私が世界一周を始めた当初は、完全に無制限の条件だったわけではなく、期間こそ無期限ではあったものの、フィリピンの永住権を途中で取得する手続きが入るという不確定要素があった。
何が不確定だったかというと、これは時期の話で、あくまでもフィリピン政府側が手続きを進めていくため、向こうから呼び出しがかかる時期は、事前に正確に把握できるわけではない。
当然ながら手続きに際してフィリピンに入らなければいけないので、わざわざ一度ヨーロッパに行って、あるいは北米に入ってから戻ってくるのは大変だし、永住権取得まではアジアにいた。
結果として、7月からヨーロッパに飛ぶことになり、イギリスとアイルランドを経て、真夏にポルトガルにいくことになった。
緯度の高いイギリスやアイルランドと違って、ポルトガルは最高気温が30度前後まで上がる。
ポルトガル移住の下見としては夏の暑い時期を経験しておくのも悪くないが、観光するにはとにかく暑さが体にこたえる。
加えて、日々照りつける直射日光がとても眩しくて、サングラスなしだと、かなり目に負担がかかる。
この時期にリスボンをスタートにして、オビドスやナザレ、ファティマ、コインブラ、ポルトと北上していき、ポルトガルを縦断したわけだが、今考えると何も7月から8月にかけてそんな旅をする必要はなかったのではないかと感じる。
冬でも暖かいポルトガル
夏が好きなポルトガル人にとっては良い季節なのだろうが、常夏の東南アジアで過ごしてきた私には特にメリットがない。というのも、ポルトガルはヨーロッパの中でも有数の冬でも暖かい国。
もちろん暖かいというのは、東京に比べればある程度気温が高いという程度の意味合いであって、常夏のフィリピンやタイのような暑さが冬でも保たれているという意味ではない。
当然ながら冬になればコートは必要だし、クリスマスをリスボンで過したこともあるが、ロンドンよりはだいぶ暖かかったものの、厚手のコートは手放せなかった。
こう考えてみると、ポルトガル縦断は冬の時期にヨーロッパに行った時にやればよかったことで、何も暑さに喘ぎながら、他の国でもベストシーズンとされている真夏に、ポルトガルに長居する必要は特になかった。
世界一周とは言いながらも一方向に向かって動いていたわけではなく、アジアからヨーロッパの西の果てに当たるポルトガルまで行って、そこから一度東欧に飛んでドイツに移動し、そこから再び大きく西に飛んで、カナダのハリファックスに行ったので、別にポルトガルに長居しなくても、東欧にその分長い時間居ればよかったことになる。
ちなみ東欧は北海道よりは若干暖かいぐらいで、冬は東京よりも明らかに寒い。
そう考えると、真冬に東欧に行くのは賢い選択ではないので、ちょうど7月や8月ぐらいの時期には過ごしやすいということになる。
この時期を丸々ポーランドやチェコやルーマニア等にあてて、冬に行く時にポルトガルを割り当てた方がトータルで見た時に快適な旅ができることになる。
その意味で言うと、なぜわざわざ真夏にポルトガルに1ヶ月も滞在していたのかというのが、今となっては理解できない。
当時の事情を考えると、とにかくアイルランドに行ってみたかったので、その気持ちを優先し、その上でアイルランドから近いという理由でポルトガルに飛んだわけだが、その安易な発想がそもそもの失敗だった。
結果としてポルトガルは移住先として見ても、なかなか面白い可能性を持っている国だとわかったし、リスボンは2度目ですでに飽きていたが、オビドスやファティマに関しては、今後も上手に活用していきたいと思った。
ポルトガル料理は美味しく、カルネ・ド・ポルコ・アレンテジャーナやパステス・デ・バカリャウは単体でも美味しいし、SUPER BOCKを飲みながら食べるのも相性が良かった。
しかしながら、冬の時期のヨーロッパにおける隠し玉であるポルトガルを、わざわざ真夏に消費してしまったは頂けない話だった。
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