ヨーロッパは意外に危険?毎年3ヶ月を過ごしてわかった治安の現実

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ヨーロッパは危険地域なのかと言えば、
部分的には答えはYesとなる。

特に安全と思われている街の方が
治安が悪い場合があるので要注意。

私も以前は誤解していたが、
先進国は治安がいいという図式は
世界的には成り立っていない。

たしかに日本は治安が良い国だし、
かつてよりも治安に関する世界ランキングが下がったとは言え、
まだまだほとんどの海外の国よりは安全。

しかし、日本だけを見て先進国を語るのは無理がある。


たとえば、世界の超大国、アメリカはどうか?

ワシントンDCの地下鉄を利用してみれば、
その荒んだ空気を肌でありありと感じることができる。

少し郊外の方まで乗っていれば、
不安でスマホすら取り出せないことを
否応なしに痛感せざるを得ないだろう。


これはヨーロッパに関しても同じことで、
たとえばロンドンが危険か安全かということで言えば、
間違いなく先進国の首都だが
危険な要素のほうが強いと私は判断する。

特にこの数年はその傾向が顕著で、
10年前と比較してもヨーロッパの大都市の治安
悪化している傾向を感じる。

これはロンドンやイギリスだけに限ったことではなく、
パリやフランクフルト、ミュンヘンといった
先進国の大都市に軒並み見られる傾向。


北欧やスイスは比較的安全をキープしているものの、
イギリス、フランス、ドイツは厳しい。

テロの脅威も取りざたされるし、
間違いのない事実ではあるのだが、
それを抜きにしても危険と言える状況になっている。

移民・難民の大量流入によって
彼らが犯罪に走るケースもあるし、
失業した現地の人がそうした行為に出ることもある。

また、スリ・置き引き・詐欺・強盗といった財産犯以外にも、
外国人への排斥感情が爆発することも。

それはからかいや集団で外国人を罵り、怒鳴るといった行為から、
直接的な暴力に発展することもある。


私自身、ポルトガルの首都、リスボンでそうした体験をした。

モンサント公園という小さな山が郊外にあるのだが、
そこから駅までは途中まで一本道だった。

人はほとんど通りかからない。

陸橋を渡って向こう側が住宅街で、
日本で言う団地のような建物が並んでいるが、
モンサント公園と陸橋の間はまっすぐで見通しのいい一本道。

私の前には誰もいなかったが、
後ろから怒鳴る声が途中で聞こえてきた。

高校生ぐらいの二人組の少年で、
最初は何か揉めて言い合いでもしているのだろうと思っていた。

距離も20メートルほどあったので、
完全に他人事だと判断していたが、
途中で一人の声しかしないような気がした。

距離が遠ざかっている感じもせず、
一方的に罵っているにしては立ち止まっているようでもない。

再び振り返ってみると、
怒鳴っている少年の視線の先にいるのは私で、
どうもその言葉は私に向けられていたらしい。

とは言え、ポルトガル語はあいさつぐらいしか知らないので、
内容はまったく不明。

彼らと私の間でまったく接触がないことを考えると、
人種差別的な意識なのか、外国人嫌いなのか?

カナダでは中国人と間違えてからかわれたこともあるし、
向こうが私を日本人以外と誤解している可能性もある。

何にしても、刺激するのも得策ではないだろうと
不自然にならない範囲の早歩きで陸橋を目指した。

こんな人気のないところで襲われるのはまずいし、
住宅地側まで入れば最悪でも住人が多数いるので、
何かあっても救急車や警察が呼ばれるだろうと。

ポルトガルは経済的には豊かな国ではないし、
ユーロ危機の張本人のうちの一角。

少年たちがスラムのような場所に住んでいて、
自暴自棄になっていてもおかしくない。

ひと目のない場所で感情的な行動に出た後、
隠蔽のため、無計画に人が来ないところに連れて行かれたりしたら?

そんな危険な状態を脱するには、
とりあえず陸橋を渡る必要があった。


陸橋の床は薄めの金属板で作られていて、
彼らはそれを踏み鳴らして威嚇してきたり、
陸橋を先にこちらが降りた段階でつばを吐いてきたりはしたが、
結果的に実害はなかった。

住宅街に入ってからは追ってくることもなく、
事なきを得ることができたが
ヨーロッパではっきり危険を感じた出来事だった。


日本人旅行者にとって、
テロは衝撃的ではあるが遭遇確率は低い。

しかし、こうした小競り合いレベルのことは
もっと日常茶飯事で発生している。

もちろん、それは国単位で見たり、
ヨーロッパという単位で眺めた場合の話で、
旅行中に身の回りで遭遇することはめったにない。

ただ、事件未満のトラブルの発生件数は
各国の警察も把握していないだろうし、
相当数にのぼると思われる。

それでもイスラム系に対する当たりの激しさに比べれば
はるかに頻度が低いことは容易に想像できるが。

とは言え、こうした部分には注意が必要。

楽しい旅行の思い出なんて、
一発で粉々にしてしまいかねないインパクトがあるので。

私も危険を感じただけで済んだので良かったが、
実際に暴行を受けたりしたらどうなっていたか。

なお、ポルトガル人はヨーロッパでは小柄だが、
ドイツやオランダのように慎重も骨格も
日本人とは一回りも二回りも違う国もあり、
屈強な彼らの不満をぶつけられたりしたら
なおさら脅威となってしまう。


