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香港の過酷なメイド事情は変化の兆しをみせている


香港島
ジャパンビジネスプレスの記事によると、香港には現在約33万人の移民外国人メイドがいて、これは全労働人口の8%、普通の人口にすると約5%を占めているという。

つまり、全人口の20人にひとりが外国人のメイドが占めているということで、日本と比べるとずいぶんと開放的なであることがわかる。

実際香港にいると、休日となる日曜日は公園などにフィリピン人やインドネシア人のメイドさんと思われる人が大挙して押し寄せるが、20人にひとりという割合を考えれば、それも納得できる。

しかも彼女達は基本的に給料が安いのであまりお金を使うことができないし、さらに言えば家族に仕送りをしていることが多いので、なおさら節約しなければならない。

そうなってくると、お金のかかるモールやカフェのような店ではなくて、無料で時間をつぶせる公園に、同じ国の人達で集まってのんびりと話をするというのが、心のオアシスになるというのも納得できる。


2015年10月からは外国人メイドについて最低賃金が引き上げられたものの、以前の月4110香港ドルが、4210香港ドルになっただけで香港の物価を考えても特別高給取りというわけではない。

というよりも、明らかに相当安い労働力として使われていることがよくわかる。

香港の平均月収は大体1万4千香港ドルと言われているので、それの大体四分の一ぐらいということになる。

もっともメイドの場合、香港では住み込みが義務付けられているので、家賃や水道光熱費、食費といった基本的な生活費は無料になるので、そういった部分で彼女達が助かっている部分はあるし、実際に残るお金としてみると、稼ぎのわりにはあるということになるのだろうが、決して裕福になれるような金額ではないし、メイドからのステップアップというのも難しいので、厳しい状況が広がっているのは間違いない。

ちなみに現在ではフィリピン人よりも、インドネシア人の方が香港で働くメイドの中では多くなっているという。

しかしこういった外国人のメイドに家事を任せて、発展していくという成長モデルには、そろそろ変化の兆しもみられる。


高まる待遇改善の機運

二階建てバス
すでにフィリピン人よりインドネシア人の方が香港で働く外国人のメイドの中でも大きな割合を占めるようになったことは前述の通りだが、そのインドネシア人のスリスティヤニンシさんは現代のジャンヌダルクとして評され、アメリカのタイム紙によって、世界で最も影響力のある100人にも選ばれている。

ではこのスリスティヤニンシさんが何者なのかというと、香港で雇い主から虐待を受け、暴力を受けていただけでなく、体重も50キロから20キロに激減して瀕死の状態であったという。

この雇い主については、香港でも起訴され、有罪判決を受けて6年の禁固刑に処されることになったという。

このスリスティヤニンシ事件というのは、香港のメイド事情を象徴する出来事で、元々大手の斡旋業者であっても信用されていないことがあるというのは仲間内では公然の事実らしい。

例えば斡旋業者の一つであるサンライトは、ほとんど布団や枕も支給せずに招へいしたメイドを寝かせて、さらには寝ていたメイドの上に60キロもあるコンクリートが倒れてきて死亡事故を起こすという、もはや意味がわからないところまできている。

ここまでくると人間扱いすらしていないという印象を受けてしまうが、この事故の犠牲になったのもインドネシア人の西ジャワからやってきたエリス・クルニアシさんというシングルマザーの女性で、2人の子供を残しての事故となってしまった。

こういった事件を受け、フィリピン人やインドネシア人の、主に若者の間では、香港にメイドとして移住することには抵抗が出ているという。

さらに言えば、これら両国は経済成長を遂げているので、いずれわざわざ待遇の悪い香港、あるいはそれよりもさらに評判の悪い中東には行かなくなるかもしれない。


一方で、まだまだ両国の貧困層が職選びに困らなくなる時代が来るのは先の話だが、一つの希望となりえるのは日本。

日本も神奈川県の一部エリアで試験的にメイドの受け入れをするようになったというが、少なくとも日本人からみると海外のコンドミニアムでよくある二畳ほどしかないメイド部屋に人を住まわせるのはさすがに心苦しいものがある。

そしてそのメイド部屋というのも、多くはガスの設備があって音がうるさいとか、窓が一つも無いとか、そういった劣悪な環境なので、それを当然としている国の人達に雇われるよりは、日本人に雇用されたほうが虐待等の問題の件数等を考えてみてもはるかに労働環境として望ましいのではないかと思う。

日本もようやく重い腰を上げて徐々に外国人の受け入れについては進めているが、単純な家事労働であればそこまでの教育なしに任せることもできるので、積極的に行っていってもいいのではないかと思う。

ただし、英語でのコミュニケーションが苦手な日本人が、フィリピン人やインドネシア人のメイドに家事や子育てを依頼し、時に注文や指示を出せるかと言えば、なかなか厳しいだろう。

まして外国人にも最低賃金が適用され、香港やシンガポールのように安くで外国人を働かせることを良しとしない潔癖な人権尊重社会だけに、費用対効果の面でメイドの雇用をするだけのメリットを見いだせず、彼女たちの雇用の機会が失われることも見通せる。


メイドの本場で見た現実

九龍公園
フィリピンは世界的に見て、メイドの輩出国となっている。

私はフィリピンのマニラのマカティ市とセブシティに住んだが、
現地では日本円で2〜3万円で住み込みのメイドを雇える。

つまり、香港よりもさらに賃金は下がる。

そうでなければ、
彼女たちもわざわざ海外で働く動機がないだろう。

当然、フィリピンのコンドミニアムには
メイド部屋が付いていることも少なくない。

セブのコンドミニアムもそうだった。

ただし、ここは3畳もない上にガスボンベも置いてあり、
さらに収納の類は一切ない。

窓の1つもないので、
ドアを閉めるととても息苦しい空間。

香港に限らず、
メイドの待遇はフィリピン本国でも悪い。

過酷な労働環境なのは間違いないだろう。



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