マレーシアのヘイズに環境問題の深刻さを垣間見る


マレーシアにはヘイズ(haze) と呼ばれる現象があって、これはインドネシア等の焼き畑農業の煙がシンガポールやマレーシアにも漂ってきてしまうというもの。

要するに国境を越えて隣の国が起こした環境問題が、シンガポールであるとかマレーシアまで影響してしまっている。

これは日本人にもとても共感できるものだと思う。

というのも、中国が起こしている黄砂やPM2.5等の大気汚染というのが非常に問題になっているので、そういった意味ではマレーシアのヘイズというのも他人事ではない。

こうした現象が起こると、いくら自国内で環境問題に取り組んだところで、隣の国でも同じように取り組みを行ってもらわないと、結局自国民の利益が阻害されるということになってしまう。

もちろんここで報復的に相手の環境を汚染しようとかそういうことになってくると、もはや収拾がつかなくなっていくわけなので、国際社会においてそういった態度は許されない。

しかしながら、インドネシアや中国のようなまだまだ国家としての国際的な地位が高くはなく、ある意味何をしても聞く耳を持たない国に関しては、周りの迷惑している国が取る術がないというのが実際のところ。


インドネシアの場合は、実際ジャカルタに行ってみたりすると、非常に個人レベルでは人がいいということが分かる。

しかしながら、まだまだ経済的に豊かな国ではないし、農業においても焼き畑農業をしていたりするので、そういったところで本人たちも別に好きで環境を汚染しているわけではなくて、生活のために仕方なくやっているというところがある。

そもそも環境問題に対する関心が薄く、マレーシアやシンガポールに悪影響を及ぼしているヘイズに対しても他人事のようなところがあるのだろう。

先進国にいるとなかなかピンとこない感情ではあるが、焼き畑農業のような合理的ではないやり方であってもすぐに切り替えるということは難しい。

というのも、彼らは情報を十分に得る手段を持っていないし、長年慣れ親しんだ手段に対する執着というか、愛着であったりとか、あるいは新しい方法への抵抗感というのもあるので、即刻切り替えるというのは意外に難しい。



水洗トイレの導入を拒否する人々

インドネシアがヘイズを含めた環境問題を起こす原因を作りながら、現代的な農業技術の導入を進めないというのは、それほど特殊な話ではない。

例えば後進国に対して、先進国が水洗トイレの技術を導入しようとしても、うまくそれを受け入れる国と逆にそこに抵抗感ができて、結局設備があるにもかかわらず使用が定着しない国もある。

こういったことというのは、それぞれの国だけではなくて、村単位であるとか、そういった小さなコミュニティ内でどういった反応があるのかということにも関わっている。

そのコミュニティ内で密接な関係がつながっていて、なおかつハブとなっているような主要人物が協力してくれると一気に新しい技術というのは広がるし、そういったことがないとなかなか焼き畑農業をやめて腰を据えて新しい手法に取り組もうということにはならない。

ただでさえ一万以上の島が存在するインドネシアなので、一気に新技術を導入するということは現実的に考えて困難。

さらにいうと、政府もどの程度まで国民をコントロールできているかということには疑問が残る。

古くはバタム島やビンタン島、最近ではロンボク島やギリ島、モヨ島のようなリゾートの島はまだ注目が集まる。

しかし、産業のない島にインドネシア政府がどの程度関心を寄せているのか、現実問題として管轄できているのかは不明確。

こういったことが、インドネシアが大気を汚染し、ヘイズを生み出す一因にもなっているし、実は根の深い問題ということが言える。

まして環境問題は本人たちの生活向上に直結するわけではないだけに、ますます腰が重くなるのも仕方ない部分はある。

被害を受けている近隣の国にとっては迷惑な話だが。

マレーシアは年中ヘイズに悩まされているわけではないものの、こういった環境問題を解決するのは簡単ではない。




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