海外移住後の生活費を現地の人の所得ベースで考えてはいけない


私自身が海外移住をしたこともあり、
周囲にも同様の選択をした人が増えた。

今回は生活費についての話だが、
不本意な形で日本に出戻りになる理由の1つとして
物価への過剰な期待が上げられる。

「思ったよりもお金がかかる」という意味でも、
「予想したより快適ではない」という意味でも。


たとえば、フィリピンの場合。

時給100円ぐらいの国なので、
現地の人はその収入でも暮らして行けている。

メイドを雇う場合には、
住み込みでも月に3万円程度。

では、日本人もフィリピンに
海外移住した後の生活費がその水準に収まるのか?

もちろん答えはNO。


この場合の問題として、
まずセキュリティ上のリスクが無視できない。

現実にお金があろうとなかろうと、
フィリピン人から見たら日本人はお金持ち。

夜の商売でよりお金を持っている人を探す女性たちは
日本人が経済的に求心力がなくなっているのを知っているが、
そこらへんを歩いている一般のフィリピン人は
まだまだ日本人といえばお金を持っていると考えている。

その状態でセキュリティのしっかりしていない部屋に住んだら
空き巣や強盗に遭う危険が無視できない。

フィリピンではアパートメントに住むのも危険だし、
現実的にはコンドミニアムであることが条件になる。

そうなると、
安い地域を選んでも月に3万円で
安全な物件に住めるかどうかというレベル。

生活費どころか、
家賃だけで現地の人の一ヶ月の収入が消えてしまう。

この金額だと、マニラのマカティやグローバルシティ、
セブならマクタン島の海沿いやセブシティのような
便利な地域は外さざるをえない。


あるいは、市内の移動はどうするのか?

日本人に限らず、
多くの海外移住者がフィリピンで使う交通手段はタクシー。

しかし、現地基準ではバスやジプニーになる。

ちなみに、商業エリアのマカティでは
午後6時頃になると数百人がバス待ちで集まっている場所も。

もちろん1つのバスを目指しているわけではなく、
複数の路線が集まるバスターミナルなのだが、
あの光景に外国人が混ざるのは不安を覚える。

なお、バスにしろ、ジプニーにしろスリも多いし、
時には強盗が出るとも聞く。


食事の面についても、
当初は現地のローカルフードが口に合っても、
時には和食やイタリアン等も食べたくなるもの。

生活費を安く見積もりすぎていると、
こうした息抜きができない。

結果として不満が溜まっていくことになり、
もう海外生活が嫌になってしまう人もいる。

私もマレーシア1年目には
居住エリアの徒歩圏内にローカルレストランしかなく、
半年でうんざりしてしまった。

当初は美味しく食べていたマレー料理も、
半年で食欲がなくなるほど飽きた。

インドネシア料理等も巻き込みながら。



節約して過ごす場合の目安


ベトナムの露天商のように
露骨に外国人には高い金額を提示してくる例もあるが、
そうではなくても海外移住をした後に
現地の人と同じ金額で生活費が住むと思うのは無謀。

新興国の場合には。

もちろんオーストラリアやカナダ等の先進国に行くなら
日本人だから特別お金がかかるということでもない。

ただ、東南アジアに行く場合には
時々誤解されがちな点なので一応注意しておいた方が無難。


生活費を節約して安く抑えたい場合には、
現地の人と駐在員の平均を取るのが1つの方法。

一般に駐在員は恵まれた環境で生活しているので、
節約志向なのであればもっとコストを抑えられる。

特に家賃は大きく下げやすいので、
家賃補助が出る駐在員よりも
安いコンドミニアムを選ぶことで
生活費は下げられる。


ということで、
ざっくりした目安として
駐在員と現地の人の間を取ると
節約を意識した場合の生活費が出る。

この金額を下回ると、
かなり現地に溶け込んだ生活を強いられることになり、
ハードルが上がっていく。

私の友人の中にも、
フィリピンの外国人が住んでいない村に
移住していった人がいるが、
こうした場所で暮らせる人はレア。

あくまで例外的な存在と考えた方がいいだろう。



費用を積み重ねて計算するなら


海外移住後の生活費を概算する場合、
考慮しておくべき費用として
家賃、食費、その他特別な費用(子供の教育費等)に
ざっくりと分けられる。

国によっては携帯代は月数百円で住む場合もあり、
高額になりそうになければ無視して差し支えない。

フィリピンやマレーシアの場合、
プリペイド式のSIMを購入すれば、
あまり使わない場合は1,000円を切ることも。

一方、フィリピンのようにインフラが弱い場合、
電気代やインターネットの自宅回線の費用が
物価の割に高くなる場合もある。

こうした事情がない場合には、
家賃と食費だけを見ておけばいいだろう。


家賃の目安は不動産会社に問い合わせてもいいし、
食費は移住先人気国なら調べればおおよその見当が付く。

とりあえず生活費を構成する主な項目を押さえておけば、
多少の細かい費用が変動しても
全体像としては対して変わらない。


お金の問題はビザと並んで、
海外移住の失敗原因になりやすい要素。

ここは甘く考えると後悔しやすいポイントなので、
慎重に判断した方がいいだろう。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ

電子書籍のプレゼントページへ



よく読まれている記事