ドイツへの移住を現地まで行って、保留にした決定的な理由

フランクフルト
これまでにもドイツ移住は何度か実現しかけ、
そのたびに頓挫してきた。

理由が多くの日本人に関係あるところなので、
今回まとめてみることにした。


ドイツとの奇妙な縁


振り返ってみると、
ドイツに住んでいる人と話す機会が
この数年は不思議と多く、
私自身も妙な縁だと思っている。

たとえば運営している世界4大自由倶楽部のメンバーだったり、
外部スタッフとして仕事をお願いした人だったり。

ベルリン暮らしを満喫している人もいれば、
デュッセルドルフでの生活に後悔を見せる人もいて、
成功例も失敗例もあるため
一概に良いか悪いかは言えないが、
これは他の国でも同じことだろう。

こうした人とZOOMでつながることも多く、
もはや国境が意味を持たないことを実感する。

相手が日本に住んでいたとしても、
フィリピンで暮らす私にとっては海の向こうの人。

それがドイツであれ、カナダであれ、特に違いはない。


これまで仕事をお願いしてきた人も、
もちろんもっとも多いのは日本在住者であるものの、
海外移住者だとドイツとアメリカが特に多い。

それ以外ならカナダの人。


アジア各国は物価が安く、働く必要が無いためか
そこまで応募は多くない。

クラウドソーシングの人に仕事をお願いしているので、
居住国の生活コストが反映されていると推測してみると面白い。


それにしても、ヨーロッパの中でもドイツが特に多く、
おそらく次がイギリスに住んでいる人。

他の国に移住した人から連絡を受けることは、
記憶のかぎりほとんどない。

なぜここまでかたよっているのは謎。

偶然なのか、EUの中でも経済力が高い国に住んでいる人が、
仕事に応募してきていることになる。

国家に経済力があるということは、
収入だけではなく物価も高くなるわけなので、
やはり多かれ少なかれそのことが関係しているのだろうか。


ドイツへの移住は私も考えたことがある。

というよりも、ヨーロッパには基本的に住みたいと思っていて、
ただし1年住むためのビザの手続きがいかにも大変そうなので
見送ることになった。


海外移住をしてからずっとアジアに住んできたので、
そろそろヨーロッパに住みたい気持ちはある。

ただ、新興国とは違って先進国は外国人を気安く受け入れない。

ドイツを始めとして、
移民・難民の受け入れ政策に対して後悔していることが
国民・政権の共通認識になりつつあるのだから、
致し方ないことだろう。


フィリピンやマレーシアにおいては、
外国人は現地にお金を落としてくれる人。

ドイツを含むヨーロッパでは自国民の働き口を奪ったり、
厄介事を持ち込む者として外国人は認識される。

ひどい話のようだが、
日本が外国人に対するのと同様の姿勢を取っているだけで
非難されるような政策ではない。

自国の利益を守るための正当な手段なので。


EUの居住権は簡単には手に入らないし、
結婚も現地就労もする気がない私には特にハードルが高い。

ドイツに移住した人の話を聞いても、
基本的に配偶者ビザか就労ビザ。

1年だけ住める便利なビザというのは
そうそう存在しない。


ポルトガルのゴールデンビザなら
比較的取りやすいと聞いたが、
調べてみると手続きは決して簡単ではないので
着手するまでもなく挫折した。

ハンガリーの投資永住権も同様。

そんな苦労をしてまで住むことにこだわりたくない。

手続きの煩雑さや役所のいい加減さ、
いつの間にか変わっていくルールに翻弄されながら、
ビザ取得が失敗だったと後悔する日が来てからでは遅い。

逆に、旅行なら余計な手間をかけなくても行けるわけだし。


ということで、私自身がドイツに移住するのは
ビザの関係で今のところ予定はない。

逆にビザさえ発給してもらえるのであれば、
フィリピンの次に住む地として申し分ないのだが・・・。

と思っていたら、
実はビザの面で朗報があることが漏れ伝わってきた。


フランクフルトを訪れてみた

先日、ニュルンベルクとフランクフルトに行ってきた。

その時の様子について。


まずはニュルンベルクは旧市街の雰囲気と、
想像よりも緑が多いことが気に入った。

ここに1年ほど移住できたら面白いと思う。

ニュルンベルクの駅前
ニュルンベルクの紅葉
旧市街
ドイツの道路
Restaurant Germania
元々城塞都市には心惹かれるところがあり、
南仏のアヴィニョンやポルトガルのオビドスも好きだが、
ニュルンベルクもこの条件を満たす。

