今回のヨーロッパ3ヶ月の旅で、
イタリアの中で行くのはトリエステだけ。
ベネツィアも近くではあるが、
以前にも行ったことがあるのと
他の街とのルートを考えるといまいちなので割愛。
ミランやローマ、フィレンツェ、ナポリも
同様の事情で今回はパス。
トリエステは移住先として見るというより、
今回はアドリア海沿岸の街を観光することが主目的。
なお、日本人にはいまいちなじみのないトリエステだが、
住んでいる日本人の方もいるらしい。
その後はザグレブ経由でハンガリーへ。
こちらは今後住む可能性も視野に入れて
のんびりと現地を見てくることが目的。
ブダペストでは昨年も1ヶ月過ごしたが、
今回はペーチュやエゲル、トカイ、デブレツェンにも
足を伸ばすつもりでいる。
そんなわけで、
トリエステには観光気分で気軽にやってきた。
今回はミュンヘンから始まり、
オーストリア内を5都市周った後で
グラーツからスロベニアのリュブリャナへ。
そしてリュブリャナからバスでトリエステに入った。
すでにドイツ、オーストリア、スロベニア、イタリアと
4カ国を周っていることになるが、
パスポートチェックもないので実感はない。
さて、トリエステに到着しての感想。
まずバスターミナルが悲惨なほどにつつましく、
チケット売り場も薄暗い。
一応食事ができるバーも併設されているが、
荒廃していると表現してもさしつかえない程の建物。
古い建物を利用して服を売っているスペースもあったが、
単なる廃墟の再利用にすら思えた。
それに対して、
隣の鉄道駅はきれいで、あまりにも対照的。
バスターミナルへの嫌がらせにすら思えるほど。
バスターミナルを出てから、
予約していたHotel Duchi Vis a Visの名前を道端の標識に見かけ、
その通りに歩いて行った。
地図の縮尺を考えても歩き過ぎな感じがするが、
なかなか到着しない。
しかもアドリア海に出てしまった。
偶然にも巨大な豪華客船も停泊中。
左手にはなんだか目立つ水路もあり、
地図で見ると明らかに方向がおかしい。
ちなみに、この水路が
カナル グランデ(Canal Grande)であることは、
数時間後に知ることになった。
そして、ふと思い出した。
このトリエステはイタリアであるということを。
あのいい加減な国であるということを
到着早々頭に叩き込まれる結果に。
ホテルの位置を示す標識すら大雑把だった。
結局、そこからぐるぐる回るようにして街を歩き、
最後はバスターミナルに戻って
一から探し直そうかと思ったところで
偶然にもホテルを発見した。
こういうところが、イタリア移住の魅力を損なう。
この日は終日曇り空。
荷物を置いた後で再び海に行ったが、
特別きれいというほどでもなかった。
しかし、翌日以降はほとんどが晴れ。
約一週間をトリエステで過ごしたが、
青い空と紺碧の海がよく似合う街だった。
曇り空ではベストパフォーマンスの30%程度しか
発揮できないのではないかと思うほど。
MOLO AUDACEという桟橋では、
昼寝を楽しむ人も多数。
石の上で痛そうだが、
太陽のめぐみを受けようとする人が多かった。
このあたりはヨーロッパらしい光景。
海沿いをずっと南に歩いて行くと、
多数の船が停泊していた。
アドリア海は青緑に染まっているが、
それなりに透明度が高い。
と思っていたら、
人の頭の2倍ぐらいの大きさのクラゲが。
これは海に入っている時だったら、
かなり恐ろしそう。
Piscina termale copertaという建物が。
なにかと思ったら、
中は市民プールのような雰囲気だった。
トリエステはイタリアとアドリア海というキーワードを
見事に調和させたような街。
もっとどちらかに偏っているかと想像していたし、
イタリアの外れなのであまりイタリアらしくないかと思いきや、
そんなことはなかった。
そして、さすがイタリアだけあって食事も美味しかった。
特にPizzeria Da GinoのピザとJoiaの魚料理は
個人的にお気に入りだった。
トリエステの丘の上へ
その次の日は丘の上へ。
まずは丘のふもとにある古ローマ劇場、
Teatro Romanoを眺め、
その先にある2つの教会、
Chiesa Santa Maria Maggioreと
右隣りにあるChiesa di San Silvestroへ。
それからさらに丘を登って行くと、
途中で絶景スポットが。
アドリア海を含め、トリエステの街を一望できる。
それからサン・ジュスト大聖堂を発見。
その隣にはローマのフォロ・ロマーノをほうふつとさせる
Propelei e Basilica Romanaがある。
そしてサン・ジュスト城もあるが、
