日本の物価が世界的に高いというのは嘘?

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海外と比べて日本の物価は高いと言われることが多い。

実際、東京の生活費は世界の著名都市の中で
トップ5に入るというランキングもあったほど。

馬力

その特集で1位だったのはロンドンだった。


しかし、マレーシアで2年、フィリピンで1年暮らしてみて、
そしてヨーロッパや北米、オセアニア等、世界各国を周ってみて、
実際のところは違うようにも感じている。

日本の物価はそこまで高くないのではないかと。


デフレが長期的に続いたおかげで、
商品の質の割に価格の安い商品が出回っている。

これは新興国と比べても言えることで、
そこまで割高ではない。

というより、日本の100円ショップで売っているものが、
物価の安いフィリピンで150円程度で売られていたりもする。

これはタイやマレーシアでも同様。

ダイソーは海外の方が高めの値段設定をしているが、
十分にお客さんが入っている。

バンコクのDAISO
DAISOの外観
ハンガー
スプリングホルダー

たとえばクアラルンプールのパビリオンにあるダイソーは、
人が多い上に通路が狭く、通りづらいほど。

5.3リンギット(約160円)と日本よりも割高なのに
十分にぎわっている。

ジャパンブランドの効果の部分もあるにしても、
新興国に行けば必ずしも物価が安いわけではない。


東南アジアでもパン屋で菓子パンを食べれば、
1個100円程度はする。

明らかにクオリティーの低いまずそうなパンなら、
もう少し安く売っているが・・・。


ケーキも1切れで300円ぐらいするのは普通。

質を考えた時には、
日本の物価の方が安いと感じることすらある。



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東南アジアと日本の物価が近づいている

バンコク
東南アジアであっても、
外国人の居住エリアにおいては世界標準に確実に近づいている。

これは価格の面でも、質の面でも。

たとえば、フィリピンの首都、マニラの
マカティ市で1DK(スタジオタイプ)の
コンドミニアムを借りる場合、
家賃が月10万円程度でも珍しくない。

マニラのコンドミニアム

これなら日本で東京近郊のベッドタウンや
地方都市で暮らした方がずっと安い。

ましてニューヨークやロンドン、シドニー等の
地価が高い街で部屋を借りるよりも
東京の方が安くてきれいな部屋を借りられる。

これは欧米圏の物価の高い国と比較した時だけではなく、
香港やシンガポールと比べても同じ傾向にある。

何しろ、シンガポールでは
高級コンドミニアムが並ぶオーチャードロードから離れても、
1LDK(1ベッドルーム)の部屋の家賃が
25万円以上したりするので。

もっとも、香港にしろシンガポールにしろ、
土地が極端に限られているのが原因ではあるが。


その一方で、人の成長はなかなかついてこないので、
新興国のサービス品質は低い。

ざっくりしたイメージだと、
フィリピンの昼間のセブン-イレブンの店員が、
日本の深夜のコンビニの店員レベルといったところ。

そして、他の先進国、
たとえばドイツやオーストリア、イギリス等も
フィリピンやタイと同レベルのサービス水準だったりする。

その結果、サービス業関連は
日本に来ると費用対効果が良く感じる。

レジ打ちの人が丁寧だったり、
案内が親切だったりするので。


マクドナルドなどを見ても、
バンコクなら日本より2割程度安い程度。

タイのマクドナルド

ビックマックセットのような基本メニューに
大きな価格差はない。

ソフトクリームが30円ぐらいなので、
この点はタイやフィリピンは安いが、
主力メニューは日本と大差ない。


マレーシアは果物が安いので、
その点では物価の恩恵を受けられる。

たとえば、小ぶりなリンゴなら30円、
マンゴーが1個90円、
ココナッツジュースが125円。

ただし、果物が家計に占める割合なんてたかが知れているので、
その意味ではあまり意味がない。


他にも、フィリピンが日本より物価が安いと感じるものとしては、
瓶ビール(サンミゲルの小瓶)が40円程度。

ローカルレストランで食べれば一食100円ちょっとから。

美容院は120円から。

マッサージは1時間800円程度。

タクシーの初乗りは約90円。


人件費に関わる部分が特に際立って安い。

日本人がバイトでも時給700円はかかるのに対し、
フィリピンなら100円程度。

この違いは大きい。

月収2万円で働いてくれる人がいるために、
このような事が可能になる。



