ベトナム人にはレディーファーストの文化がかなり根付いていて、例えばデートをする場合には、男性が女性の送り迎えをするのは当然のこと。
食事等の支払いも全て男性が行うのがスタンダードだし、食事の時にもサラダの取り分けとか、ワインのグラスが空いたら気を回して注文するとか、男性側が女性に気を使うのが当然のこととなっている。
こういった文化は、ヨーロッパの一部の国においては普通であっても、アジアの中ではかなり珍しい。
日本人にとってもかなり抵抗がある部分があって、エレベーターやタクシー等でも、全てレディーファーストで女性を先に乗せるのが普通になっているので、年配の人を中心に日本からベトナムに行った人の間では抵抗を覚えることがあると聞く。
年に4回のプレゼント
女性がプレゼントをもらえる機会も多く、1年に一般的な女性であれば、だいたい4回ぐらいはもらえると言われている。では、その1年に4回というのは具体的に何なのかというと、まずは日本でもお馴染みの2月14日のバレンタインデー、それから12月25日のクリスマス。
これに加えて、日本では全く根付いていない2つの日があって、それは3月8日の国際婦人の日と、10月20日のベトナム婦人の日というものがある。
これらの4つについては、誕生日と同じような感じでプレゼントをもらうことができるので、ある意味でいうと、ベトナムは女性にやさしい国であると言える。
ただしこれは、都市部に限った話で、農村部については全く別。
都市と農村の文化の違い
ベトナムは歴史的には男性優位の社会が作られていて、例えば、一部の地方の村では、夕食の時にテーブルを囲むのは男性のみに許された特権となっていて、女性の場合は壁際に座って食べるのが古くからの習わしであったとされている。こういった歴史や文化が変わっていくのはやはり都市部が最初で、農村部はどんどん遅れていく傾向にあるのは世の常。
ベトナムにおいても、都市部の若い世代がレディーファーストに走っているのに対して、一部の農村部については、まだまだ女性が弱い立場に追いやられているという話も聞く。
こういった違いがあるので、女性はどんどん都市に出てきたらいいのではないかと思うが、残念ながら新興国においては、そこまで経済的な面であったり、政治的な問題だったり、様々なことがあるので、自由に移動できない国もある。
その典型的なのが中国で、生まれた町や戸籍のある町に応じて、移動できる範囲も決まっている。
したがって、農村部に生まれて、北京や上海のような大都市に住みたいと思っても、そういったことは必ずしも許されないといった事情もある。
ベトナムにおいても、日本人のような感覚で、地方から東京に来るようにホーチミンに上京することはなかなかできない。
こういった事情もあるので、都市に住んでいる女性はちやほやされる機会も多いのに対して、農村部ではまだまだ苦しい生活を余儀なくされている女性も多いという現状が残っている。
なお、ベトナムに譲り合いの文化が根づいているかというと、交通事情を見る限りはそうでもなく、かなり強引に主張を押し通す力が必要になる。
ハノイで道を渡るのも大変だったが、ダナンで自転車を借りて走った時、ドラゴンブリッジやソンハンブリッジがかかったハン川周辺は命の危険を感じるレベルだった。
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