自由を加速させる手段としての英語

初めて日本から出て海外旅行に出た時には、
イギリスで英語が通じなくて愕然とした。

相手が何を言っているのか分からない。

道を聞いても指を指している方向に
とりあえず歩いて行くことしかできない。

時折鉄道で相席になった外国人が話しかけてきても、
何を言おうとしているのか想像もつかなかった。

この時には、とにかく話しかけられないことを祈りながら旅を続けた。



それから9年後、再びヒースロー空港に降り、
ロンドンの街を訪れた。

夕食時だったので、ホテルのチェックインの際、
フィッシュ・アンド・チップス以外で美味しい店が
近くにないか何も考えずに尋ねていた。

結果、ローストビーフの美味しい店を教えてもらった。

料理がまずいことで有名なロンドンだが、
この日のローストビーフは間違いなく美味しかった。

そしてそれは料理そのものの美味しさに加え、
9年前のリベンジを果たしたような
達成感も噛みしめていたのかもしれない。




2011年から海外に住みながら、
私はいまだに流暢な英語、
ネイティブのような英語は話せない。

使えるのは片言の英語だけ。

そもそも海外に出てから英語を勉強したこともない。


大学卒業後に唯一英語を学んだのは、
移住前の一ヶ月だけ。

それも英会話スクール等ではなく、
自宅で独学だった。

それでも片言の英語なら使えるようになったし、
決定的に困ることもなかったので
これ以上本格的に勉強する必要も感じずにいる。



そのレベルであっても、
飛行機や長距離鉄道で隣り合わせた外国人が話しかけてきた時に
十分に対応することができる。

上記の2度目のロンドンの旅の続きでチェコにも行ったのだが、
プラハに入る際に長距離鉄道で同じコンパートメントになった
チェコ人の50歳ぐらいの男性と色々話したが、

私が降りる予定だった駅の手前に城があるので
今度は見に行くといいとか、

チェコではパテとビールは欠かせないとか、

タクシーはできるだけ使わない方が安全とか、

プラハで過ごす際のアドバイスももらえた。



マレーシアで暮らしていた頃には、
リタイアメントビザのMM2Hを取ったタイミングが遅く、
すでにマレーシアでの生活が終わる頃だった。

最初はビザなしで移住したので、
1年を過ぎた頃からイミグレでの風当たりが強くなり、
担当者が上司を呼んでくることも。

そんな時も英語でやり取りができたし、
毎回無事に入国できていた。


イミグレの厳しいロンドンやカナダのハリファックスでも、
色々質問されたが受け答えに困らなかった。



マレーシアとフィリピンで生活していた時には
両方の街で病院に行くことになったが、
その時も英語の受け答えで乗り切れた。

身体が弱っている時でも、
一通りのやり取りが行えることが証明された。



これだけ英語が使えれば、
それ以上を求めてわざわざ勉強するモチベーションがない。

おかげでいつまでたっても片言の発音のまま(笑)。


ただ、それでも初めての海外旅行の時、
まったく英語が通じずにショックを受けていた頃と比べて
多くのものを得ることができた。

海外にいてもコミュニケーションができるというのは、
やはり安心感がある。

急な病気の時にも対応できるし、
極度の人見知りのように
人から話しかけられるのを恐れなくていい(笑)。



そして場所の自由を得る上では、
やはり英語が果たしている役割は大きなものがある。

世界の多くのエリアで通じるし、
一般に英語ができないと言われている国であっても、
ホテル等の旅行業関係者と外国人向けのビジネスをしている人は
たいてい英語が通じる。

それだけでも行動範囲が一気に広がった。

日本という1つの国しか選択肢になかった頃と比べると、
選択肢となる場所が比較にならないほど増えた。

事実、一度海外生活を始めてからは、
特定の国に住む定住生活と
各国のホテルを転々とする非定住生活を繰り返しながら、
海外での暮らしが続いている。



人間関係の自由を考えても、
会話が成り立つ人の範囲が広がるのは大きなプラス。

ちなみに、マレーシアの移住仲間・蓮二は、
我々の住んでいた街に働きに来ていたフィリピン人と付き合い、
そのまま彼女の実家がある村へ移住して結婚した。

その時に彼らが会話に使っていたのも英語。

もし蓮二が英語をまったく話せなかったら
今は住んでいる場所も違っただろうし、
結婚することもなかったのだろう。




やみくもに英語さえ学べば、道が開けるとは思わない。

たとえば現在の仕事がうまくいかないから、
とりあえず英語を学んでみようという場合。

プロとしてのスキルが乏しい状態で英語を学んでも、
先行きは暗い。

フィリピン人のように時給100円で働く人と
競合するだけなのだから。

言語はツールにすぎない以上、
戦略的に活用していく必要がある。



その一方で、英語に価値がないはずもない。

何のために身に付けるか?

その目的を達成するためにどのレベルが必要か?

目的意識と、
それを達成するために最適な手段が求められるというだけ。


私の場合には、
海外、特に英語がネイティブではない国で暮らすことが最優先だった。

なにしろ海外に移住しようと思った時には、
英語が通じなかったトラウマしかなかったので。

しかも移住まで一ヶ月という段階になって、
ようやく重い腰を上げて学び始めるというのん気さだった(苦笑)。


その目的を達成するためには、
アメリカ人やイギリス人のような流暢な英語ではなく、
もっとシンプルなものでいいのは分かっていた。

今になって振り返ってみると、
あの時に期待していた以上にできることが広がりはしたが。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
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