メルボルンの治安について不安を感じたこと

カールトン庭園の王立展示館

メルボルンの治安については
実際に現地入りしてみて若干の不安要素を見つけた。

基本的には整然とした街だし、
特に荒れている感じはしない。

むしろのんびり歩ける印象。

しかしながら、滞在中たびたび見かけたのが、
オーストラリア人の男が大声を上げる場面。

言い争いのような場面もあれば、
悪ふざけであることもあったが、
後者が中心だった。

もしくは精神に異常をきたしているのか、
薬物中毒者と思われるような人相の人物か。

ケアンズやシドニーではこうした光景は特に見なかったし、
オーストラリアのような先進国にしては
ずいぶん野蛮というか、
無駄にピリピリした空気が流れる瞬間に何度か立ち会った。

また、オーストラリアは伝統的に
白豪主義を取ってきたぐらいなので、
いまだにアジア人への差別も一部に根強い。

アジア人に対して侮辱的な言葉をかけてきたり、
罵声を浴びせてきたというケースも。

基本的には失業率も低くない国だし、
メルボルンのそこら中に
バーがあることからも飲酒量の多さがうかがえる。

そうしたことを考えれば、
大声ぐらいの蛮行は不思議ではないが、
夜ばかりではなく昼間からそんな感じ。

これはどうなのかと思う場面もあった。

ただ、そうは言っても夜道の一人歩きも
特に緊張感を覚えることもなくできるぐらいだし、
メルボルンの治安は悪くはない。

もちろんエリアを選べばという限定はあるが。

それを前提とした上で、
安心してばかりもいられないと感じただけで、
本当に危険なわけではない。

その点は誤解のないように付け加えておく。

たとえば、CBDと呼ばれる中心部は
まさにメルボルンの中央に位置するエリアで、
水族館や動物園もある。

このあたりは治安の良いエリア。

あるいはCBDから南に2キロほどのFizroyは
音楽やアート、ファッションのエリアとして知られ、
同じくCBDから4キロほどのSouth Yarraは
おしゃれなカフェや雑貨店が並ぶ。

また、ビーチ沿いの街で
高級住宅地のブライトンも安全なことで知られる。

ケアンズのように中心部から離れた途端、
人通りがほとんどなくなるエリアよりは
メルボルンの方が安全な感じはした。

もっとも、こちらもエリアによっては
似たような状況なので、
あまり違いはないのかもしれない。

中心部の大きさが違うだけで。

日本人のようにお金を持っているイメージがあって、
なおかつ体格的にひ弱だとターゲットにもされやすいはず。

やはり体付きが全然違うので、
いざ争いになったら決定的に不利になる。

それを見越してトラブルを仕掛けてくる相手がいたとしても
まったく不思議ではない。

むしろ自然ですらある。

このようなデメリットは、
メルボルンやオーストラリアに限らず、
ヨーロッパやアメリカ等でも言えること。

これは以前にも感じたところ。

相手が武器を持っていないとしても、
肉体的に劣っているというのはプレッシャーになる。

逆に言えば、
東南アジアなら日本人でも体格的に負けはしないので、
その点で不利な状況を解消できる。

ただし、経済的な格差はますます大きくなるので、
その意味で狙われやすくなってしまうが・・・。

色々な国を回っていると、
徐々に治安についてのアンテナが磨かれていく。

やはり比較対象があると分かりやすいし、
見るべきポイントも自然に身についてくる。

不穏な空気には敏感になる。

その感覚からすると、
シドニーよりはメルボルンの方がいくらか危険な感じがした。

これは直感的な話で、
統計的にデータを取ったわけではないし、
確たる根拠や裏付けを持っているわけでもない。

あくまで私の勘。

どちらの街も海外の中では安全に暮らせる街だし、
その意味ではシドニーもメルボルンも移住先としてあり。

治安を考えてみても、十分に合格点だった。


ただし、郊外の場所によっては
危険なエリアもあるのがメルボルン。

CBDから出ても、
先程のSouth YarraやFizroyの例のように
安全な場所もある。

ただし、一般にメルボルンは郊外へ出ると
西側に危険地区が多い。

たとえば、フッツクレイ(Footscray)や
サンシャイン(Sunshine)、セント・アルバンズ(St Albans)。

これらの地域は危険なことで知られ、
犯罪率が高いことで地元民も敬遠しがち。

近年ではフッツクレイは人口が増加傾向にあり、
明るい兆しが見えてきてはいるものの、
こうした地区は不景気等の経済動向や社会情勢次第で
急に治安が悪化することもあるので要注意。

特に住む場所として選ぶなら、
フッツクレイは避けた方が無難。


ほかにもアフリカやベトナムからの移民が多く、
凶悪犯罪の多いフィッツロイも危険な地区。

ブランズウィックコリンウッドも
犯罪が多発するエリアとして知られる。

こうした郊外には旅行者はあまり行く機会がないと思うが、
むやみにブラブラしていると
運悪く偶然通りかかることもある。

車やバイクだとしても安全とは言えないので、
事前に下調べをしてから
メルボルン近郊のドライブ・ツーリングを
楽しむほうが安心。


市内で言えば、夜のキングストリートは危険で、
ひったくりや恐喝、強盗なども起きている。

また、キングストリートのバーでは
お酒に睡眠薬を入れられての性犯罪の被害も報告されている。

特に見ず知らずの人に
お酒や飲み物をおごられるのは危険。


サザンクロス駅周辺も夜は暗く、
ひったくりや暴行が起きている。


同様に夜になるとライゴンストリートも安全度が下がり、
酔っぱらいに絡まれたり、
ライゴンストリート周辺はイタリア人街である関係もあって
イタリア系マフィアの抗争が報道されたり。


スミス・ストリートは薬物中毒者が集まる場所で、
お金をせびられることも。

メルボルンは昼と夜でだいぶ治安に差があるし、
特に日付が変わる頃にはめっきり街から人気がなくなるので
夜中まで遊び歩く際には注意が必要。

昼間は気軽に歩ける道でも
タクシーでホテルや自宅の前まで行かないと
危険という場合もある。

これから先、オーストラリアに住む可能性も出てきた。

今までは海外移住をしたと言っても、
マレーシアとフィリピンというアジアの中での範囲。

それがアジアという枠組みを出て、
さらには北半球を飛び出すのも面白い。

もっとも、そんな制約なんてあってないようなもので、
言葉尻の問題でしかない気もする。

ただし、オーストラリアへ移住した場合、
他の国への旅行が若干不便になりそうな気がする。

近くにはニュージーランドがあるものの、
それ以外はビーチが売りの国ばかり。

多様性に欠ける。

メルボルンからアジアに来るのは遠いし、
フライトの時間も長くなって体力を消耗する。

その点はオーストラリア移住の問題点になる予感がする。

もっとも、1年ぐらいならいいのかもしれないし、
四季の移り変わりもあるので
常夏の東南アジアよりも新鮮な気持ちが保てる可能性もある。

そのへんは実際に住んでみないと分からないし、
どちらにしても致命的な欠点になるわけではないだろう。


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