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日本でもゲーティッドコミュニティが増えるのか?


セブシティの中にあるITパークの近くのメインホテルの脇には、警備員が常駐している門に閉ざされた住宅地が広がっている。

ここはいわゆるゲーティッドコミュニティで、戸建のエリアの周りをぐるっと塀で囲んであって、一ヶ所しかない出入口の門には警備員が常駐している。

なぜこのようなことになっているかというと治安の保全のためで、日本とは少々違う感覚で守られている。

そもそも外国人が住むようなコンドミニアムは、フィリピンに限らず、マレーシアやタイやインドネシアにおいても、24時間警備員が常駐するのは常識。

日本にも管理人がいるマンションもあるが、彼らが武装しているわけではないし、むしろ高齢者であったりして、犯罪の抑止力としては不十分な傾向にある。

もちろん人の目があるということで犯罪の予防にはなるのだろうが、現実的に力ずくで犯人を止めるとか、実力行使によって相手を排除するとか、そういった強制力は皆無に近い。

しかし、日本のように治安が良くない海外の多くの地域においては、富裕層がゲーティッドコミュニティか、もしくはしっかりとしたセキュリティーの整っているコンドミニアムに住むのが、もはや普通の光景になっている。

逆に言えば、それ以外のエリアは、そこまで収入がない人が住んでいるのが基本となる。

パングラオ島のような素朴な場所においては、ゲーティッドコミュニティを見かけることはできなかった。

それなりに立派な家があるとしても、特に厳重な警備がされているわけでもなく、警備員が家の前に立っているような光景を見ることはなかった。

ここら辺はマニラやセブに比べて、まだまだ都市化が進んでおらず、のどかであるのがうかがえる。

田舎であれば基本的に村社会なので、そこまで警備に神経をとがらせなくても我が身を守れたり、それぞれの横の繋がりがあるためにトラブルが起こることを防げるのだろう。

では、ゲーティッドコミュニティは新興国にばかりあるのかといえば、そんなことは決してなく、治安の悪い国であれば先進国であっても、そういったエリアがある。



アメリカの場合

例えば、アメリカは世界一の超大国ではあるが、治安が良好とは決して言えない。

それはワシントンやニューヨークに行ったことがあれば、肌で感じたことがあったはず。

こういった国においては、地方の富裕層が住むエリアは、外と仕切ってゲーティッドコミュニティになっている場合がある。

明治大学の准教授が書いたゲーテッド・コミュニティについての記事もあるので、参考に。


アメリカに行けば、安全のためにコストをかける心理は容易に理解できると思う。

安全がタダだと思われている日本とは違って、基本的に自分で自分の身を守らなければいけない文化だし、実際に気を抜いていると危険に巻き込まれることもある。

そういったことを嫌って、お金持ちが安心できる場所を求めるのは当たり前のことだし、アメリカにおいては富裕層が独立した自治体の設立を求めていたりもする。

税制のことを考えると、社会的な、あるいは経済的な階級によって利害の衝突が起こるわけだし、高い税率で苦しんでいる富裕層にすれば、社会構造を一元化しておくことよりも、むしろ階級別にした方が利益が多いのは間違いない。

そういった意味でも、貧富の差が増してくると日本も同じようにゲーティッドコミュニティを作って、富裕層が貧困層と関わりを断つことができるエリアを求めていくようになるかもしれない。



日本でもゲーティッドコミュニティの下地はできている

実際、ニュータウンを作る際には、よそ者が勝手に入ってこれないようにする試みもすでに現れているので、ゲーティッドコミュニティを日本で求めていくという機運は、すでに下地として整っているように思う。

さらに言えば、日本は子育てをしている世帯の警戒心も、世界的に見てもかなり高い。

フィリピンでは、アロナビーチで食事をしていたら、3歳ぐらいの子供が足元にきて、猫と遊び始めた。

日本であれば、見ず知らずの大人と娘をすぐ近くまで近づけるのは、かなり抵抗があるはず。

そういったことを考えると、子供を育てている家庭が部外者の入ってこないコミュニティを求めるのは、必然的な流れ。

こうなったくると、お金持ちだけではなくて、中流階級の子持ちの世帯が、外部と切り離された空間を求めて、塀や門によって閉ざされた地域環境を築いていく日は意外に近いのかもしれない。

地域社会の崩壊や階層化への懸念など賛否両論あると思うが、余計な人と関わりたくないという方向性は、社会情勢を考えれば止めることはできないのだろう。

南アフリカのように、限定されたエリア以外は外国人が気軽に立ち寄ることができず、ダウンタウンやソウェトのタウンシップ見学ぐらいしか外へ出る機会がなくなる日がくるとまでは思わないが、日本も今の秩序をそのまま保つことは難しいだろう。


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執筆者、伊田武蔵

「旅をするように暮らしたい」

そんな思いで2011年に
下見なしで海外移住後、
フィリピンとマレーシアで
コンドミニアムを借りて住む。

その後、
今後の移住先候補の視察のため、
各国を周り住環境の研究をしながら
2年9ヶ月のホテル暮らし。

1年間の台湾生活を経て、
現在はタイでの暮らしを満喫中。

フィリピン永住権と
マレーシアのリタイアメントビザ、
タイランドエリートを取得済み。

8カ国に資産分散。

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