ドイツの物価をフランクフルト、ミュンヘン等で調べてきた

ヴィクトリアマルクトの屋台
今回はニュルンベルクとミュンヘン、フランクフルトでドイツの物価について
実際のところを確認してきた。

この旅ではヨーロッパをイギリス・アイルランド・ポルトガル・スペイン・
ポーランド・スロバキア・チェコと移動してきたが、
その一環での調査という位置づけ。

目的としては今後の移住先、
あるいは長期および短期の滞在先としての適否を見極めるため。


まずはフランクフルトのレストランに行ってみた。

ビールは1杯350円程度から。

ベルリンの黒ビール

これは隣国のチェコの3倍以上。

ドイツもビールが有名な国だが、
物価で見ると東欧よりも明らかに高めということになる。

では、スーパーマーケットで買うといくらか?

Lidlで調べたところ、
Erdinger Weissbierが1.2ユーロ、
Pilsner Urquellが1.1ユーロだった。

日本と比べると、
やはりビールは安くで売っている上に美味しい。


ドイツではLidl以外にもPENNY MARKTやALDIもよく見かける。

これらのスーパーで物価を調べてみると、
たまねぎがキロ99セント、
レタスが1.19ユーロ、
トマトがキロ2.89ユーロ
リンゴがキロ2ユーロ49セント、
バナナがキロ1.79ユーロ、
オレンジがキロ2.69ユーロ、
鶏の胸肉が100グラム0.89ユーロ、
1.5リットルのミネラルウォーターが0.4ユーロだった。

りんご


一般的なレストランであれば、
食事は大体1,300円程度から。

ケルンのレストランのスープ
鮭料理

ニュルンベルクも同水準だし、
ミュンヘンはレストランの物価が1割程度安めな印象だが、
ほぼ変わらないと見ていいだろう。

こちらもチェコに比べて倍近い。

地続きの隣国同士としてはかなり物価に差があるが、
かたや経済が弱い東欧の国、かたやEU経済の牽引役な上、
通貨が違うのでこのような差が生じているのだろう。


他にもドイツはシュパンヘルケルやアイスバイン、
シュバイネハクセ等の名物料理が多い国。

食べ物の美味しさという面で困ることはなかった。


食事以外の部分に目を移してみると、
タイマッサージは1時間39ユーロ。

ミュンヘンのマッサージ料金

日本円で5,500円程度。

本場バンコクだと800円程度なので、7倍ということに。

人件費やテナント代が高いので、
これは致し方ないところなのだろう。

それにしても、タイマッサージは世界中で見かけるし、
ブランド力が強いのがよく分かる。

様々あるマッサージ法の中でも、
もっとも目にする頻度が高いように思うし、
有名寺院ワット・ポーのマッサージ講座は
資格を取るために来た人で人気という。


ワインは1ユーロ台から売られているので、
日本人の物価の感覚からするとドイツはとても安い。

ミュンヘンのAldi


ミュンヘンのスーパーでお菓子類を見てみると、
日本と大差ないか若干高めぐらいの印象。

ベルリンのtoomにて
ニュルンベルクのREWE


ヨーグルトは安めで、1パック30円程度で売っていて、
ここらへんの値付けは安め。

フランクフルトのEdeka

他にもリンゴが6個で2.49ユーロ。

調理済みの鶏肉がデリカテッセンで1匹丸々で5ユーロ。

このへんはとても割安感があり、ドイツの物価が高い感じはしない。

グリルして味付けもしてあるので、
そのまま食べることができる。

ボリュームがあるので、一人で食べきれる量ではない。



ニュルンベルクやフランクフルトの駅ナカでホットドッグを買うと、
2.2ユーロ程度。

ソーセージの国というイメージがあるが、
価格的には他の国と特に変わらないぐらいの金額。

本場の威光で美味しく感じるものの、
冷静に評価すれば普通の味。


ミュンヘン名物の白ソーセージも
Viktualienmarkt(ヴィクトゥアリエンマルクト)の
肉屋で食べたら一本150円程度。

白ソーセージ

私が入った店は2本セットだったが、
かなりボリュームがあった。

ただし、白ソーセージは歯ごたえがなく、
1本で十分だったような・・・。


ホテル代は中級ホテルが8000円か9000円程度から。


全体的に見ると、
ロンドンに比べればドイツの物価は割安感が漂う。

オランダも物の価格が高騰しているため、
週末にドイツまで買いだめに来る人が多い。

同様の行動はスイスでも見られ、
EU屈指の経済大国である一方、
周辺の一部の国よりはドイツの方がお得な買い物ができる。


とは言え、東欧よりはずっと高いし、
ポルトガルと比べても同様。

北欧のような異常な金額ではないものの、
やはり欧州経済の立役者的な存在の国なので、
決して生活コストが安いということではない。


さらにフランクフルトは大都会だけあって、
空気もあまりきれいではなかった。

このへんはのんびりと滞在するのにはマイナスの要素。

もっと空気が良くて物価が安く、
かつ十分な利便性を備えた街がヨーロッパには他にあるわけなので、
ドイツを選ぶのにはマイナスに作用する。


なお、旅行者目線での物価を考えると、
観光にかかる費用も無視できない。

フランクフルトの場合なら、
聖バルトロメウス教会併設の博物館が4ユーロ、
ゲーテハウスと博物館が7ユーロ、
ゴッホの医師ガシェの肖像画や
フェルメールの地理学者を収蔵する
シュテーデル美術館が14ユーロとなっている。


