そうした暮らし方を理想にしている人と出会っても、
私の側では急に定住生活に戻りたくなったり、
再び自宅を引き払ったりすることになりそうなので
基本的に安定しない。

そして事前に説明するのも困難なので、
合意を得るという手続き自体がナンセンスな感じがする。


そう考えてみると、結婚しないで自分で生活を作りながら、
自由にやっていくという生き方がふさわしいのではないかと。

年齢相応の社会的信頼とか、
そういうレールはずいぶん前から無視しているので
今さら復帰しようとも思わない。



唯一結婚したいと思うのは、
住みたい国のビザが取れない時ぐらい。

婚姻を理由にしたビザは各国で取りやすいので、
その点では現実的なメリットはある。

ただ、それだけを理由に相手を見つけるのも無理があるし、
さすがに実行しようとは思わない。


保険と結婚は同じ目的の制度?


以前に保険会社の人から、
「保険は貧乏人のための制度」と聞いたことがある。

たとえば医療保険を例にとって考えてみると、
病気になった時に治療費を払えないかもしれないというリスクを
保険は回避してくれる。

その代わり、これまでの統計で見れば損をするだけの
保険料を支払うことになる。

つまり、期待としてはマイナスになることを承知で、
いざという時に治療費を払えない可能性を潰すことが目的。


裏を返せば、
治療費は自分で払えるという自信がある場合、
わざわざ保険に加入しても損をするだけ。

これが保険会社の人が言っていたことだった。



ひるがえって結婚ということを考えてみれば、
婚姻費用や財産分与等の資産面、
そして相互扶養の契約が主な内容になる。

つまり保護された生き方なわけで、
自分の責任で自由に生きられる人には扶養なもの。

そう考えると、結婚しないというのは
人によっては妥当な選択になる。

抱えるものを最小限に抑えるというのも、
それなりの妥当性はあるのだから。


また、将来に向かって離婚しない限り永続する契約のため、
それだけの決定をしてしまうことの問題もある。

5年後や10年後の生活の見通しすら立たない人がほとんどなのに、
一生を規定しまうというのもどうかと。

途中で判断を変えることは簡単にできなくなるため、
そのリスクについても考えておく必要がある。



結局、結婚しない生き方をするのも、
周囲や社会の流れに任せて身を固めるのも、
得るもの・失うものがある。

その時に「皆がしているから」同じようにするのか、
それはそうとして自分で判断するのか、
決断を問われる部分でもある。

もっとも後者を選んだほうが良い結果が出ることなんて、
これまでの人生で十分に味わってきたことだが。


離婚のダメージは男の方が大きい!?


結婚や離婚が幸福度に及ぼす影響を調べた調査では、
結婚については男女差が小さく、
通常は3年程度で元の水準に引き戻されるらしい。

ちなみに、犬を飼うと一緒に暮らしている間中
幸福度が上がった状態が続くため、
単純に幸福感に包まれて暮らしたいのなら
妻や夫を見つけるよりも犬のいる暮らしをする方が
理にかなっていることになる。


一方、離婚については顕著な男女差がある。

まず、離婚から立ち直る期間については、
女性の方が男性の半分程度とされている。

ダメージから回復して元の水準まで幸福度が戻る期間には、
これほどの差がある。


そしてもう1つ残念なデータがある。

それは離婚がもたらす寿命への影響で、
女性は離婚経験があっても大きな変化は見られない。

これに対し、男性は8年程度寿命が縮む傾向が見られた。

8年という数字は調査によってまちまちのようだが、
無視できないレベルの違いが出ているのは共通する見解。


その背景には、食生活や部屋の掃除による衛生環境が
関係しているのではないかと指摘されている。

つまり、一般に離婚することによって
食べ物が乱れたり、部屋が汚くなるのは
男性に多い傾向にあるということ。

そのために寿命に悪影響を及ぼすと考えられている。



では、最初から結婚しない生き方を選択した場合、
バツイチの人より独身の期間が長いわけなので、
より早死にのリスクが高まるかというと、
意外にもそうではない。

むしろ離婚経験者の男性の方が寿命は短く、
ずっと独り身であれば結婚している人と
大差ないという結果になっている。


離婚は結婚の7倍大変と言われることがあるが、
あながち間違いではないらしい。

文字通り、命を削るほどの戦いなのかもしれない。



財産分与や慰謝料の算出において、
女性に有利な結果が出やすいという指摘もあるが、
お金以外の面でも男性は離婚において不利ということらしい。

断固として結婚しないという決意があるわけでもないが、
婚活しようという気はさらさらないし、
焦って婚姻届を提出する必要もない。

良い意味で成り行きに任せればいいと思うし、
このまま独身でも問題ないと思っている。

少なくても、私のように
居住国すら1年単位で変わる生き方をしていると、
どこかの国で落ち着こうという気にはなかなかなれない。


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