マカオに移住しようと思っても、
新規で外国人へのビザを発給するということが
ほぼ行われていないという現実がある。
カジノの国のため、
その点が気に入って住みたいという人もいるが、
現実的に考えると難しい。
マカオは国民の医療費や教育費が無料だったり、
毎年給付金のようなものをもらえたりするため、
永住権等の一部のビザを持っているだけでも恩恵を享受できる。
治安もいいし、移住したいという話を聞いたこともあるが、
数年前にビザの発給が突如として止まってしまった。
これは現地の人からの反発を受け、
外国人への利益の流出を避けるための方策だった。
すでに経済は潤っている国なので、
これ以上外国人を受け入れる必要はない。
わざわざマカオに移住してきてもらわなくても、
カジノを中心にした産業で経済は回っている。
アジア最大規模なのはもちろん、
ラスベガスを抜いて売上でも世界一なので、
IRとしての実力は折り紙付き。
そして、人口がわずか55万人程度のため、
カジノ関連のビジネスで国中が潤っている。
外国人の財布を当てにしなくても
独立してやっていける状態をすでに実現できている。
こうした背景があった。
わざわざ外国人に住んでもらい、
生活費を落としてもらうことで稼ごうという意図が働かない。
各国で経済発展と共にこのような方向に動いていくが、
マカオはかなり急激で特殊な例。
何しろ国としての規模が小さく、
それでいてカジノ産業という
恐ろしく強力なエンジンを持っているので。
正確に言えば中国の独立行政区だが、
実質的には国と同じような形で機能している。
実際、中国との間にはイミグレもあるし、
それぞれ別の国として扱われる。
ビザなしでの滞在日数も、マカオと中国では別物扱いなので、
イミグレを越えると新しくカウントされ直すことになる。
いわばマカオのビザは既得権益のようなもので、
新しく取ることは基本的にできない。
オーストラリアやタイは基準が厳しくなったとはいえ、
別にビザの取得が不可能ではないので、
その点でもマカオは急な変化を遂げたことになる。
マカオに移住して働く日本人の女性と会ったことがあるが、
子供だけで外で遊ばせられるぐらい治安も良いし、
教育費や医療費が無料な上、
食費も安いので家計的には助かるということだった。
たしかに外国人向けの高級レストランが並ぶ一方で、
庶民向けのレストランなら200円や300円で食べることができる。
狭い国土を無料のカジノバスが走っているので、
交通費もかからない。
ちなみに、子供が外で遊べるのは
日本の感覚では普通のこと。
しかし、海外だと話が別。
私がこれまで住んできたフィリピンやマレーシアでは、
誘拐等の危険を考えると子供だけでの行動は
基本的にできない。
そのため、両親が共働きだったり、
片親で仕事に出ていたりすると
メイドを雇ったりしなければいけなくなる。
子供を安心して出歩かせることができるのは、
それだけ治安が良い証。
そう考えると、条件は整っているのかもしれない。
ちなみに、給付金は家族ももらえるので、
子供がいる方が金額は大きくなる。
移住ではなく旅行の場合であれば、
マカオは90日までビザなしで滞在できる。
そのため、よほど長期で滞在するのでなければ
日本人はビザを取らずに行くことができる。
中国本土にビザなし滞在の上限が15日、
香港も同様(ただしカウントは別)なのに対し、
マカオだけは滞在期限が長い。
その反面、マカオに移住するのは難しい。
投資家ビザを取ることによって比較的簡単に移住できた頃とは
明らかに環境が違ってきている。
やはり取れるうちにビザは取っておかないと。
仮にマカオのビザが取れても・・・
これまでに何度もマカオを訪れてきたが、たしかに治安は良好だし、
良くも悪くも景気の良い街なのは間違いない。
しかし、住環境としてはどうだろう?
別に私はギャンブルをしないので、
カジノが近くにあることのメリットは特にない。
ショーを見たりすることができるのはいいが、
中国本土からやって来たマナーの悪い中国人が
年中無休で跋扈している街でもある。
そうした意味では、
取り立ててマカオが移住先として魅力的には思えない。
来月には海外生活3カ国目として台湾に住む予定だが、
もしマカオが簡単にビザを発給してくれるとしても
私は台湾を選択するだろう。
IRが日本でも話題になる中、
先駆者であるマカオから学ぶことは多いかもしれない。
ただ、それは好奇心から来る要請であって、
別にIR関連のビジネスをしようというわけでもない。
それよりは住環境の整っている度合いで移住先を決めたいし、
そうなると台湾の優位性は揺らがない。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼントすることにした。
電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ。
電子書籍のプレゼントページへ