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海外で年金生活をする意味はすでに変わった



かつては仕事を引退してから海外で年金生活を送ることによって、低コストで生きていけると喧伝されていた。

たとえば、三菱UFJ信託銀行のサイトでこんな記事を見かけた。

移住先としては、東南アジアのタイやフィリピン、マレーシアの他、インドネシアやベトナム、カンボジア、さらに言えば、台湾やオーストラリアに移住する人もいた。

しかしながら、そのイメージがいまだに引きずられている一方で、どんどん世界の情勢は変わっている。

例えば、オーストラリアの物価について考えれば、今では日本よりもずっと高くなっている。

これまでインフレが続いて物価が高くなってきたオーストラリアに対して、日本はデフレが長かったため、いつの間にか物価は逆転。

もし仮にオーストラリアに移住しようとすれば、普通のピザやハンバーガー等の食事をするだけでも、1食で3千円ぐらいは覚悟しておかなければいけない。

徒歩30分程度の距離の地下鉄に乗っただけでも、片道500円程度と、日本よりもコストがかかる。

あまり多くない金額で年金生活をするために支出を抑えたいのであれば、オーストラリアは夢のまた夢ということになる。

確かにオーストラリアは今でも移住先として人気国の一つではあるものの、実際にそこに移り住む人はそこまで多くはなく、憧れだけで終わる人が多い模様。

ビザの壁であるとか、物価のハードルによってかなりの人数は淘汰されている現実がある。

そして現地で就労しても思っていたような暮らしはできず、貧乏生活を余儀なくされることに嫌気がさして、別の国に向かった人の話も聞いた。

東南アジアはどうなのか?

私もこれまで、フィリピンやマレーシアに住んできた。

あるいはタイにも頻繁に行っているが、確かに当初は物価の安さに驚いたし、快適に過ごすことができた。

海外移住の中でも、新興国に住むメリットの一つはやはり生活費を下げることができること。

しかしながら、新興国というだけあって、当然ながら経済成長を遂げているし、インフレも継続的に続いている。

その中で物価は確実に上がってきているし、さらに円高から円安に切り替わったことによって、一気に風向きが変わった。

例えば1ドル80円だったころと比べると、1ドル120円になった段階で、ものの価格が1.5倍に感じられるようになった。

日本に住んでいる人は株価が上がったとか、不動産価格が上昇しているとか言っているが、ドルベースで考えた時にはそうでもなく、むしろ日本円が弱いことを、海外で暮らしていると感じる。

何しろマレーシアにしろフィリピンにしろタイにしろ、お金を払う時に円ベースに換算すると、5割増しぐらいになっているのだから、これはたまらない。

例えば、和食レストランで食事をすれば、1食あたり千円程度はかかる。

日本人は現地では外国人扱いになるわけだし、お金持ちの国民と見られているので、それなりにセキュリティのしっかりとした住居じゃないと安心して住むことはできない。

下手なところに住むと、空き巣や強盗等に入られかねないので、安物買いの銭失いということになる。

きれいでセキュリティのしっかりしているコンドミニアムに住めば、やはり家賃も月に6万円〜7万円程度はかかり、少しグレードが上がれば、家賃は月に10万円を越えることも普通にある。

ということは、年金生活を低コストで送りたい時に東南アジアを選んだところで、実を言うと、大きく生活費が下がるわけではない。

むしろ日本で地方都市に住んだ方が、コストを下げられる場合もある。

多くの場合、日本人が移住するのは、それぞれの国の1等地、またはそれに準じる場所なので、新興国の人件費が安いとか、現地の人の給料が安いといっても、彼らと同じ生活水準で暮らすわけではない。

そう考えると、結局まともな日本人として海外で暮らすのであれば、日本の地方で暮らすのと変わらないか、むしろコストが上がってしまう傾向にある。

ただし、海外ならではのメリットも

そうは言っても、これは単純に家賃の金額だけを見た場合の話で、もし新興国で暮らすのであれば、当たり前のようにジムやプールが付いているコンドミニアムに住むことができるし、場合によってはダーツとか、ビリヤード台等が共有スぺースに設置されていることもある。

実際私がフィリピンのマカティで住んでいたのは、そういったコンドミニアムだった。

10万円も家賃を出さなくても、そういったコンドミニアムに住めるということを考えれば、日本で年金生活をする場合よりも、明らかに住居の質は高いことになる。

また、新興国はそれだけ経済発展が著しく、首都の中でも活気のあるエリアは多国籍の料理を楽しむことができる。

日本でも、東京以外の町であれば、そこまで食の多様性がない都市の方が多いが、こういった点で、そこそこのコストで年金生活を最大限に楽しむという意味では、まだまだ海外は活用のしがいがある。

こういったことの他にも、フィリピンであれば、メイドさんを月に1万円から3万円程度で雇うことができるので、家事から解放されるメリットもある。

もし日本で住み込みのお手伝いさんを雇えば、月に30万円程度はかかるらしいが、これは多くの年金生活者にとっては、無理な負担であるはず。

しかし、月に1万円〜3万円程度であれば、払ってもいいと思える人も少なくないだろう。

ちなみに金額の幅は、メイドさんの質の他に、フィリピンの中でも、地域によって所得水準が様々であるということが原因。

例えば、フィリピンのマカティであれば、比較的メイドさんの給料も高くなるので、3万円程度になってくるし、これがセブ島であれば2万円ぐらいが妥当な金額になる。

一部の会社は、日本語を学んだメイドさんを育成したりもしているので、英語でのコミュニケーションで自信がないのであれば、そういった会社を選んで派遣してもらう手もある。

もっとも、メイドさんに頼む仕事はかなりの部分がルーティンだと思うので、コストが安いことを考えると、完璧を求めることはなく、そこそこに仕事をしてもらえたらいいと思っておく方が、精神衛生上は望ましい。

老後の挑戦としての価値

海外で年金生活を送るということの金銭的、経済的なメリットは薄れていると言ったが、それ以外の価値は依然として残っているし、実際私も当面日本に戻ろうとは考えていない。

特にリタイアメントをして急激に認知症が進むとか、人生にやりがいを感じなくなる人は多いが、新しく海外で暮らすようになって、それが刺激になったという人は多い。

実際問題として、海外に住んでいる60代、70代の人を見ていると、明らかに日本の高齢者よりも元気で活発な印象を受ける。

そういった人生を求めて海外に出るのも一つの選択肢だと思うし、年金だけに頼るのではなくて、例えば退職金とか、これまでのお金を上手に海外で運用して、生活費に加えていくことも一つの手段。

日本と違って、海外であれば貯金をしておくだけでも、年に6%の利子が付くとか、そういった銀行もあるわけなので、手持ちの資金をうまく使うことによって実質的な生活コストを下げることはできる。


本当のところを明かすと

どんな仕事をするか、どこに住むか、誰と付き合うか?

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