歴史を踏まえて考えると、
クロアチアの治安は悪そうな印象がある。
難民が退去して押し寄せてきたという背景も
犯罪の増加につながりそうな印象。
しかし、今回の旅ではポレッチを皮切りに
プーラ、リエカ、ザグレブと周ってみたものの
ピリピリした雰囲気や風紀の悪さはあまり感じなかった。
むしろドイツと比べれば、
ずっと健全で牧歌的な国というのが率直なところ。
危険を感じる部分も
歴史的な流れの中でかつての傷が残っている部分はあって、セルビアやボスニア・ヘルツェゴビナとの国境付近には
いまだに地雷が残っている場所もあるが、
このあたりは観光客が行くような場所ではない。
その意味でも、ドブロブニクやスプリッツ、ザグレブ等の
代表的な街は基本的に安全と考えていいだろう。
ただし、ザグレブ滞在時には
サッカー、クロアチア代表の試合があったらしく、
街中でワインのボトル片手に大騒ぎしている一団がいた。
人数は20人弱。
日本人に比べるとクロアチア人は大柄で、
20歳前後の若い男ばかりが騒いでいると威圧感がある。
試合の興奮だけではなく、
アルコールも入っているため
下手にかかわらない方が得策なのは間違いない。
ヨーロッパと言えばフーリガンが有名だが、
ザグレブでもその素養がありそうな、
もしくは現役でそうでありそうな集団を見かけた。
しかも中国人を嫌っているクロアチア人も中にはいて、
若者の中には過激な行動に出ることもあるらしい。
向こうから見れば
日本人も中国人も見分けがつかないだろうから、
なおさら近づかないでおいた。
そういえば、アドリア海沿岸の街、プーラでは
土産物屋の軒先で「ニーハオ」と声をかけられた。
比較的距離が近く、
日本人も中国人も多い東南アジアでさえ
間違えられる事が多い。
ましてヨーロッパで正確に区別してもらえるとは
とても期待できない。
ポレッチでは、ホームレスから
「Chinese people,come on」と謎の言葉をかけられ、
翌日はおそらく同じ人だったと思うが、
「10クーナあるだろ、恵んでくれ」と言われた。
やはり中国人と見分けが付いていない様子。
というよりも、
単純に中国人の方が訪問者が多いのか、
とりあえず中国人と思っておけば間違いないと
考えている節もあった。
そんなわけで、サッカーの代表戦がある時には要注意。
というより、冷静さを失っている集団を見かけたら
常に細心の注意を払っておいた方がいいだろう。
これはサッカー関係の話だけではなく、
単純に酔って大騒ぎをしている集団でも同じこと。
体格のいい若者の悪ふざけで
ケガでもさせられてはたまらない。
ザグレブでバーが並ぶトカルチチェヴァ通りでは
そうした集団は見かけなかったが、
イェラチッチ広場から徒歩1分ほどの場所では
大声を上げながら歩いて行く4人組を見かけた。
これ以外には、
特に治安の悪さを感じた出来事はなかったし、
身の危険を感じたこともなかった。
ただし、ザグレブやドブロブニクでは
集団スリの被害も報告されているので要注意。
集団スリについて
注意を引きつける役とスリを行う役に分担されると厄介で、
理想としては狙われないことが望ましい。
そのためには、隙を見せないこと。
場所としては、ザグレブだと
聖母被昇天大聖堂や石の門、イェラチッチ広場、
聖マルコ教会付近、中央バスターミナル、
ロトルシュチャック塔のあたりで被害が目立つ。
これらの共通点は、観光客の集まる場所というところ。
外国人観光客狙いでスリが行われているので、
あやしい人物が近づいてきたら
足早に離れるのが無難。
実際に盗まれる瞬間まで待つのではなく、
とにかく距離を置くのが得策となる。
ドブロブニクの場合なら、
ピレ門付近の人の多い場所や
プラツァ通り、スルジ山が特に注意が必要な場所。
アドリア海で危険なポイント
ポレッチでは海で泳いでいる人も多かったが、
基本的に身の回りの品は浜辺に放置されていた。
盗難が日常茶飯事な場所なら、
こういった管理の仕方はしていないだろうから、
それなりに安全であることがうかがえる。
もちろん貴重品は持ってこないとか、
基本的な配慮はするべきだが、
過剰に神経質になる必要はない模様。
アドリア海は透明度も高く、
眺めるのも海に入るのも楽しい。
場所によって治安の差もあるので、
周りの様子もうかがいながら楽しんでもらえればと思う。
特にドブロブニクのラパド・ビーチやスプリットの一部ビーチでは
盗難の例もあると聞く。
人が多い場所ほど狙われやすいので、
原則として貴重品はホテルに置いてくる方が安全。
ホテルのスタッフにパソコンを盗まれたことがある身としては
少々複雑な気分ではあるが(苦笑)、
ビーチに放置して泳ぎに行くよりは相対的に安全。
そういえば、ポレッチでは、
妙にしつこいメガネ屋があった。
前を通る度に英語でブツブツと何か言ってくるのだが、
どうも私のメガネに文句をつけているようで、
それを理由に買い替えを勧めていたらしい。
反感を持たれて、
他の店に流れていくだけな気がするのだが。
クロアチアはフレンドリーな人が多かったが、
必ずしも接客水準は高くない。
特に顕著だったのは、
この謎のメガネ屋とバス会社。
バス会社はAutobus、Bus Croatia,
brioni pulaを使ったが、
どこもひどかった。
タバコを吸いながら、
車掌がチケットをチェックしていたり。
チケット売り場の対応も散々で、
観光に力を入れている国とは思えなかった。
とは言え、バスは基本的に犯罪がらみのトラブルは少なく、
治安関連で気をつけるべきなのはタクシー。
タクシーには要注意
世界各国共通の事情ではあるが、現地事情にうとい外国人旅行者をカモにして
ぼったくりを行う事例はクロアチアでも存在する。
そもそもザグレブも小さな街だし、
ポレッチやリエカ、プーラは輪をかけて規模が小さい。
あまりタクシーに乗る必要を感じることもないため、
好き好んでトラブルの元に近づく必要もないだろう。
ただし、首都ザグレブでも地下鉄等はないため、
徒歩以外だと乗り慣れないバスやトラムを利用することになり、
事前に路線を確認しておかないといけない。
その意味ではタクシーの利点はたしかにあるが、
気をつけるべき場面であることはこの国でも変わらない。
治安がいい国でも、
タクシーに心から安心して乗れることは少ない。
残念ながら、クロアチアも例外ではない。
それ以外については、
ヨーロッパの中でも危険ということはないし、
日本人旅行者により人気の高いパリやロンドン、
フランクフルト、ローマ等と比べても
肌感覚でクロアチアは安全だと感じた。
首都のザグレブでもそうだし、
プーラやリエカのような小さな町に行けば、なおさら。
海外に出て羽目をはずしすぎなければ、
原則として安全な国と考えていいだろう。
万が一の場合のため、
警察等の連絡先も把握しておけば安心。
まず、緊急時の連絡先は112。
こちらは必要に応じた機関に転送してもらえる。
警察は192、救急車は194、
あまり縁がないと思うが消防車は193。
在クロアチア日本国大使館は01-4870-650が電話番号。
日本大使館はザグレブにあり、
住所は以下の通り。
Boskoviceva 2,10000,Zagreb,Republic of Croatia
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