未来のことをあれこれ悩む性格だったので、
人生において不安は付き物だった。
これから先に何が起こるのか、
どんな問題に直面するかを考えると心配になる。
どうにでもなるという楽観的な性格の人とは
根本的な思考回路が違うのだと思う。
20代は将来のことを考えて焦り、行動し続けた期間だった。
これから先の人生の不安を少しでも解消するために。
たとえば、サラリーマン時代。
入社した会社で上司のパワハラにあい、
面識のない先輩社員達と同じように早々に退職を考えたものの、
再就職先や今後の経歴のことを考えて思いとどまった。
当時はサラリーマンとして給料をもらうか、
バイトをしてバイト代を稼ぐぐらいしか
お金の稼ぎ方を知らなかったので、
そんな狭い視野で物事を見ていた。
月給か時給で仕事をしてお金をもらうのが、
20代前半に持っていたパラダイムだった。
毎日が苦痛だったし、
後輩が入ってきた時も3ヶ月と続かずに辞めていった。
それでも将来の不安を考えると、
人生設計という名の自己保身で退職できなかった。
その後、独立した後にはビジネスを軌道に乗せることが第一になり、
サラリーマン時代の役員の報酬を超えた後も
ひたすら仕事をしていた。
一生働かなくても遊んで暮らせるぐらいの資産がないと
安心は得られないものだと思っていた。
これから先の人生には不安もある。
事故にあって仕事ができなくなるかもしれない。
常に健康でいられるかもわからないし、
むしろ人よりも体は弱い。
将来に恐怖や心配がないかと言えば、
そんなことはなかった。
そもそも、ビジネスの継続性について
最初から確信があったわけではない。
その時にできることを全力でやっていただけ。
そんな私だったが、30代になって人生観が変わった。
仮にビジネスが潰れたとしても、
なんとかなると思えるだけの地力は付いた。
新しい収入源を確保することは難しくないし、
生きていける程度なら不安を感じることもない。
とりあえず現在の資産で何年か生活水準を落とさずに暮らせるので、
その間に次のビジネスが作れないことはありえない。
人生に不安がなくなったのは、
当面の生活費の心配がなくなったことと、
自力で生きていける確信を持ったのが理由だった。
サラリーマンを続けていたら、
この確信を得るのは難しかったはず。
年齡が上がるほどに転職市場でニーズがなくなるわけで、
どれだけスキルを上げても不安が残る。
しょせんは他人に評価される世界なので、
能力だけでやっていけるわけでもない。
そして、他人との出会いには運の要素もある。
上司によって職場がストレスに満ちたものになることは、
サラリーマン時代の経験でも痛感している。
そして、どれだけストレスや理不尽が横行しても、
会社を辞めたら次の仕事が見つかるかわからない状態では
耐えるしかなくなってしまう。
このようなストレスが原因で、
気持ちも身体も健康から遠ざかってしまうことも。
そう考えると、個人で生き抜ける力を持てたのは
私にとって最適だったのではないかと思う。
他人のお仕着せには昔から抵抗があったし、
自分の人生をコントロールできるようになりたいと思っていた。
その上で失敗したとしても、後悔はしなくて済むはず。
少なくとも、他人の指図で生きて
取り返しのつかない年齢になるよりは。
今は日々の生活の中で、将来の不安を感じることがなくなった。
生きていくコストの安いマレーシアやフィリピンでの
移住生活を体験したことも大きい。
月に10万円もあればそこそこの暮らしができるので、
大きな稼ぎが得られなくなっても
人生が悲惨なものになるわけではないと実感できた。
知識や経験が増えていくほどに選択肢が増えていく。
稼ぐチャンスも増えるが、
生活レベルを下げずに支出を抑える知恵も身につく。
漠然として人生の可能性ではなく、
具体的な施策レベルで対処法が増えていけば、
問題が生じても対応できる。
それが将来の安心感につながっている。
これからの人生に不安を感じないということは、
それだけ「現在」に集中できるということ。
20代の頃にはなかった感覚があるからこそ、
各国を飛び回りながら好き勝手に暮らしていられる。
その感覚は当面揺らぐこともなさそうだし、
今のうちにより多くの経験をしておければと思っている。
数年先まで暮らせる余裕を
独立し、海外に移住して変わったことは、収入は増えて支出は減ったということ。
私の場合は豪遊したりすることもなかったので、
収入と比例して出費が増加することはなかったし、
日本を離れてからはその傾向が加速した。
何しろ生活費が安いわけなので。
そのため、向こう数年というか、
そこそこ節制するという前提なら10年以上は
問題なく生きていけるだけの資産ができた。
将来や人生に不安を抱えている人の場合、
