チェンマイへの移住を真剣に考えるために、2度目のショートステイを敢行した。
タイの場合はビザなしで30日まで滞在できるため、今回はベトナムのハノイからバンコクに入り、チェンライを経由して陸路でチェンマイにやってきた。
30日の滞在期限の内、25日をこの街で過ごすことになる。
初めてチェンマイを訪れたのは去年だった。
バンコクには再三に渡って来ていたし、プーケットやホワヒン、アユタヤには足を運んでいたものの、それまでチェンマイはなかなか訪れる機会がなかった。
というのも前述の通り、タイの滞在期限が30日しかなくバンコクで過ごしているうちに終わってしまうことが多かったため。
しかし去年になってようやくやって来たこの街は思いのほか居心地が良く、バンコクと競合するわけでもなく違った魅力があるので移住先として検討するようになった。
この町の住み心地や物価、治安等も含めて見てきたのだが、3つの課題があることが判明した。
まずはビザの問題
海外に移住するためにクリアしなければいけない条件として、まずは何をさておきビザが挙げられる。こちら出すみたいと思ったかと言って、勝手に暮らし始めることができるわけではなく、対象国の許可がビザという形で必要になる。
タイの場合、50歳以上だとOビザと呼ばれるリタイアメントビザを取る人が多いが、30代の私は年齢制限がネックになってリタイアメントビザを取得することはできない。
そこで候補になるのがThailand elite cardやeasy access。
これらはお金を払えば手にできる。
それぞれ20年または5年のビザが付帯しているので、これをとることによってバンコクやチェンマイに移住することが可能になる。
他にも学生ビザを取るという方法もなくはないが、この方法についてはかなり厳しく取り締まられるようになったというので、不透明さという面からもあまり採用したくはない。
さらに6ヶ月間のマルチプルビザも発行されるようになったので、これを利用する手もある。
この場合は本格的な移住というよりは、チェンマイでのちょっとしたロングステイというニュアンスになるだろう。
もっとも6ヶ月のビザが取れた場合、タイの中でも移住先候補はチェンマイに限らないので、当然ながらバンコクや他の街と競合することになる。
何してもタイの場合、ビザなしで移住できる国ではないので、この点はかつて住んだフィリピンやマレーシアとは違う。
フィリピンは観光ビザの更新をすることで1年以上住めるし、マレーシアは90日以内に出国して戻ってくれば1年程度は暮らすことができる。
どちらの国でも最終的にはリタイアメントビザ(MM2H)や永住権(クオータビザ)を取ったのだが、タイは最初の段階からこの点をクリアできる前提で移住する必要がある。
中心部は空気が・・・
チェンマイとバンコクを比較した場合、チェンマイの大きな優位性は大都市にはない自然の豊かさや、町中に多くの寺院が立ち並び、人々の生活と密着しているという点だろう。個人的には移住する際の魅力として感じるのは、バンコクよりも空気がきれいであるということ。
もっとも、実際にチェンマイに来てみるとよくわかるが、中心部に関しては空気がきれいかといえばそんなことはまったくない。
特に今回はより小さな街であるチェンライからやって来たので、その落差を痛感した。
中心部から少し外れて東側にもホテルを取ってみたが、こちらも大気汚染はかなりひどい。
逆に中心部の西側に行けば、大通り沿い以外は空気が綺麗なところもあるので、移住するとすればこの辺りのエリアを狙うことになるだろう。
そう考えてみると、コンドミニアムを探すにも物件は相当絞られてくる。
食事の問題
チェンマイに移住するにあたって、住み心地の面で最も大きな課題となるのは食事だろう。私の場合自炊をしないことは前提なので、全て外食で済ませることになる。
そして今回はチェンマイの中でも移住するとなったときに拠点になりそうなエリアにホテルをとって過ごしてみたが、徒歩圏内のレストランが限られる。
もちろん食事の際に中心部に行けば選択肢は増えるし、タクシーやソンテウ、トゥクトゥクといった交通手段もあるのだが、いちいち食事の度にそうした移動するのも面倒で気が向かない。
MAYAモールやその他のレストランを中心に昼食と夕食のラインナップを組んでいたが、チェンマイに2度目の滞在にして、すでに飽き始めていた。
この感じだとあと3ヶ月住むには、食事の面でかなり厳しいように思う。
あと1ヶ月や2ヶ月であればともかく、3ヶ月は厳しいということになると住む場所としてはイマイチ。
それに対してバンコクであれば無数のレストランがある上、BTSやMRTがあるのでちょっとした移動が気軽にできる。
このあたりは移住先としてバンコクが大きな優位性を感じさせる。
チェンマイは治安が良く、ホテル代やコンドミニアムの費用が安いため、バンコクに比べて生活費が下がる。
その反面でレストランは少なくなるし、移動手段としての足が不便という問題もある。
さらに言えば、中心部以外であっても大通り沿いは空気が悪く、それを嫌ってマスクをしている人も少なからず見かける。
移住先として考えたときに、今のところバンコクが候補として優先なのはこのような理由がある。