
ポルトガルのリスボンから約1時間のところにあるオビドスという村に来て、今日で五日目になる。
もともとは一泊だけThe Literary Manホテルの予約をして、ここにやってきた。
ウェブサイトを見ると、どうやら日帰りで来たり、あるいはせいぜい一泊する程度の町という認識を持っている人が多いらしいが、私はすでに五泊目になっても、この町を離れる時期を特に決定していない。
次はナザレに行こうと思っているし、来月にはマドリッドからポーランドに飛ぶ飛行機をすでに予約しているので期限は決まっているが、それまでの間、どの町にどういう日程で滞在するかについては、詳しい予定は立てていない状態。
当然ながら、オビドスに長くいるということは、それだけ他の町にいる期間は短くなる。
そうした犠牲をはらってでも長居したいと思ってしまうのが、オビドスという町。
具体的に何があるというわけでもないし、実際のところ、2時間も歩いていれば、この村の中の見所は全て見尽くしてしまう。
新しい見所を発見しているわけでもなく、基本的に毎日同じような景色を見ているだけ。
しかしながら、非常に調和の取れた生活が出来ていると感じる。
このオビドスの優れている点の一つ目としては、まず、空気が綺麗であるということ。
周囲は、森や畑が広がっている場所で、オビドスそのものは高台にある。
ちょっと城壁の外へ出ると心が洗われるような自然豊かな風景を見ることができる。
狭い道もオビドスのチャームポイント
二つ目のポイントとしては、道が非常に狭いということ。ほとんど車が通らない村なので、道幅が非常に狭く、そのことによって日蔭の部分が多くなっている。
まだまだこの時期のポルトガルは暑いので、日向を歩くよりは、日蔭を歩きたいという感情がある。
そうしたニーズを叶えてくれるのがオビドスで、そもそもの気温がリスボンよりも若干涼しい。
おそらく5度近くは差があるのではないかというのが、体感的な感覚。
小規模な城塞都市としてのオビドス
そして三つめのオビドスの優れているポイントは、城塞都市であること。しかも、城壁がしっかりときれいに保存していて、城壁に登って町をぐるりと一周することもできれば、城壁を見ながら町を歩いたりもできる。
さすがに同じ景色ばかり見ているのもなんなので、昨日はその高台から降りてオビドスの村を見上げる形で見てみた。
そうしてみても、やはり城塞都市は絵になる。
他にも、かつて訪れた城塞都市としてはアビニョンが心に残っているが、あちらはかなり大規模なので、町の中を歩いていると、そこが城塞都市であることを忘れてしまう。
一方、オビドスは基本的にどこにいても城壁が見えるようになっているので、より一層非日常的な感覚がある。
昨日は、昼にイワシのフリッターとパン・デ・ローを食べて、夜にはピザと野菜スープ、そしてワインにヴィーニョ・ヴェルデを頼んだ。
こういった外国人向けの食事もあるので、特に困ることもなく、昼間は仕事をしたりブラブラしたりして過ごして、朝晩の涼しい時間帯に町を歩くのが日課になっている。
ちなみに朝であれば、城壁の上にはほぼ誰もいないので、スイスイ歩くことができて、途中ですれ違ったりすることもないので、落下する心配とか、そういったものをあまりしなくて済む。
ポルトガル移住をするにしても、オビドスを選ぶことはないだろうが、旅行先としては外せない街だった。