今回はリスボンにてポルトガルの物価の調査を行ってきた。
ダブリンから空港に到着すると、
強い日差しとどこまでも青い空に迎えられ、
同じヨーロッパでもずいぶん南下してきた実感があった。
気温も5度以上は違うので、
かなり暑さは感じるが日本のようなジメジメした感じはない。
その点は楽だった。
ポルトガルは西ヨーロッパの中でも物価が安いと言われる。
実際、かつてリスボンを訪れた時もその印象はあった。
とは言え、
日本と違って常にインフレを積み重ねてきた国を
過去の時点で止まったものとして見ることはできない。
今回は実際にリスボン市内のレストランやスーパーマーケットを巡り、
色々と見て回ることにした。
レストランでの食事代
まずはレストラン。ランチセットだと6ユーロ程度から用意されていることが多い。
それにしても、スープが1ユーロ程度でも飲めるというのは、
かなり驚きの価格。
これだけ見ると、東南アジアでイタリアン等を食べるより、
むしろ安い印象さえある。
というより、実際にパスタやピザの価格を見ても、
タイやマレーシアと変わらなかったりする。
パスタなら500円程度から、ピザなら700円程度からなので。
他に有名なイワシ料理もリスボンやポルトで食べてみた。
4匹の立派なイワシに野菜もついて、800円程度。
明らかにヨーロッパの中ではポルトガルの物価は安い。
ロンドン、ダブリン、リスボンと移動してきたが、
そのたびに物の価格が8割程度になっている感じがする。
ビールはレストランで注文しても、
500mlで1.6ユーロから。
ちなみに、ポルトガルではSAGRESやSUPER BOCKを飲んできたが、
7月のカラッとした夏の気候とマッチして最高だった。
レストランの物価面で言うと、
海沿いの街のナザレや、
城塞都市であるオビドスのほうが
リスボンやポルトのような大都市よりも
観光地価格で3割ほど割高に設定されていた。
スーパーで市場調査
例によって、ポルトガルでもContinenteやJumbo、pingo doce等の
スーパーマーケットにも入ってみた。
ここで驚いたのは、
1ユーロ台でワインが買えること。
量が少ないわけではなく、しっかりフルボトル。
10年前に初めて訪れたときも驚いたが、
さすがに今はこの価格では売っていないと思ったが、
いまだに見つけることができた。
有名なポルトワインも日本で買う場合の
半額以下で購入できる。
種類も豊富なのが嬉しい。
ビールは330mlの缶で安いものは50セント、
ペプシも同様の価格。
ポルトガルは酒税が安いということだろう。
330mlのミネラルウォーターは10セント、
日本なら1個100円以上はするような
大きなチョコロール(パン)が2個で1ユーロ、
1リットルの野菜ジュースが66セント、
140グラム入ったポテトチップスが70セントとなっている。
果物も安く、
両手いっぱいで抱えきれるかどうかの量のいちごが2ユーロ等。
ヨーロッパより東南アジア並の物価!?
リスボンはホテルもヨーロッパの中では安いし、
旅行者としても滞在者としても物価の面では快適な街。
ロンドンやパリ、ベネチアのような街に比べ、
半分程度のお金で滞在可能と言ってもいいだろう。
さすがに東南アジアほど安いわけではないものの、
マレーシアやフィリピンで外国人向けレストランに行っても、
同じ程度の価格はする。
その意味では、ヨーロッパに住んでこの価格なら
割安感があるのは事実。
ヨーロッパで物価が安い地域といえば東欧だが、
それとほぼ同等か、ポルトガルが2割程度高いだけ。
隣国のスペインや南欧のイタリアと比べても、
ポルトガルのほうがコスト面での強みがある。
ホテル代に関して言えば、
ファティマという街は特に安く、
中級ホテルでも3,000円台。
これはリスボンやポルト、ナザレ等と比べても安い。
こちらは聖母マリアの奇跡が起こったとされる地で、
毎年その時期に多くの参拝者が訪れる。
他の時期は閑散期となるため、
このような異常なほどの価格になっているらしい。
観光に関して言えば、
リスボンの主要スポットを例に挙げると、
ベレンの塔が6ユーロ、
ジェロニモス修道院とセットだと12ユーロ、
サン・ジョルジェ城が7.5ユーロ、