それなりに規模の大きな街なので、
1年程度なら生活しても飽きることはなさそう。

ドイツに移住するなら有力候補となっている。


そしてバスでフランクフルトへ移動。

こちらは大都市で、
マイン川沿いの高級住宅地の雰囲気がとても良かった。

マイン川
フランクフルト
高層ビル
現代的なビル
フランクフルトの市内
ただ、空気があまりきれいではないので、
ニュルンベルク程の魅力を感じなかったのも事実。

商業的には首都ベルリン以上の規模だが、
あえて暮らす場所として選ぶには、
人がやや多すぎる印象は否めない。


とは言え、今後もヨーロッパ入出国の際の起点として、
縁が深い街となっていくことと思う。

欧州の主要空港の1つなので。

となると、ドイツの中でもフランクフルトに移住すれば
各地へのフライトは便利なことになる。

あとは住宅環境やコスト面との兼ね合いだろう。


今後は東欧に入る機会が増えそうなので、
その際にドイツはロンドンやアムステルダムより地理的に条件がいい。

チェコとは隣国だし、ポーランド等とも近い。

そんなわけで、住むわけではなくても
フランクフルトは頻繁に行くことになるかもしれない。


他にも、以前に訪れたミュンヘンやケルンも良かったが、
仮に住むならやはりニュルンベルクが第一候補。

城塞都市の街並みと豊かな自然の両方がそろっているのは大きい。


ただし、ミュンヘンは新しいカルチャーの生まれる街として
近年注目を集めている部分もあり、
その観点から再訪してみると面白い発見がありそう。

何しろ前回の訪問から10年近く経っているので、
街の様子も変わっているはず。

と言っても歴史的な建造物が多いため、
アジアの新興国のような激変ぶりはないだろうが、
街並みよりも文化的な面での変化は期待できそう。


また、ケルンを以前に訪れたのも同時期だが、
その時はケルン大聖堂やライン川を見たりと、
観光客としての視点でしか見ていなかった。

大きくない街だからこそ、
生活するのに適しているエリアもあるかもしれない。


他にも首都ベルリンを移住先として推す声も散見する。

ビジネスビザを取りやすいようなので、
その点も含めてドイツは面白そうな話が多い。

今後も東欧を繰り返し訪れる予定のため、
少し足を伸ばしてドイツについても掘り下げて追求してみたい。

ベルリンは単なる首都というだけではなく、
世界中からクリエイティブな起業家や新進気鋭のアーティストが
集まってくる街の1つになっている。

シリコンバレーのように
刺激を受けられる場所に身を置く時期があるのも悪くない。

ビザが取得しやすく、
文化的な成熟度も高いとなれば
今後住む場所の候補として検討しない訳にはいかない。


食事も美味しいし、
移住先としても、旅先としても大きな魅力がある。


追記:ミュンヘンを訪問

ミュンヘン
前回のニュルンベルク・フランクフルトから1年、
今度はミュンヘンを訪れてみた。

台北から東京を経由してミュンヘンへ。

その後は南下してオーストリア、スロベニア、クロアチア、
ハンガリーと3ヶ月かけて移動した。


ミュンヘンは見どころが多く、
2度目にも関わらず旅行者として楽しめる街だった。

レジデンツ
レジデンツ

フェルトヘルンハレ
フェルトヘルンハレ

偶然発見した遊園地
遊園地
遊園地のアトラクション
こんな美しい遊園地を心の準備もなく披露されたら、
思わず住みたくなってしまった。


食べ物も美味しい。

住むということを考えても、
エリアによっては緑も多くてなかなか興味深かった。


一方でミュンヘン中央駅付近は
もはや人種のるつぼというよりも、
中東系やアフリカ系の人の方が多いエリアも。

ドイツという雰囲気ではない。

積極的な移民・難民受け入れ政策が
首を絞めているのは周知の通りで、
住みやすいかどうかは疑問も残った。

たしかに単一民族の国に比べれば、
日本人が違和感がないのは事実。

しかしながら、多民族国家でもマジョリティとマイノリティに分かれ、
ドイツにおける日本人はもちろんマイノリティ。

治安面においても不安が残る。

そう考えると、
もっと物価が安い東欧の方がコストパフォーマンスが良く、
日本人にとってのなじみやすさも大差ない感じがした。


また、ドイツは冬の寒さが厳しいのも
移住を考えた時のデメリットの1つ。

今回は4月終わりに訪れたにも関わらず、
ニンフェンブルグ城から帰ってきて
ペーター教会かオデオン広場にでも行こうかと思っていたら
雪が激しく降ってきた。

実は前日にもマリエン広場にいる時に
うっすらと雪が降り始めた。


この数年、東南アジアで暮らしてきた身に
雪の日の寒さは染み渡る。

ドイツの冬は4ヶ月〜5ヶ月ほど続くので、
1年の半分近くは寒さとの戦い。

この気候条件のデメリットは無視できない。

逆に、南国はこの点が圧倒的に楽。

長い冬に後悔しないためにも、
ドイツ移住を考える際は冬の対処法が重要。

仮にミュンヘンやニュルンベルクに住むとして、
同じ街に季節を問わずに住むのか?

あるいは冬の間だけポルトガルで寒さを避けたり、
バンコクにでも身を寄せるか?

それによって移住後のライフスタイルは大きく変わってくる。

部屋の賃貸の契約も影響を受けるし、
準備の段階で条件を考慮しておくことは必須。

この部分の計画は先に立てておかないと、
行き当たりばったりでは無駄が過剰に増えすぎる。


ドイツは住んでみたい国の1つではあるが、
頑張って実現しようというモチベーションは
いまいち見つからなかったというのが実際のところ。

今のビジネスの延長線上で
ベルリンにて起業してビザを取る手もあるが、
今の段階で積極的に進めていく予定はない。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
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