耳抜きに失敗するだけで、
こんなに飛行機の旅がつらいものになるとは・・・
これまでに飛行機には散々乗ってきたが、
気圧の変化には対応できた。
いわゆる耳抜きはいつの間にか
自然に習得していたので、
特に苦になったこともない。
口を閉じたままあくびをする感じで
あごの付け根を広げるようにすると、
耳抜きができる。
成功すれば遠くなっていた音がいつもどおりに戻るので、
うまくいかずに失敗すればすぐに分かる。
そんな時は何度か同じことをすれば問題なかった。
しかし、バンコクからウドンタニ行きの飛行機では
これができずに失敗し続けた。
どうやら風邪で鼻が詰まっていたのが原因らしい。
左耳は無事に耳抜きができたが、
右耳がいくら頑張ってもできない。
途中まではキーンとするだけだったのが、
最後の20分ほどは痛みとの戦いだった。
しかも、初めての痛み。
場所が場所だけに鼓膜が破れるのではないかと
不安がよぎったりもした。
最後の方はかなりの激痛でもあったし。
危うくお客さんの中からお医者さんを探しそうになった。
このシチュエーションに憧れる人は多くても、
まさか患者の立場で遭遇したい人はいないだろう。
結局、飛行機がウドンタニ空港に降り立った後も
耳がよく聞こえない状態が続く。
空港に到着して30分ほどしても
繰り返し耳抜きをしていたら、
ようやく耳に詰まっていたゴムが取れるような音が
何度かして、聞こえるようになった。
失敗し続けた後、ここでようやくどうにかなったらしい。
その後も、ホテルに移動して昼食を取った後には
立ちくらみがするように。
おそらく、耳の影響なのだろう。
飛行機が嫌いという人の中には
耳抜きができなくて痛いのが原因の人もいるのかもしれない。
たしかに、毎回この状態になるのなら
飛行機が嫌になる。
しかも、今回は国内線なので1時間ちょっとのフライト。
あれが何時間も続いたらと思うと
恐ろしくなってしまう。
あくまで一過性の失敗だからいいようなものの、
毎回、あるいは3回に1回ぐらいの割合でこんなことになったら
飛行機恐怖症になるのは納得できる。
風邪の時は要注意といっても、
注意のしようがないので意味がないか。
とりあえず早めに体調を回復させよう。
耳抜きに失敗しただけでここまで苦痛とは、
やはり体調管理が大事だと考えさせられた。
今回の旅はバンコクで寝込んだり、
体調の悪さによってかなり影響を受けてしまったし。
何度も行っているバンコクだからまだ納得できるものの、
初めて行くラオスで動けなくなったりしたら
悔やんでも悔やみきれない。
マカオからバンコクへの移動で気温差があったのが
風邪を引いた一因として考えると、
その辺も考えて移動したほうがいいのかもしれない。
とりあえず、飛行機で耳抜きに失敗するのは今回で最後にしたい。
本当に痛かったので。
耳抜きに失敗しやすい条件
このウドンタニ行きのフライトの後にも、何十回と飛行機に乗った。
国内便もあれば、
マニラからロンドンとか、
ワルシャワからバンコク、
バンクーバーからマニラのような
長距離便もあった。
世界一周したりもした。
その中で、ウドンタニの時ほどひどく耳抜きに失敗したことはなく、
あの時のような激痛はさすがになかった。
ただ、何度かうまくいかないことはあって、
その時には1つの共通した条件があった。
それは鼻が詰まっていたこと。
ひとえに、これに尽きる。
どうしても風邪や鼻炎で鼻が詰まっているのなら、
こまめに鼻をかんでおく必要がある。
ある程度耳に負担がかかってからだと、
鼻をかむ行為がとどめをさすことになりかねないので、
早くに処理をしておくことが必要。
そのため、体調によってはティッシュを
多めに持って行った方が安心。
もちろん機内持ち込みの荷物に入れておかないと意味がない。
耳抜きをしようにも、鼻が詰まっているとうまくいかない。
失敗し続けて圧迫されていくと、
耳に痛みを感じる場合がある以外にも、
耳鳴りがしてきたり、乗り物酔いをしたこともある。
こうなってくると、旅を楽しむどころではない。
こなさなければいけない仕事のような気持ちで
目的地まで移動することになる。
しかも飛行機は途中で降りてくれるわけではないので、
座席の前に付いた画面を操作して、
何度も現在地を地図上で確認してしまった。
数分おきに画面を見ても変化があるわけもないが、
ユーラシア大陸のよく分からない位置を
いつまでも機影が飛んでいることに苛立ちつつ、
再び耳抜きに失敗して落ち込むだけだった。
航空券は日時を指定した便で予約するので、
体調によって柔軟に変更というわけにはいかない。
その日に向けて体調を整えるのも限界があるし、
ある部分では出たとこ勝負になるのはやむをえない。
たまたま体調がいまいちな時にフライトが当たってしまったら、
せめて鼻を詰まらせないように心がけるぐらいことは
忘れないようにしていただければと思う。
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