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ダブリン城で感じた貴族の苦悩




アイルランドの首都にあるダブリン城に行ってきた。

ここは城というふれこみになっているし、実際外側から見ればそういった部分もあるものの、実際に中に入って見てみることが出来るのは宮殿のような部分だけで、いわゆる要塞としての城を見ることが出来るわけではない。

ある意味で言うと、ヨーロッパの中ではよくある宮殿の一つという感じがして、それほど目新しいものではなかった。

ウィーンのシェーンブルン宮殿と比べれば規模も小さいので、決定的な見どころとなるものではないものの、久しぶりにこういった宮殿を見ることが出来たのは満足だった。

特に大広間で感じたのは、観光客がここに住んでみたいとか、こんなところで食事をしてみたいと思うような場所が、実際のところは修羅場の歴史を辿っているはずであるということ。

というのも、こういった貴族や王族が集う場は、政略を張り巡らせたやり取りがされていたはずだし、ある意味で各国、もしくはそれぞれの一族の威厳を示すために、徹底的に建物についても装飾に凝っていたり、あるいは天井を高くしてそれぞれの立場を他者に見せつけるということをしている。

つまりはのんびりと素晴らしい環境で食事をしているとか、そういった環境ではなくて、それぞれが出し抜くか出し抜かれるかの謀を企てていた場所ということになる。

ダブリン城が現役だった時代は、命が今ほど重視されていないわけなので、現在の企業間の攻防に比べてはるかに残酷で時には非道徳的な仕打ちが行われていたことは容易に想像できる。

現在のダブリンの街の安全度とは無関係に、魑魅魍魎の世界のような策略や謀略がはびこっていたはずなのだから。

そう考えてみると、ダブリン城の大広間は美しい反面で、空恐ろしいものではないかと思ってしまう。

私たちは観光客として何ユーロか支払うだけでそこを見ることが出来るし、そこで何かの落し穴に嵌められるようなことはない。

しかしながら現役でこの建物を使っていた人達は、招く側も招かれた側もそれぞれに心の中に秘めているものがあり、命がけの任務を帯びてやって来ていることも多かったはず。

そういったことを考えてみると、こんな大広間に呼ばれるようなVIPの立場ではないことが、むしろ気楽で良かったとすら思えてくる。

これは現代の企業間においても同じことで、例えば高級料亭に行って経費で食事が出来るといえば羨ましがられることもあるはずだが、そういった高級な場所での会合ほど、その企業にとって重要な意味を持つことになるので、外せない用件が出てくる。

当然ながら、いくら高級料亭の食事であっても味が全然記憶に残らないとか、そういったことも出てくるわけだし、むしろ大衆居酒屋で気楽に飲んでいる方が楽だったということも多々あるはず。

こうして考えると、ダブリン城の昔も、現在の企業間でのやり取りもそこまで大きな変化はないのかもしれない。

ダブリン城を後にして、Bleecker Street Cafe Barで気楽な空気感を楽しみながら、そんなことを思った。


■ダブリン城の基本情報
住所:Dame St, Dublin 2
電話番号:+35316458800
営業時間:9時45分~17時15分
HP:https://www.dublincastle.ie/


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執筆者、伊田武蔵

下見なしでの海外移住後、
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コンドミニアムを借りて生活。

その後、各国を周りながら
1年半のホテル暮らしを経験。

フィリピン永住権と
マレーシアのリタイアメントビザを取得済み。

8カ国に資産分散。

海外を活用しながら
住みたい街に住む生活を実践中。

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