東南アジア各国の首都は、東京に比べても圧倒的に空気が悪い。
その原因はシンプルで、車の交通量が多いことと排気ガスの規制が圧倒的に緩いこと。
東京もそれなりに車が多いものの、各国の首都においてはそれ以上に慢性的に渋滞が起こっている。
例えばフィリピンのマニラにおいても同様で、本来であれば10分で行けるマカティからフォートボニファシオまでの距離が、30分以上かかるレベルの渋滞は毎日起こっている。
本当のラッシュの時間に車に乗ると、30分どころか1時間以上かかることもある。
それだけ車の交通量が多いうえに、道が入り組んでいるため慢性的な渋滞がジャカルタやバンコク、クアラルンプールといった各地で起こっている。
しかも車の排気ガスを規制しないということは、もくもくと煙を吐き出すということで、実際に大通り沿いを歩いているといかに空気が悪いかということを感じる。
よく日本でも皇居の周りを走っているランナーを見て、かえって肺に悪いんじゃないかと言う人がいるが、東南アジアの首都はそれ以上に空気が悪い。
日本においてもディーゼル車の問題等、やはり排気ガスは常に問題にはなっているが、経済の成長を優先している新興国にとってはそこへんの規制が緩く、環境への配慮は後回しにされている。
したがって、単純に臭いというのもあるし、鼻の奥がチクチクしてきたり、気管支や肺にかなり負担がかかっているのは体感として理解している。
ウォーキングといえば体に良さそうなイメージがあるが、こういった空気の悪い中で歩くのはそれだけ多くの空気を肺の中に取り込んでしまうということなので、かえって体に悪影響を及ぼす印象もある。
そのため、私が運動をしようと思うときにはジムの中で走ったり、あるいはコンドミニアムの7階にあるプールで泳いだりする。
やはりある程度高くなると、それだけ空気も拡散されるので、排気ガスが直接的に悪影響を及ぼす度合いはかなり緩和される。
これは例えば同じ道でも1階に当たる地面をそのまま歩いているのと、2階に当たる道を歩いているのでは全く違う。
逆にいえば、それだけはっきりと違いがわかるくらいに大気汚染が進んでいるということでもある。
しかもマニラにいたってはほとんど緑がなく、植物を見る機会も意図的に公園に行ったりしないかぎりは少ない。
そのため植物が光合成において空気を浄化してくれるという効果もあまり期待できず、ただ単に空気が汚れっぱなしになってしまう。
マニラは都会なので便利なのは助かるのだが、こういった弊害もあり、今後住む国においては空気がきれいかどうかということも目安にしたい。
そう考えてみる、やはり基本的には先進国が該当するし、都会よりはある程度田舎の町のほうが理想ということになる。
ただし、利便性が著しく低いのも困るので、そのへんのところはかなり悩みどころ。
何よりも悪いのは以前に住んだマレーシアのジョホールバルのように、中途半端に利便性も低く、なおかつ車の交通量が多くて空気も悪い町。
こうなってくると、中途半端すぎてなんの利点もない。
いっそのこと、ラオスのルアンパバーンのように完全に田舎町として成り立っていて、その分空気もきれいなところのほうがいい。
ただ、こういった町においてもトゥクトゥクがはっきり排気ガスを撒き散らしていたりするので、瞬間的には空気が汚れていると感じることもある。
そういったことを考えても、やはり田舎町にしても先進国、例えばヨーロッパの田舎に住むほうが体のためにはいい気がする。