交通の観点から見ると、
フランクフルト国際空港をメインとして、
欧州のハブ空路として中心的な位置づけの街の1つであるため、
その点は大きな意味を持つ。

いきなりマニラからポーランドに飛ぼうとしても、
実際は他の場所を経由することになる。

そうした長距離便の主要拠点の中で、
もっとも東欧に近いのがドイツ。

ということは、せっかくなのでここで数日滞在し、
それから本命の目的地へ移動という行動パターンは
今後も十分に想定される。

特に10時間以上のロングフライトの後に、
そのまま乗り換えて飛行機で移動というのは体力的につらい。

それよりは、
一度フランクフルトのホテルに移動して何泊かして
体を休めてから改めて移動の方が楽になる。

街中から空港までも近いし、
ヨーロッパではLCCが発達しているが、
フランクフルトに発着している航空会社として
エア・ベルリンやブリュッセル航空、
ジャーマンウイングス等があって利便性が高い。

たとえばフランクフルトからブダペストへ飛ぶ場合、
最安値を確認したらWizz Airで14.99ユーロだった。

日本円にして2000円程度。

国境を越えてドイツからポーランドへ飛ぶのに、
この価格。

陸路での国内交通に目を向けると、
フランクフルトからニュルンベルクまで61ユーロ、
ベルリンまでだと152ユーロ。

もちろん時期の影響もあるが、
飛行機の方が安い場合も多々あるのは事実。


ドイツから東欧の場合も、
飛行機の他にバスや鉄道も使える。

その意味ではあえて空路以外を選ぶ手立てもある。

景色を見ながら移動できたり、
空港で荷物検査等のわずらわしい手続きが不要なことは
陸路での移動の醍醐味。


フランクフルトばかりではなく、
ミュンヘンもヨーロッパの交通の起点になっているし、
こちらもくり返し訪れることになりそう。

今回は中央駅近くのシラー通りに宿をとったが、
このあたりは風紀が悪くお勧めはしない。

私自身、次は他のエリアに泊まるだろう。

ミュンヘンは東側のイザール川(Isar)付近は緑が多く、
そういった雰囲気も個人的に気に入っている。

イザール川

他にもニンフェンブルグ宮殿の庭園も立派だが、
このあたりはレストランも少なくて不便なので、
なかなか宿泊には厳しそう。

ニンフェンブルグ宮殿の庭園

ある意味、Airbnbで民泊するには面白いエリアかも知れないが。

なお、ニンフェンブルグ宮殿の入場料は、
城内部だけなら6ユーロ、
その他の庭園内の施設も見学するなら
サマーシーズンは11.5ユーロ、
それ以外の時期は8.5ユーロ。

同じくミュンヘンにある美術館、
ピナコテークの入場料は10ユーロ、
バイエルン王家の居城として栄えたレジデンツは6ユーロ。

レジデンツ

ヴィクトリアンマルクトの市場では
肉屋がホットドッグやソーセージを売っていて、
2ユーロ程度でホットドッグを食べられる。

ホットドッグ

ソーセージの種類が多いが、
指を指して注文すればいいので
ドイツ語が分からなくても意思疎通できる。


何にしても、
フランクフルトやベルリン、ミュンヘンは
今後も交通の要所としても利用することが多くなる見込み。

そうした意味では、
今後もドイツとは何かと関係を持つことになる予感がする。



周辺国と比べると

ホーエンザルツブルク城
ドイツとオーストリアを比べると、
意外に物価の差が小さいことに驚いた。

ミュンヘンからインスブルック、
ザルツブルク、グラーツと移動したが、

ホテル代やレストラン代は
2割から3割オーストリアのほうが安いだけ。

スーパーで物を買う場合には、
さらに価格差は小さい印象だった。

両国の間にもっと大きな差があるかと思ったが、
現在では大差ない水準にまで近づいているらしい。


これがスイス相手だと大きく話が異なり、
ドイツの物価はスイスに比べれば大幅に安い。

なにしろ、相手は世界有数の生活コストが高い国なので。

以前にチューリッヒ在住の人と話した時には、
週末を利用してドイツまで買い出しに行く人が多いという話だった。

欧米らしく巨大なカートを押しながら、
一週間分の買い物を済ませてくるらしい。

スイスで買うよりも、
車のガソリン代を差し引いても圧倒的に安いとは、
スイスの物価は恐ろしい。

レストランの価格も、倍ぐらいの差がある。


スイス人はさらにコストの安い東欧に行ったら、
どんな感覚なのだろう?

日本人以上にスイス人の方が所得も高いので、
もはや新興国の人が先進国の国民の生活を想像する感じになってしまう。



ということで、ドイツといえばヨーロッパの盟主の印象もあるが、
生活費に関してはスイスよりもずっと安いし、
北欧と比べても同様。

ただし、東欧やポルトガルに比べたら
もちろん割高感は拭えないし、5割ぐらい価格が上乗せされてくる。

フランクフルトやミュンヘン、ニュルンベルクといった街を見ると、
住環境とのコストパフォーマンスは悪くない。

これは旅行者にとっても同じことが言えるだろう。


唯一の懸念は治安面で、
ドイツはこの点において近年より深刻な問題を抱えている。

これはフランクフルトやミュンヘンのように
特に規模の大きな都市を訪れると顕著に肌で感じる。

この点が移住を考える際に、大きな懸念材料になってしまう。


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