日本の中において、収入が上位10%にあたる層の最低収入が、だいたい年収580万円とのこと。
独身女性が結婚相手に求める年収として1000万円という数字を出すと、批判されることが多いが、600万円ですらもかなり実現が難しいと耳にしたことがある。
上位10%ですら580万円だとすれば、独身男性でそれを達成していて、なおかつ容姿や性格、家族への考え方等がある程度許容できる範囲まで一致しているとなると、困難を極めるのは予想がつく。
さらに日本の上位1%にあたる収入が、1260万円から1270万円ほどだという。
この数字が本当に正しいのかどうかについては、若干疑問があるし、特に年収600万円足らずで上位10%に入れるというのは若干眉唾物な気はするのだが、統計の母数にどこまでを含むのかというところを調整すれば、このような結果になるのかもしれない。
極端な話、全く収入のない子供であるとか、年金暮らしをしている高齢者とか、そういった層まで入れることによって、平均値は下がるわけなので、その上であれば580万円で上位10%というのも理解はできる。
アメリカの場合
アメリカにおいては、上位10%にしろ1%にしろ、桁が一つ変わってくる。ここら辺において、日本とアメリカの経済的な意味での上位階層での格差が広まっている。
また、別のデータでは、世界の中でも富裕層のトップ1,000人が持っている資産が、ほぼ日本のGDPと変わらなくなっているとか、1200億円以上の資産を持っている大富豪、言い換えれば10億ドル以上の資産を持っている人が、世界には既に1800人以上に上るという。
参考:東洋経済オンライン
こうした事情を見ると、アメリカの永住権であるグリーンカードも、ある意味では価値がある気もしてくる。
全世界課税をはじめとして、デメリットも並々ならぬものがあるが。
アメリカにおいて富裕層と貧困層の経済格差が激しいのは、ニューヨークの町を歩いているだけでもすぐにわかる。
ファーストフードでは、1枚100円程度でピザが売られていたり、120円ぐらいでホットドッグが売られていたりするし、そういった安い店も乱立していて、ある意味で言えばファーストフードも充実しているが、当然ながら健康的とは到底言えない食事。
その一方で、オーガニックフードの置いてある高級スーパーとか、世界の中でも名店と言われるようなレストランがニューヨークにはいくつも立ち並んでいて、基本的に貧困層がそういった店に入ることはない。
そして、この格差の問題は先進国のアメリカばかりではなく、例えばフィリピンであるとか、タイとかマレーシアとか、そういった新興国においても、税制や社会システムによって、ごく一部の超富裕層の資産を増やしていくのに有利なようにできている。
そのため、新興国であっても、トップのレベルのごく一部については、世界的に見てもリッチであり、日本のトップクラスと比較しても見劣りはしない。
そう考えてみると、まだまだ日本は比較的中流階級が残っているし、ジニ係数や所得格差の比較を見ても、比較的緩やかな傾向にある。
これについては賛否両論あるし、今後日本もアメリカ化していくのではないかということは、ずっと言われている。
ただし、日本人のメンタリティーを考えると、アメリカのようになるとは考え難い。
むしろ世界の中でもトップレベルと言えるような富裕層が、どんどん新興国から出てくるのと対照的に、その部分での日本の存在感が薄れていくような気がしている。
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