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海外赴任の準備で憂鬱になっていた人の話



日本に一時帰国した際に会った人の中に、海外赴任の準備をしていて、住民票を抜いたり、保険の契約をしたり、予防接種を受けたりと、着々と駐在員生活に向けての準備を進めているが、できることなら日本で働き続けたいという人がいた。

サラリーマンの場合、国内の転勤も含めて、異動の辞令が出れば実質的に拒否することができないという大きなデメリットがある。

私の場合は、もうすでに海外生活を始めて4年半ほどになるが、これは全て自分の意志で行っているだけであって、誰かに命令されて仕方なく住む場所を変えているわけではない。

だからこそストレスなく暮らすことができるし、充実した居住環境を選ぶこともできるが、住む国を強制されるのは望ましいことではないのも事実。

駐在員として海外赴任をするのは、充実した諸手当てをはじめ、メリットも多くあるが、最終的には好みによって分かれるところ。

また今後も、中国やインドのように住環境が良いとは呼べないようなところに転勤を命じられる人も増えていくのだろうし、そうなってくると、いくら駐在員がエリートであるからといって、憧れる人ばかりではないのも当然のこと。

そういった意味で言うと、このAさんも、典型的な被害者と言えるのかもしれない。

参考までに、Aさんが海外赴任の準備として、どのようなことをしているのかと言うと、まずは長期の旅行保険に入ったということだった。

こちらは病気や怪我のリスクに備えてのもの。

さらに病院に行って予防接種をして、前日に住民票を市役所で抜いてきたばかりだった。

翌々日には日本を出発するということで、かなりタイムリーなタイミングでの遭遇。

日本で働き続けることの憂さを語りながらも、転職するには至らず、結局当面は会社の決定を受け入れて、1日も早く日本に戻れることを祈りながら海外赴任をしてくるという話だった。


現地で最初の方に行うこと

ついでなので、海外赴任をして、現地に入ってから早い段階で行うこととして、まずは銀行口座の開設がある。

こういったことは駐在員の場合であれば、だいたい会社がサポートしてくれるので、すでに何人も送り出しているような場合であれば、任せておけば総務が勝手に手配してくれる。

国によって銀行の口座開設の際の手続きや必要書類は変わってくるので、そこら辺を揃えることになるが、一般的に必要になるのは住所の証明や会社からの紹介状など。

給料の振込みも日本の口座ではなくて、その国にある銀行口座に行うのが通常なので、口座開設は早めにしておく必要がある。

また、携帯電話の契約もあるが、こちらは日本以外の国ではSIMフリーの携帯が基本なので、適当な端末を買って、あとは日本で言うとソフトバンクやドコモやauにあたる現地の携帯会社のSIMを購入するだけ。

マレーシアやフィリピン、タイのような国であれば、プリペイドのSIMが売っているので、そこに必要に応じた金額をチャージして使用することになる。


プレゼントや餞別が重荷という話

日本の職場を去るということで、Aさんの部署では送別会が催され、そこでは餞別というか、ちょっとしたプレゼントがされたということだった。

Aさんからしてみると、別に海外赴任をするからといって、一生向こうに骨をうずめる気はないし、何しろすぐに戻ってきたいと思っているぐらいだったので、プレゼントや花束をもらったりするのは、かえって心の重石になったということだった。

もちろん戻ってくるなという意味で渡されているわけではないと理解しつつも、サラリーマン人生で初めて迎えるこういった場面に戸惑いを隠すことができず、次にこんな風に注目されるのは退職の時ぐらいで、社内でどれだけ活躍したとしても、ここまでの扱いは受けられないのが、なんだか不思議なことに思えたと言っていた。

確かに考えてみると、社内で労をねぎらわれることはあるにしても、転勤や退職の時ほど明確に誰かが主役になることは少ないだろう。

私が以前勤めていた会社は、退職者がほとんどその日限りでクビになるパターンだったので、送別会すら原則として催されることはなかったが、そういった一部の異常な職場はともかく、通常の会社であれば、そういったことになるのだろう。


海外に赴任して考えが変わる人も

Aさんが今後どうなるかわからないが、これまで日本を出て他の国に転勤して暮らし始めた人の話を聞くと、前もって予想していたよりも、ずっと暮らしやすいという話を聞くことがある。

基本的に日本人が住むのは、現地の中でも高級の部類に入るコンドミニアムで、日本国内でその会社に勤めていれば、一生住むことができないレベルの物件だったりする。

東南アジアであれば、ジムやプールが付いているのは当たり前だし、セキュリティの人も24時間常駐している。

住宅手当を始めとした手当ても付いてくるので、収入は増え、一部の新興国であれば支出は減るので、結果として手元に残る可処分所得も増えることになる。

特に住宅手当は、家計を助ける意味でかなり大きい。

会社によっては、子供の学校の費用も出してくれる。

というのも、海外であれば、日本人学校やインター等の特殊な学校に通わせることによって、教育費がかさむ傾向にあり、その負担を社員ではなく会社が行うため。

こうして日本では味わえないような生活を送っていると、もう戻る気がなくなってしまうこともある。

例えば、タイで駐在員として働いている人の話では、週に2回ほどマッサージに行っても、1回が千円程度なので全然負担にもならないし、日本食も食べることができるし、タイ人は綺麗ということで、できることならもう定年まで一生タイで働きたいということだった。

海外赴任をした後で、そのような方向に考えが変わる人もいるので、もしかしたらAさんも1年後には、今とは違う考えを持っているかもしれない。

ただし、あまり居住環境のよくなさそうな国だったので、個人的には住みたくないし、やはりそういった事例を拒むことができないサラリーマンという生き方は、大きなリスクを伴うと言わざるを得ない。


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執筆者、伊田武蔵

「旅をするように暮らしたい」

そんな思いで2011年に
下見なしで海外移住後、
フィリピンとマレーシアで
コンドミニアムを借りて住む。

その後、
今後の移住先候補の視察のため、
各国を周り住環境の研究をしながら
2年9ヶ月のホテル暮らし。

1年間の台湾生活を経て、
現在はタイでの暮らしを満喫中。

フィリピン永住権と
マレーシアのリタイアメントビザ、
タイランドエリートを取得済み。

8カ国に資産分散。

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