少なからず仕事やお金の面で心もとない思いをしていたりする。
しかし、仮に失業して数年間収入が途絶えても
平気で暮らしていけるようになってしまうと、
心配から解放されることができる。
恐怖を抱いていれば、
そこにフォーカスしてしまうのが人間の心情。
まずは安心感を得ることによって、
冷静に様々な生き方を模索することができる。
お金よりも重要な時間という資源を無駄なく活用するためにも、
不安から解放されるというのは重要なことになる。
不安の種は分散する
投資の世界の格言として、「1つのカゴに全ての卵を入れるな」というものがある。
つまり1つの案件に全資金をつぎこむような
ハイリスクなことをしてはいけないということ。
これは投資以外のことについても言える。
たとえば、収入源が会社だけだったら、
リストラや倒産によって路頭に迷うことになる。
事実、そうした人は大勢いる。
また、経営不振による賃金カットやボーナスカットでも、
マイホームの住宅ローンを払えなくなったり、
子供の教育費に困ったりすることも。
収入源が1つしかない人生は、
大きなリスクを背負った賭けになってしまう。
しかも自分でコントロール出来ない部分が多ければ、
ますますリスクばかりが大きくなる。
人間関係にしても、1人の人にすべてを託す状態は
どうしても不安が大きくなる。
たとえば友人が1人しかいなければ、
その存在は嫌でも大きくなる。
ある程度意識を分散できる程度、
大人数である必要はないが、
やはり気持ちを支えてくれる人は複数いたほうがいい。
資産も当然分散しておく必要がある。
例えば、日本円での資産しかなければ、
円安になっただけで価値が損なわれていく。
だからこそ、私は8ヶ国に資産を分散している。
ここまですれば、為替が動いても怖くない。
特定の国のカントリーリスクを背負いすぎることもない。
人生の不安を取り除くには、
コントロールできているという感覚(と事実)を持つこと、
そしてリスクを分散することが効果的。
実際、その2つが備わってからは、
将来に必要以上の恐れを抱くことがなくなった。
長期的な視点と現在への集中
人生に不安を感じる理由として、これから先の将来が漠然としていることが挙げられる。
動物の本能を越えて長生きするのだから、
病気や経済的な問題等も含めて
自分の生き方をコントロールすることに
自信を持てないのも自然なこと。
そんな時には、
まず具体的に不安なことを書き出してみると、
散らかっていた頭の中が整理される。
色々なことを考えていたつもりが、
実は原因は1つだと気づいたりすることも。
その上で、長期的な視点をもって
小さな失敗に目くじらを立てないようにすると、
余計な緊張や恐怖で行動が制限されなくなる。
人生は減点方式で採点されるわけではないし、
何かの分野で成功した人は
すべからく数多くの失敗を経験している。
修復可能な範囲の失敗なら
挑戦の勲章ぐらいに思っておけばいい。
その上で現在に集中すれば、
気持ちもコントロールしやすくなる。
長期的な目でライフプランを立てる時間と、
今目の前にあることに集中する時間を別にすると、
それぞれが中途半端にならない。
習慣で不安はコントロールできる
気持ちが焦ってしまっている時には、一度仕事や思考の手を止め、
できるだけ感情を止めてみる。
具体的には、目を閉じて深呼吸をする。
この時、考え事はしない。
いわゆる瞑想に近い状態だが、
別に座禅を組んだり、お香をたいたり、
数十分も続ける必要はない。
1分〜2分この状態を続けると、
案外感情はすっきりするもの。
それだけに、普段はいかに感情が乱雑な状態で
生活しているか気付かされる。
小さな目標を作り、
日々を過ごすのも不安の解消に効果的。
これは仕事の面でもいいし、
健康的な習慣としてストレッチをするとか、
そういったことでもかまわない。
ここで重要なのは、
体重を10キロ落とすように困難な目標や
結果に対してコミットしないこと。
あくまで行動に焦点を当てる。
結果は外部要因に左右されるが、
行動は自分の意志で継続しやすい。
そのため、成功体験が積み重なって、
不安解消の効果が期待できる。
ついでに言えば、
スクワットのような筋トレをすれば、
アドレナリンが出るので感情が前向きになる。
鬱の人は部屋が汚いことが多いが、
きれいに掃除をすることは心の状態を
整然と保つことにもつながる。
そのため、寝起きする部屋を整えるのも
過剰な心配や恐怖をコントロールするのに効果的。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
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