多くの日本人が持っているイメージだと思う。
私も訪れるまではそう思っていたが、
現地に行ってみたらそうとも言えない要素も多々あった。
最初に訪れたのはハンガリーの首都、ブダペスト。
東欧の中では比較的裕福な国で、
1人辺りGDPも高め。
この街はドナウの真珠の異名を持つ街でもあり、
特にドナウ川の東岸のペスト地区は壮観。
パリに似た街並みとなっている。
治安の悪さや貧しさは感じず、食事の質も高い。
東南アジアのように
一部のエリアだけが先進国並みに発展し、
それ以外はスラム同然の場所が多々見られる環境ではない。
その後、ポーランドのワルシャワ、クラクフ、ヴロツワフ等も訪れ、
チェコのプラハやブルノ、スロバキアのブラティスラヴァにも行った。
これらは東欧の中では
経済が強い部類に入る国々。
プラハが世界的な観光名所であるのは有名だし、
実際に貧しさを感じることはなかった。
ブラティスラヴァに関しては、
観光客が来るエリアとドナウ川を挟んだ向こう側は
共産主義時代に作られたと思われる公団らしき建物があり、
かなりくすんだ印象を受けた。
もっとも、経済的にはチェコと同等の国なので、
そこまで貧しいわけではないが、
歴史的な壮麗さとは違う
数十年単位の古臭さが漂う部分もあった。
チェコ・スロバキア・ハンガリー・ポーランドは
東欧の貧しいイメージを払拭してくれた国だった。
総じて治安も良く、
物価も安くて過ごしやすい国々と言える。
しかし、東欧はそんな国ばかりではない。
東欧の貧しい国へ行くと
ブルガリアは首都のソフィアを起点に旅を始めたが、レストランが少ないのが印象的だった。
外国人旅行者が来るセルディカ遺跡付近等の
限られたエリア以外、
席に座ってゆっくり食事ができる店があまりない。
一切れ100円ほどの出来合いのピザを売る店や
デリカテッセンがある程度。
ブルガリアの経済状態の一端を垣間見た思いだった。
駅の看板にも英語表記はほとんどなく、
ソフィアからプロブディフへ行く鉄道の切符にも
英語での記載はまったくなかった。
ソフィアの駅ではあやしげな男が近づいてくるし、
プロブディフのホテルではパソコンを盗まれた。
状況から察するに、
外出中に部屋に入ったホテルのポーターが盗んだと思われる。
ホテルのフロントも盗難に驚く様子はなく、
手慣れた対応なのが怖い。
しかも、翌日に同じホテルの宿泊客の中に
同じぐらいの時間帯に盗難にあった人がいるのが判明。
常習犯の疑いを持たざるを得なかった。
続いてベリコ・タルノボに行った。
ベリコ・タルノボのホテルのフロントで話していたら、
ホテルでの盗難はブルガリアではよく聞くと言われた。
チェコやハンガリーに比べ、
ブルガリアは経済的に貧しい。
たとえば、チェコの一人当たりGDPが
2017年に19,818ドルだったのに対し、
ブルガリアは7,923ドルにとどまる。
これは街並みにもある程度反映されていた。
続いて陸路でルーマニアに入った。
ブカレストで購入したパソコンは
当初の2日以内の到着は案の定実現せず、
5日目にようやく届いた。
ブカレストは治安の悪い街として知られるが、
個人的には食事がまずい印象が強い。
ブルガリアは店が少なかったものの、
食べ物は美味しかった。
対してブカレストは旧市街の近くの
ホテルに宿泊していたこともあり、
店の数には困らなかった。
ただ、質に問題があっただけで。
続いてブラショフやシギショアラ、
シビウと周ってみたが、
シギショアラは中世の面影が残り、
時計台や歴史地区は美しいものの、
とにかく物乞いが多かった。
小さな町というのもあったが、
外国人が訪れるエリアは物乞いと頻繁に遭遇する。
そこには貧しさを感じざるを得なかった。
過ごしやすさということで考えると、
チェコやポーランドは物価が安く、
治安も良くて長居したくなった。
一方、ブルガリアやルーマニアに
そのような印象はない。
そこからさらに経済状態の悪いアルバニア等も
期待できないので訪問を取りやめた。
この数年は東欧に注目していて、
数回に分けてすべての国を訪れることを想定していたが、
一定の経済水準を下回ると生活の質が落ちる。
これは東南アジアで暮らし、
色々な国を訪れて感じたことでもあった。
ということで、
今後は東欧の中でも限られた国を
深掘りしていく方向に方針を転換した。
チェコ等であれば、
ロンドンやミュンヘンのように
一部地域がスラム化した街よりも
ある意味では安全な部分もある。
ヨーロッパの先進国も移民問題等で揺れ、
治安は悪化する傾向にある。
東欧と豊かな国の生活レベルの差は
縮んでいるというのが繰り返し訪れてみての感想。
所得水準にはまだまだ差があるものの、
暮らすという視点から見ると大きな差は感じず、
むしろ物価の安さというメリットの方が大きかった。
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