こちらは中に入ることはできなかった。
このあたりは緑が多く、落ち着く場所になっていた。
トリエステは基本的に市内だとよく言えば活気があり、
悪く言えば騒がしい。
そんな喧騒を忘れさせてくれる丘だった。
Parco della Rimembranza(リメンブランツァ公園)という公園もあり、
憩いの場になっている。
この丘には他にもChiesa di Sant’Apollinare
という教会もあったが、
こちらもサン・ジュスト城と同様に
残念ながら閉まっていた。
市内中心部
基本的には海沿いに中心があるが、
観光客にとって重要なのは、
カナル グランデという水路の部分と、
ウニタ・ディタリア広場だろう。
この2つが街の中心部だが、
お互いに徒歩1分ほどの距離にある。
まずはカナル グランデから。
こちらは何よりも水路が目立つが、
それをたどって海から内陸の方に歩いて行くと、
正面にChiesa di Sant’Antonioという教会があり、
右手にはChiesa di San Spiridioneがある。
また、水路沿いにはレストランやカフェが並んでいるが、
比較的低価格帯の店が多い。
中国人と思われるアジア人ばかりが働く店も見かけた。
スペインやチェコの個人商店でも
中国人の姿はよく見かける。
どこに行ってもたくましい・・・。
一方でウニタ・ディタリア広場周辺は、
比較的高級なカフェやレストランが多い。
土日になると、
広場に面したカフェのオープンテラス席はぎゅうぎゅうで、
東京のスターバックス並の人口密度。
しかもそこは喫煙席でもあるので、
私は平日の空いている時には利用したが、
土日は近づく気になれなかった。
ウニタ・ディタリア広場周辺は旧市街の入り口でもある。
ということで、
トリエステの街歩きはこの2箇所を通ることが多かった。
街の東側に行くと
一週間もいると、
街の中心部は歩き尽くしてしまった。
何しろ狭い街なので、
本気で見て回れば観光は1日で十分。
ということで、
少々変わった方面にも足を伸ばそうと思い、
街の東側にも行ってみた。
Tribunaleという建物があったり、
Monumento a Rossettiという銅像があったり、
Giardino Pubblicoという公園があったり、
シナゴーグがあったりした。
また、その北側になる丘にも途中まで登ってみたが、
イタリアの古い街並み(旧市街というほど古くはない)で、
生活感が程よくかもしだされている。
ただし歩道が極端に狭い上、
下ってくる車がスピードを出して脇をすり抜けて行き、
歩きやすい道ではなかった。
その他、トリエステの街歩きの時の写真。
鉄道博物館や自然史博物館、海洋博物館
レヴォルテッラ美術館、サルトーリオ美術館は今回はパス。
いまいち気が向かなかったので、スルーした。
今回のヨーロッパの旅でも有数の絶景
インスブルックではアルプスを間近に感じたり、登ったりもしたし、
世界一美しい湖畔の町と称されるハルシュタットにも行ってきたが、
トリエステは負けず劣らずの絶景の街だった。
アドリア海沿岸を歩いていても海と街並みが素晴らしいし、
丘の上に登ればまた違った景色が見られる。
天気が良くないといまいちという問題はあるが、
私の滞在中はほとんどの日が晴れだった。
そしてイタリアだけに、食べ物も美味しかった。
本場のピザやパスタ、ラザニア、ワイン・・・。
ジェラットリアでジェラートを買い、
街歩きをするのも気分がいい。
個人的にはすっきりしたい時には梨やパイナップル、
濃厚なものがほしい時はピスタチオ味を選んでいた。
イタリア語で書いているものの、
ジェラートの色と合わせて考えると
不思議と大抵は理解できた。
トリエステを去った後は、
スロベニアのピランに移り、
その後はポレッチ(スロベニア)、
プーラ、リエカ(共にクロアチア)と
アドリア海沿岸の街を周っていく。
ここは何とも去りがたい街ではあるが、
今度はベネツィアのついでに来るかもしれない。
また、アドリア海の東側の街は
基本的にアクセスの悪い街が多い。
唯一の例外がクロアチアのドブロブニクぐらいで、
あとはバス等に乗っての移動を余儀なくされる。
その点、トリエステは北の玄関口のような位置にあり、
ベネツィア経由で立ち寄りやすい場所。
立地の上での優位性があるだけに、
リピートの確率も上がるだろう。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼントすることにした。
電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ。
電子書籍のプレゼントページへ