サンタ・マリア・マイオール・デ・リシュボア大聖堂は
基本は無料で、宝物殿は4ユーロ、
サンタ・エングラシア教会は3ユーロ、
サンタ・ジュスタのエレベーターが5ユーロとなっている。
冬の気候の良さはヨーロッパ有数
実を言うと、マレーシアとフィリピンに住んだ後、
一時期真剣にポルトガル移住を考えていた時期がある。
結果としてはビザの問題をクリアするのが面倒だったため、
この計画は頓挫した。
リスボンは冬でもそこまで寒くならないし、
少し中心部から離れると山もあり、
緑と海の両方を楽しむことができる街。
町並みも綺麗だし、住むにはいい場所だと思う。
その点については、
最新情報を取り入れても変わらなかった。
ただし、夏は最高気温が30度近いので、
涼しくはない。
8月の気温に関しては、
ダブリンの方が涼しくて快適に感じた。
ロンドンとダブリンの後にやって来たため、
なおさらリスボンの暑さが際立ったこともあり、
街歩きをしていると汗をかいて不快に感じる部分があった。
赤道近くのフィリピンやマレーシアに住んでおいて、
こんなことを言うのもどうかとは思うが(笑)。
逆に冬に関して言えば、
ポルトガルは西側の大西洋から暖かい風が吹くため、
緯度の割に温暖な気候。
結果的にマドリッドやパリ、ベルリンと比べても
体感的に明らかな差が出る。
クリスマスシーズンに訪れたら、
パリとセーター1枚分以上は違った。
ヨーロッパは寒さが厳しい国が多いが、
ポルトガルはマルタや南イタリアと並んで
もっとも冬に暖かい国の1つだろう。
字面通りに物の価格という意味での物価なら、
ポルトガルはアジアと比べても大差ない。
ただし、人件費関連は話が別。
たとえば、タクシー代ならアジアに利がある。
リスボンではタクシーの初乗りが3.25ユーロということで、
400円弱となる。
バンコクやマニラのように100円とはいかない。
その意味では、スーパーで買物をしている時が
もっともリスボンの物価の安さを感じる。
逆に人件費が大きくからんでくる場面では、
そこまででもない。
国内旅行や海外旅行の費用は日本よりずっと・・・
市内の移動費であれば、リスボンの地下鉄は1.4ユーロから。
空の旅に目を向けると、
ポルトガルに限らずヨーロッパはLCCが発達しているので、
時には東南アジアより安く感じることさえある。
たとえば、リスボンからパリへ飛ぶ場合、
ライアンエアーで安い便だと2800円台だった。
ライアンエアーは手荷物を2つまで持ち込めるようになり、
少し利便性が増したりもしているので、
このへんは旅行の際には大きな助けになる。
ブリュッセル行きの場合なら、
TAPポルトガル航空で5100円台。
他国へ旅行に行くハードルが低い。
国内でも、リスボンからポルトへ飛ぶなら、
ライアンエアーで1600円台。
南のリスボンから北のポルトまで、
ポルトガルの主要都市を片道2000円以内で移動できる。
フライト時間も55分と手軽な旅。
リスボンのウンベルト・デルガード空港は
地下鉄が接続しているので街中とのアクセスも良好。
ポルトのフランシスコ・サ・カルネイロ空港も同様。
価格面でも、市内までの交通面でも環境が整備されている。
陸路に目を向けても、
リスボンのロシオ駅から
世界遺産にも指定されているシントラまで鉄道で約40分。
シントラの周遊パスを購入すれば、
往復の料金やシントラを周遊するバス、
ユーラシア大陸最西端の地、ロカ岬へのバスも含め
料金は15ユーロ。
なお、上記の周遊パスは交通費のみなので、
シントラ宮殿は入場料で10ユーロ、
レガレイラ宮殿が6ユーロ、
ペーナ宮殿とムーアの城跡が19.95ユーロかかる。
他にもオビドスも日帰りで行けるが、
こちらは片道7.6ユーロ、
約1時間の旅となる。
リスボンからは他にもカスカイスやナザレが
日帰りで訪れられる街として有名。
旅費も高くないので、
時間が取れるなら郊外にも足を伸ばす価値がある。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼントすることにした。
電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ。
電子書籍のプレゼントページへ