過剰都市化現象が世界にもたらした先の見えない行き詰まり


新興国の急激な発展がもたらしたのは、過剰な都市化という現象で、居住環境において様々な歪を生み出している。

過去を振り返ってみると、1800年の段階では、世界の総人口において都市で生活する人の割合は、わずかに3%に過ぎなかった。

つまり世の中の97%の人は、都市以外の部分に住んでいたということになる。

それが100年経って1900年になったらどうかと言うと、この段階では14%ということで、約5倍に増えていた。

これが50年後の1950年ごろになると倍に跳ね上がり、そしてさらには2008年になってついに都市で生活をする人の方が多くなるという逆転現象が見られるようになった。

当然、過剰なまでの都市化が行われた結果であり、一方で地方が衰退する原因にもなっている。


先進国に限定して考えると、約75%の人口が都市で生活をしていて、地方が過疎化するというのは極めて当然な現象ということになっている。

都会と田舎では人々の結びつき方も違うし、生活リズムとか、そういったことすべてが変わってくる。

24時間空いているコンビニやファミレスというのも、いま現在であれば地方でも増えて来てはいるものの、やはり東京や大阪をはじめとした大都市圏内の方が様々なところで利便性が高い。


世界を回って感じる惨状

ハノイの渋滞
その一方で、各国の首都を周ってみて思うのは、あまりにも都市計画が杜撰であるのに対して、過剰なまでに多くの人が住みすぎることによって、もはや改善の余地すらもなくなってしまっているということ。

これはマニラでもバンコクでもクアラルンプールでも、あるいはジャカルタ等でも見られる現象で、交通インフラひとつとっても道がぐちゃぐちゃに入り組んでいるのに、あまりにも車の数が多すぎて集中的に工事をすることが出来ないというジレンマに陥ってしまっている。

交通渋滞がひどいので改善しようとある道を閉鎖してしまうと、ますます都市としての機能を果たせなくなっていくので、大きな改善をすることが出来ず、それによって慢性的な渋滞が引き起こされて人々が不満を持つという悪循環、これが新興国を襲っている現状。

そして、こういったインフラの未整備をそのままにして、都市は外へ外へと広がっていったり、あるいは高層ビルを立てていくことによって、上へ上へと広がっていくことになる。

1860年の段階ではロンドンですら、人口は318万9000人しかいなかった。

この時期、ニューヨークであれば81万3000人、ボストンにいたっては17万人台しかいなかった。

これが1870年から1900年ごろになるとニューヨークで340万人、ロンドンの人口なら650万人と、一気に増えている。

こうして都市化が進むことによって、一部の地域というのはスラム化してしまい、どんどん治安というのも悪化しているし、必ずしも利便性が高まっているわけではない。

さらに言うと、環境への配慮の意識の低い新興国というのは排気ガスの問題であったり、あるいは土壌汚染や水質の汚染といった深刻な問題も抱えている。

こういったことを考えると、逆に田舎に住むという選択肢も視野に入ってくるし、実際マニラに住んでいるとかなり空気が悪いので、しばらく空気の良いところで暮らしたいと思うこともしばしばある。

マニラは過剰都市化現象の真っ只中で、慢性的な渋滞で移動の利便性は低く、緑も少なくて空気も悪い。

そして、それらを解決する有効な術が見いだせなくなっている。

こういった過剰な都市化というのは環境への過剰な負荷を与えるほかにも、人間関係に支障をきたしたりとか、人々のストレスを増やす原因にもなりかねないので、せっかくネット技術等が進歩している以上、必要以上に一極集中しないようにする政策というのも必要なのではないかと思う。

こういったことは政治家の意思一つで出来ることではないが、地方への移住を積極的に推奨する動きも出ている。

こうした流れというのは今後、先進国である程度自由を得た人の中で流れとして加速していくのではないかと思う。




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