シンプルミニマムな海外生活で見えてきたもの

生きていくのに本当に必要なものは、どれだけあるのだろう?


そう問われてスラスラ答えられる人は、ほぼいないはず。

改めて考えて見ると、
私達の身の回りには多くの物がある。

とにかく多い。


特に引っ越しの時には、
荷造りをしながらそんな事実に直面する。

ダンボール10箱もあれば十分だと思っていたら、
20箱を超えそうになってしまったり・・・。

それでも、思い出があるとか、いつか使うかもしれないとか、
つい捨てるのを拒んでしまう。


私にとって転機となったのは、マレーシアに移住したことだった。

2つのバッグに入る荷物だけに収めたので、
必然的にこれまで所有していた大部分の物は処分することに。

それでも、この時は初めての海外生活だったこともあり、
割り箸とか変圧器とか、要らないものもあった。


そして2年後、マレーシアからフィリピンに移る時には
さらに荷物を減らすことができた。

パソコンは2台になってしまったが、
それ以外の要らないものは徹底的に処分した。

着替えとパソコン関係の道具、
あとは投資関係の書類ぐらいしか持たずにフィリピンへ行った。

家具や家電はコンドミニアムに付いているので、
自分で用意する必要はない。


極端な話、パスポートとキャッシュカードがあれば
生活することはできてしまう。

パスポートという国家間の移動のための道具と、
お金という交換価値のツールさえあれば不便はしない。


こう考えてみると、
本当に不要なものばかりに囲まれて暮らしていたと
今になって思う。

それは必要ないだけで無害、というわけではなくて、
体のよどみのように有害な気がする。

過去のある時点の状態に引き戻されて、
成長を阻害するという意味で。


そういえば、
中学時代に一時期本気で勉強をしてみたことがある。

2年ほどで飽きて、その後真剣に勉強をしたことはないが、
その時期に漫画を買うのをやめた。

あれば何度も読んでしまうから。


読み飽きて面白くなくなっているのに、
何となく惰性で読んでしまう。

部屋の中に漫画を置きたくなくなった。


物を持たずにシンプルミニマムな暮らしをしたいというのは、
あの頃の気持ちに通じるところがあるのかもしれない。

今まで忘れていたけど(笑)。


結局、その後、紙の漫画本を自宅に置くということはなくなった。

iPadを持つようになってから電子書籍で読むようになったので、
数百冊の漫画が(ひょっとして1,000冊以上?)
専用の外付けハードディスクの中に入っているが、
これだけあると退屈なのに同じものを何度も読むことはない。

というより、まだ全部読めていない。


身の回りの物だけではなく、
人間関係もどんどん絞って
人数より本当に尊敬できる相手だけに限定してきた。

この点は時期によって方針を変更する可能性はあるものの、
必要かどうかという意味で言えば
多くの人間関係が必要なわけはない。

浅い関係の人を増やすよりは、
深い関係を少数の人と築くほうがいい。


こうして、物質的にも人間関係でも、
シンプルに、そしてミニマムに移行してきた。


日本にいた時には、
身の回りがゴチャゴチャしていた感覚があった。

正確に言えば、
何だか落ち着かない感じがしていただけで
原因は自覚できていなかった気がする。


それが余計な物を捨ててみたら、
人生がずいぶんシンプルに感じられるようになった。


これから何がしたいのか、何が必要なのかも見えてくる。

別に自分が住むための自宅なんて要らないし、
(投資用の不動産は別として)
車もオフィスもブランド物の服も要らない。


とにかく自由に動ける身軽な状態を維持したい。

これは肉体レベルの欲求なのかもしれない。


私の食事量は女性並に少ないのに、
水は1日に3リットル以上は飲む。

意識的にというよりも、体が欲するので。

その結果、どんどん循環が起こる。


とにかく余計なものを体から排出することが優先で、
中に溜め込もうという方向性で体が活動していない。

そう考えると、
DNAレベルで刷り込まれた本能なのか?

その割に、家族の中でガリガリなのは私だけなのだが(苦笑)。


シンプルミニマムな暮らしをしたことで、
所有欲を出さなければ月に10万円程度で
それなりの暮らしができることも分かった。

フィリピンやマレーシアの地方都市なら
3万円程度の家賃で暮らせる。

安めのレストランで食事をするようにすれば、
月10万円で生きていける。


それでもプールぐらいは付いているので、
極貧生活というわけでもない。


別にそういう暮らしがしたいわけではなくても、
そのラインが見えれば安心につながる。

さすがに収入が月10万を下回ることは、
どう転んでもありえないので。


最低限のラインが見えて、
そこに上乗せをした場合の生活設計も金額と一緒に理解できる。

そうすると、長期的な人生計画も
いくつものシナリオを打ち立てて設計できる。


何となく今の生活を基準にするのではなくて、
最低限の生活を設定して、
その上に上乗せしていくことで他にも候補が出てくる。


それを見て、人生の選択肢は多い上、
思った以上に可能性に満ちていることを感じる。


よどみやしがらみを捨てて、
スッキリして見えてきたものがある。


ある意味、
メイクをゴリゴリにしてデビューしたビジュアル系バンドが、
年月を経て素顔で人前に出るようになるのと
似た感覚なのかもしれない。

本来の状態に回帰していくという意味で。


私は元々物欲が弱かったので
別に派手な生活をしていたわけでもないが、
それでも日本で普通に暮らしていた当時は
今よりも何倍も物があふれていた。

それが邪魔になっていたとは、
生活環境を大きく変える機会がなかったら
気付かなかったのかもしれない。


それにしても、
収入が増えて物が減るのは何年か前の感覚なら不思議だった。

増えたのは、
安心を確保するためのパスポートの中にある永住ビザの数と
ハードディスクの中の漫画の数、
あとは各地を回ったり様々な体験をしたことぐらい。

案外、他に欲しいものなんてないのかもしれない。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
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