シギショアラ観光は急ぎ足なら2時間で終わる




ブラショフからシギショアラに移動をし2泊してきたが、その間に一通りの観光も済ませた。

とはいえこの町は、世界遺産にも指定されている、中世の面影を残した旧市街がみどころとなるが、丘の上に集中しているため、急いで回るのであれば、2時間から3時間ぐらいあれば十分ということになる。

極端なことを言えば、1時間ぐらいでもどうにかなるかもしれない。

個人的には急ぎ足で観光をするというよりも、仕事や生活をしながらその町で暮らすということが好きなので、一応この町も2泊することにした。

みどころが限られているとはいえ、かなり短めなのは、ルーマニアという国が滞在にはあまり向いていないという感じがあるため。

ともあれ、シギショアラの観光スポットというのは、それなりに見事なものがあった。

まずはセントラルパークホテルを出て、目の前にある丘を望むと、シギショアラのシンボルでもある時計の塔が見える。

坂道を登っていくと、二つほどのレストランを脇に見て、時計の塔の門をくぐることになるが、その手前にはスカラーズステアーズ、日本語に訳すと、学者の階段とでもなるのか、そういった遺跡のようなものがあるが、道の脇に木の古い廊下のようなものがあるだけで、まさかそこが名所だとは思わなかった。

このシギショアラの旧市街は、ぐるりと城壁で囲まれていて、中世においてはトランシルバニア王国の中でも、重要な城塞の役割を果たしていたことがあるらしい。

そしてかつては、承認のギルドが隆盛を誇っていたので、時計の塔以外にも靴職人の塔や、鍛冶屋の塔、肉屋の塔、仕立て屋の塔などの職業にちなんだ名前の塔が残っている。

とはいえ、そのすべてが残されているわけではなくて、現在残っているものが9つで、昔あったものは14個だったということなので、5つは失われてしまったということになる。

一通り城壁のところを回ったあとで、再び時計の塔の近くまで戻ってきて、広場から薄暗い階段を見上げた。

木で壁と天井が作られた長い階段で、その向こう側がどうなっているのかはよくわからない。

上の方からギターの音と、歌声が聞こえてくるところから、レストランかもしれないと思い、とりあえず登ってみることにした。

何かみどころがあるのかもしれないし、もしレストランなのであれば、ちょうどいい時間帯なので、そこで夕食をとってもいいと思い登っていくと、歌っていたのはチップが目的と思われる地元の人で、ここはレストランではなくて、そのまま上の方の教会であるとか、町と繋がっていた。

そこを少し歩いていくと、広大な墓地があり、日本とは随分と雰囲気が違うかと思いきや、意外にも十字架の墓ばかりではなくて、日本風の墓石のような形のものも多く、案外違和感がないというか、違いが少ないような感じがした。

更に、旧市街の丘の上から見下ろす川の向こうには、立派な教会があったので、そちらにも足を運んでみることにした。

ここはどうやら新市街のルーマニア正教会ということらしい。

たまたま声楽隊のコンサートのようなものをやっていたので、後ろの方で眺めていたら、席を勧められたので、断るのも悪くせっかくなので好意に甘えることにした。

何しろ部外者なので、あまり積極的に関わりにいくのも悪いというか、人の祈りの場に無信仰の人間がずかずかと入っていくのもどうかと思うが、さすがに頑なに断るのも悪いし、そのまま30分ほど歌声を聴いていた。

今回は、妙にこういった歌の力というのを、ブルガリアやルーマニアの教会で思い知らされることが多い。

ブルガリアのソフィアでは、2階のところで聖歌隊が練習をしていたし、先日のブラショフではたったの2人ではあったものの、おばさんたちが美しい歌声を響かせていた。

こういったサプライズの出会いがあると、ますます旅をやめられなくなってしまう。



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執筆者、伊田武蔵
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