海外移住の際の物件選びの難易度が高すぎた


最初に海外移住をした時、物件選びはあっさり終わった。

すでに現地に住んでいる日本人の知人から紹介された
現地系不動産会社と事前にやり取りをしていたので、
マレーシアに到着した日にいくつかのコンドミニアムを
見せてもらう手はずになっていた。

その会社は友人も住んでいる部屋を探した時に
お世話になった不動産会社だった。


4つのコンドミニアムで5つの部屋を内見した後、
これから1年住む部屋を決めた。

海外移住をしようと思ってやってきた初日に、
すぐ物件を決めることができた。

この時は賃貸ぐらいなら案外簡単だと思ったが、
それが勘違いだと分かったのは後の話。

そして、マレーシアを離れてフィリピンで暮らしたり、
さらに他の国の物件を投資用と
将来の移住用に見て回ったりしていく中でも
同様の問題がしばしば目についた。


海外の不動産会社の質・・・


マレーシアで1年目のコンドミニアムの退去の際、
契約期間の1年まで1ヶ月が近づいたところで
不動産会社に連絡した。

しかし、旧正月の時期だから
オーナー(大家)が対応できないので
1ヶ月延ばしてほしいという。

考えてみればこの時点でおかしいのだが、
私も海外移住して初めての話だったし、
1ヶ月分家賃を多く払って滞在した。


その後、退去の手続きをするために不動産会社のスタッフ、
入居の際に案内されたのと同じスタッフと会った。

なぜか車に乗るように促されるのでおかしいと思ったが、
他の物件を見せ始めた。

私は新しいコンドミニアムを紹介してほしいとは言っていないし、
退去の手続きだけするように伝えたが、
その後はメールやSMSを送っても
4回に1回ぐらいしか返信が来なくなった。


退去当日にも連絡がつかず、
どんな手続の流れになるのかわからない。

結局、翌日の夕方になって唐突に
住んでいたコンドミニアムに呼び出され、
今すぐ鍵を返して部屋の状態をチェックできないなら
デポジット(敷金)から1ヶ月分の家賃を差し引くと言い出した。

理不尽な話だが、
時間はあったので行くことにした。

普通に働いていたら、
いきなり平日の夕方に呼び出されても
応じることができない人の方が多いだろう。

それでデポジットを返還しないというのは
あまりにも勝手すぎるが、
彼らの常套手段なのだろう。


この会社は他の日本人移住仲間も使ったが、
退去のときは一様に対応がひどかった。

物件選びのときはコミッション目的で丁寧だが、
退去については彼らに旨味がない。

ろくに連絡も取れなくなるのが常だった。

私にこの不動産会社を紹介した知人も、
住み始めて数ヶ月の段階だったため、
退去の時に態度が豹変することは知らなかったのだろう。


なお、満額で返すと言っていたデポジットも
実際に戻ってきたのは一部だけ。

その旨連絡をすると、
「誰が全額返すと言った?」という返信。

どうせそんなことだろうと思っていたので、
退去翌日の部屋のチェックの際には
相手の言動をスマホで録音していたのだが、
これ以上関わり合うのも時間の無駄なので無視することにした。



マレーシア生活2年目のコンドミニアムは、
まず不動産会社選びから始まった。

ネット上で10社ほどピックアップしてメールを送ったが、
返信が来たのは2社だけ。

残りは賃貸物件を取り扱っていないのか、
そもそもメールが不達なのか、
だらしないだけなのか不明。

とにかく返事が来る会社の方が少数派という状況。

これはマレーシアだとペナンでも同じだった。


返信をくれた2社とやり取りをしてみたが、
私が目星をつけていたコンドミニアムは扱っていないという。

結局、そのコンドミニアムの入り口の掲示板で
募集していた部屋に連絡をしてみた。

女性限定なので断られたり、
妙に家賃が安いと思ったらルームシェアだったりで、
結局候補は1つに絞られた。


その物件は不動産会社というよりも
個人のエージェントが仲介していた。

その時点で不安はあったが、
もうマレーシアで住む物件が他に見当たらなかったので
契約することにした。

このエージェントの唯一の問題は、
物件引渡し時のクリーニングが適当すぎたこと。

振り返ってみると、
入居当日に掃除をするようなことを言っていたが、
業者が来てからの時間が1時間程度しかなかったような気がする。

キッチンの棚には古びた新聞紙やトイレットペーパーが残り、
部屋の中には消臭目的と思われる粉が残っていた。

そして、その粉のおしろいのようなにおいが臭く、
2日ほど窓を前回にして扇風機も回し続けなければいけなかった。


マレーシアでも日本と同じで、
入居時には物件をきれいにして引き渡すのが通常。

個人のエージェントということもあってか、
この時の対応はひどかった。

ただし、入居後は問題がなく、
退去時にもその場でデポジットを全額返してくれた。


日系業者も信用できない


マレーシアで2年住んだ後、
海外移住第二弾としてフィリピンに引っ越した。

この時にはマレーシアでの失敗も踏まえ、
多少割高でも日系の不動産会社に部屋探しを依頼した。

この段階ではフィリピンの内実も知らなかったので、
単純に日本国内で有名な会社に連絡。

これが間違いだった。


マニラに到着してマカティにある
その会社のオフィスに訪問したら、
社長を除き社員は2名。

しかも1名は運転手なので、
実質的なスタッフはフィリピン人が1人だけ。

日本では有名な会社でも、
マニラでは零細企業もいいところだった。

オフィスの立地こそマカティのアヤラ通り沿いだが、
内実は伴っていない。

フィリピンは日本のように
不動産の物件データベースが整備されておらず、
空室等の把握にも人手が必要。

社長と社員が一人だけという時点で問題があった。


当時はそんな事情も知らなかったし、
とにかく内見した部屋の中から1つ選んで契約した。

すると、契約を交わした直後から
日本人社長による日本語の連絡は終了し、
フィリピン人スタッフによる英語でのメールに変わった。

これなら日系業者に依頼するメリットがなかった。

あまりに分かりやすすぎる変わり身に苦笑しながらも、
とりあえず入居の手続きは終了。


退去が近づいてきた時に再び問題は起こった。

デポジットの扱い等は説明があったが、
退去当日にマネジメントルームに書類を出さなければいけないと
コンシェルジュが突然言い出した。

私としては不動産会社からは
そんなことは一言も聞いていない。

飛行機の時間もあるし、急に言われても迷惑な話。

結局、最後までダメな日系の会社だった。


業者選びは成功する物件選びの重要な前提


こうして海外移住後、
部屋選びのたびに何かしら不動産業者に問題があった。

しかし、マニラに住み始めてからは
ビザや不動産について現地で情報収集を進め、
永住権も取得した。

その時に現地で活動する会社にも詳しくなったので、
セブに住み始めるときはその知識を使って不動産会社を選んだ。

結果、入居から退去まで何一つ問題が起こらず、
快適な滞在をすることができた。

海外移住後、4つ目のコンドミニアムで
ようやく物件選びに成功した。


この時の経験でわかったのは、
多くの部屋を見て回る以前に、
不動産会社選びが重要ということ。

海外では日本以上に対応の質にばらつきがあるため、
ここで失敗すると取り返しがつかない。

ただ、移住前に情報収集をするのは限界があるし、
現地に来てからゆっくり情報を集めれば
ホテル代がかさんでいくことに。

このあたりのトレードオフは悩ましいところで、
ある程度の失敗は覚悟して適当に選ぶのも
一概に悪い選択とは言えないのかもしれない。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
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