日本だと大きな費用がかかるものも

日本でお手伝いさんを雇うなら、
月に30万円ほどかかるらしい。

これがフィリピンなら住み込みでも3万円程度。

実に10倍の開きがある。


物価というか、人件費の違いはやはり際立っている。

ただし、オーストラリアなら州によっては
最低賃金が時給1700円程度なので、
それに比べればずっと安い。

日本は人口が1億人以上いるため、
世界の先進国の中では多い部類に入る。

おかげでGDPは世界3位の座を守っているが、
一人あたりGDPでは22位。

マカオや香港にも負けている状態だし、
オランダ、カナダ、ドイツ、イギリスも日本の上を行く。

そう考えると、
日本の人件費は世界トップクラスではないし、
特にサラリーマンの上位10%程度の収入が
アメリカ等に比べて極端に安い傾向にある。

これは商慣習による部分もあるが、
社長や取締役の年俸が安いのも理由の1つ。

また、先進国でありながら、
サラリーマンの上位1〜2%しか
年収1,000万円すら稼げていないのは
相当安く買い叩かれている状況と言える。



日本の宿泊費はある意味で安い

一晩を安全に、それなりに快適に過ごすことを考えると、
日本の漫画喫茶は物価の安さを感じる。

シャワーやドリンクバーがあり、
横になれるスペースと間仕切りがあるのに
2000円程度で夜を明かせるのは
先進国では特異。

もはや漫画が置いてあることは忘れても、
単純に安価な宿泊スペースとして優位性がある。

大阪・京都・福岡へ
旅行に行ってきたフィリピン人に話を聞いたら、
漫画喫茶に存在に感動していた。

たしかに、フィリピンのインターネットカフェは
本当にパソコンぐらいしかないので、雲泥の差。

外国人が日本に来て驚くのも無理はない。



このように、一言で日本の物価が高いと言っても、
全体的な傾向として高額なわけではなく、
部分的にはむしろ安いことすらある。

ただし、東南アジアと比べると
人件費関連が高額なため、結果的に高くつく。


ある程度の消費をしようと思った時、
新興国の安さは如実。

たとえば、メイド付きの生活をする場合。

月に10万円程度でもこうした暮らしが可能なので、
費用対効果がとても高い。


日本でも地方都市で生活すれば、
月10万円でそこそこの暮らしができる。

しかし、生活の質ということを考えた時、
やはり物価の安い国の方が有利。


ある程度まで消費額がふくらんでいくと、
より差が開いていく。

月20万円で東京で暮らすのと、
バンコクで暮らすのでは快適さに相当な差が生まれる。

和食の金額は大差がなく、
バンコクならタイ式マッサージが1時間900円程度。

BTS(モノレール)やMRT(地下鉄)も
近場なら数十円。

タクシーも初乗りが100円程度で移動コストも安く、
ラオスやカンボジア、ベトナム等に旅行に行くにも
片道数千円で航空券を買える。


ただし、富裕層レベルにまでなっていくと、
むしろ質の高いサービスや商品が多いという意味で、
東京の方が優れていたりもする。

もっとも、ラグジュアリーな暮らしをして
東京であることの恩恵を受けるのなら、
一人暮らしでも月に70万円程度は支出がないと
範囲外になってしまうだろう。

それより少ない支出額なら、
バンコク等で暮らした方が
一般論としては面白い生活ができるし、
コストパフォーマンスが良くなる。

そのため、そこそこお金を持っている人向けのサービスの充実度は、
大部分の日本人には縁のないレベルではあるが・・・。



フィリピン人が2万円で生活しているからと言って、
マニラやセブに移住すれば
日本人が同じことをできるわけではない。

しかし、新興国で15万円を使えば、
それなりに豊かな暮らしができる。


物価にはこのように様々な側面があるので、
どんな生活を送りたいかで意味合いが違う。


東京にしたって、
節約生活をすれば家賃以外はそれなりに安く済ませられる。

質の問題を気にしないのであれば、
食べ物は安くで買うことができる。

特に日本の都市部でのランチ代は安く、
先進国の中では異例なレベル。

1コインランチのバリエーションの豊富さと
そこそこの質は特殊。

しかし、人件費や家賃は高い。


色々な国の物価を見ていくと、
それぞれに流通の事情等が隠れていて面白い。

そして、どの国を選んで暮らすかによって、
生活の質も、資産の形成スピードも違ってくる。

せっかく世界的に認められているパスポートがあるのだし、
最適化された戦略を持って
今後も住む街を選んでいきたい。


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