ヨーロッパの先進国が危険だからと言って、
経済が弱い国が安全という理論は成り立たない。

当然ながら、貧しい国の方が
一般論として犯罪は多いし、
それはヨーロッパにおいても当てはまる。


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ホテルでは盗難にあった

ブルガリアはヨーロッパの中でも最貧国に近い位置にある。

アルバニア等の一部の国を除けば、
特に経済水準は低い。

それは首都ソフィアのレストランの少なさに
象徴されているように感じた。

もっとも、ソフィアのレストランは数こそ少ないものの、
味の面ではまったく不満を感じなかったのだが。

この点は隣国のルーマニア・ブカレストとは違った。


それはそうと、
ブルガリアでソフィアに次いで人口の多いプロブディフでは
留守中にホテルに置いておいたスーツケースから
パソコンが盗まれるという事態に遭遇した。

夕食を食べに行っている間の犯行だったが、
なぜかその日はルームクリーニングの人が来ることがなかったので、
タオルだけでも替えてもらうようにフロントに伝えておいた。

そして夕食後にホテルに戻ると、
スーツケースからパソコンが忽然と姿を消し、
部屋の引き出し等を念のため探しても
どこにも見つからなかった。

フロントに事情を伝えると、
焦ることも戸惑うこともなく、
手慣れた日常業務のように眉一つ動かさずに
明日警察に行くようにということと、
ホテルのスタッフが通訳として同行すると言われた。

なお、タオル交換のため部屋に入ったのは
清掃係が帰っていたので、
ポーターだという。


ちなみに、私の部屋の目の前の廊下の天井には
防犯カメラが設置されていた。

その映像を見せてくれるように頼んだが、断られた。

この段階でホテル側の犯行、
直接的にはポーターの犯行を疑っていたが、
その思いは翌日に確信になった。


警察署に行くと、
まったく見覚えのない男が親しげに近づいてきた。

さすがに警察署なので詐欺師ではないだろうと一瞬油断したが、
そこはブルガリアの事情がわからない。

警察が正義の集団というのは世界の一部の国の話で、
メキシコのように警察官こそが危険というケースも。

ブルガリアの警察事情がわからない以上、
犯罪者とグルになって外国人から金を巻き上げるようなことも考えられる。

油断したり身構えたりしている間に
彼が自己紹介をし始めた。

彼が口にしたのが私が宿泊していた、
そしてパソコンの盗難にあったホテルの名前で、
同じホテルの宿泊者らしい。

彼が警察署に来ている以上、
何かの理由があるのだろうと思い、
もしかして何か盗まれたのか尋ねてみた。

帰ってきた返答は、
昨日パソコンを盗まれたということ。

詳細を聞いてみたら、
私よりも1時間ほど前に部屋を開けていて、
その間にポーターがタオルを届けに来たことも同じ。

ここまで来ると、
犯人がポーター以外には考えがたい。


結局、英語の通訳を介して被害届を出した際、
ホテルの防犯カメラの映像を調べるように依頼したが
それは証拠の一つでしかないので
総合的にあらゆることを調べると
のらりくらりかわされたきり。

こんな小さな事件を本気で捜査するはずもないし、
防犯カメラすらチェックしていないのだろう。

ブルガリアの警察が常にそういう態度なのか、
ホテルと内通者でもいて捜査しないのかは定かではないが、
防犯カメラの映像すら調べないというのは
どうしたものかと。


なお、これは安宿の話ではなく、
4つ星ホテルでの出来事。

また、この事件の顛末をフェイスブックに掲載したところ、
ロンドンの5つ星ホテルで
スーツケースごと盗まれたというコメントもあった。

高級ホテルなら安全というわけではない。

もちろん、相対的に安いホテルのほうが危険は増すものの、
ホテルに置いておけば大丈夫という図式は成り立たない。


ヨーロッパが危険と言っても、
修羅場の連続というわけではない。

それなら、私も毎年3ヶ月を
好き好んで向こうで過ごしたりはしない。

ただ、インフラ等が整備されているという違いはあるし、
街並みの美しさという面でも差がある者の、
実は治安面では東南アジアと大差ない街も少なくない印象。

もちろん犯罪の傾向の違いはあるし、
危険を感じるポイントが変わってきたりはする。

ただ、過剰にヨーロッパの安全性を信頼するのは
リスクを高めることにしかならない。

街による危険度の格差も存在するので、
訪れる前に確認しておきたいところ。


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