会社勤めの経験から、日本で働きたくないという気持ちは私にもあった。
サラリーマン時代のように
どの会社もパワハラが当たり前のようになっていて、
同族経営で出世の見込みが一般入社だとほぼなく、
ある日突然の解雇が日常茶飯事だとは思っていない。
あれは私の勤めた会社が特殊であり、
異常な部類にはいるのだとは分かっている。
それでも、日本で働きたくはないと思ってしまった。
もっと言えば、他人に雇われて給料をもらうこと自体、
安定感が欠ける。
一般的に言えば、サラリーマンこそが安泰な道で
起業家や投資家は不安定と思われがち。
しかし、企業が当たり前に倒産し、
経済の先行きが不透明な時代において
母体となる会社を信用すること自体がナンセンス。
そうなると、他人に運命を握られるのは
あまり賢い選択には思えない。
日本型の縦社会や中途半端に残る年功序列も
私の嗜好には合わなかった。
そんな思いもあり、
日本を出て暮らすことにした。
私も海外生活が6年以上になったし、
周囲に移住仲間も増えた。
彼らの中には、タイやフィリピン、ベトナム、
ドイツ、アメリカ等で駐在員をしている人もいれば、
独立して海外で仕事をしている人もいる。
あるいは、日本で会社を保有しながら、
それぞれの社長に実務を任せてシンガポールに住む人もいる。
日本で働きたくないという感情が
仕事への嫌悪ではなく環境の問題だとしたら、
主に3つの選択肢がある。
選択肢1:起業
まずは自分で起業する方法。
最初から海外を舞台にしておけば、
問題は解消される。
ただし、手に職もないのに起業というのはハードルが高い。
国によってルールも違うので、
一人ですべてをやっていくのは難しい。
コンサルタントを付けるとか、
もしくは地元で人脈を作る必要がある。
国と業種によっては初期資金がとても安いので、
日本で働きたくないのであれば、
大きなリスクは背負わずに挑戦するとのもありかもしれない。
もちろん、市場環境は国によってまったく違うし、
安易に和食レストランを開けばいいというものでもない。
どの国であっても、起業であることに変わりはないので、
そこまで甘いわけはない。
たとえ消費の盛んな新興国であっても。
事実、バンコクは和食レストランが乱立し、
とりあえず開店すれば繁盛するような時代ではなくなっている。
たとえば、プロンポン駅付近は、
和食レストランの激戦区の1つ。
選択肢2:現地就職
2つ目の選択肢として、海外で現地就職をする方法が挙げられる。日本で働きたくない人が真っ先に思いつくのが、
この選択肢ではないかと。
ただし、この方法は基本的に薄給になる。
新興国で働くとなれば、
現地の人よりは高給取りであるものの、
外国人価格で生活するには厳しい。
たとえば、フィリピン人は月に2万円で生活できても、
日本人ならやはり10万円程度はかかる。
この目測を誤って
現地で働き始めてから後悔する人は少なくないし、
実際フィリピン等で現地就職した人の離職率は低くない。
この事情はオーストラリアにおいて
飲食店やツアーコンダクターとして働く場合も同様。
かなりカツカツな懐事情だと聞く。
比較的ハードルは低いものの、
働き始めてからが大変なことは覚悟しておく必要がある。
また、駐在員がマネジメントを行い、
現地採用の社員はその下に付くと決めている会社もあり、
長く勤めたからといって将来の展望が開けるとは限らない。
なお、現地採用で働く日本人の勤続年数は
相当に短いというのが実感として感じるところ。
選択肢3:駐在員として海外勤務
3つ目の方法は、駐在員として海外で働くこと。この場合、日本で働きたくないという思いを持ちながらも、
まずは国内で就職する必要がある。
そこから海外に派遣されるのが駐在員で、
この場合は現地就職よりずっと有利な待遇になる。
日本国内と同等の給料がもらえ、
住宅は基本的に現地の高級物件を会社が借りてくれる。
他にも手当がつくので、
国内で働くよりも経済的に豊かになれる。
ただし、働きたくない国に派遣されるリスクもあるし、
時期を選ぶこともできない。
そもそも、駐在員になれるかどうかの保証もない。
バンコクで働く友人Teruは、
元々海外勤務の前例のない会社にいた。
その会社が国外に向けて市場を拡大するのに当たり
彼に白羽の矢が立ったことになるが、
事前に予測できたことではない。
彼のキャリアパスには、
バンコクでの勤務は存在していなかった。
彼はタイが気に入ってバリバリ働いているし、
今の生活が気に入っている模様。
しかし、一歩間違えれば駐在員は
不本意な転勤でしかない。
住みたい国に住めるわけではないため、
この点のデメリットは大きい。
特に人件費が安い国に製造業等で進出する場合、
基本的に日本よりもインフラがずっと弱い。
生活環境も整備されていないことが多く、
中国の北京や上海、深センに住む
駐在員の人たちと会ったこともあるが、
人によっては中国での暮らしを受刑に例えていた。
肌に合わない国だとそんなことになるため、
一概に駐在員が有利とも言えない。
突発的な人事もあるので、
自分の意思で選べないのが駐在員の問題。
比較的海外勤務が多い会社を選ぶ手はあるにしても、
日本で働きたくないからといって
意思を尊重してもらえるはずもなく、
あくまで会社の都合が優先される。
それぞれの方法に長所と短所があるし、
置かれた状況によってもどれが向いているかは変わってくる。
もう働きたくないと思いながら、
何十年も生活のために仕事を続けるのは辛い。
私も日本でサラリーマンをしていた時には、
まさに生計を立てるためだけに通勤していた。
やり甲斐も将来の夢も希望もない状態で。
独立してから仕事観も変わったし、
今では働くことが楽しくなった。
そして、仕事が場所にとらわれないおかげで、
海外に出ることもできたし、
最初は3年以上日本に戻ってはいなかった。
そういった選択も、第4の方法としてありなのかもしれない。
結局誰かに依存していることが、
コントロールを失っているという意味で一番のリスク。
積み重なる経験もたかが知れている。
働きたくないという思いの根源は、
仕事をすることが嫌いというよりも、
やりたくないことをやらされていたり、
望まないプロセスや環境に苦しめられているから。
自分で物事を決められるようになったら、
実は仕事自体は楽しいものだということに気付いた。
おかげでフィリピンに住んでいる時に
一度セミリタイアをしてみたこともあったが、
退屈すぎて2ヶ月たたずに復帰した。
今では仕事がある方が人生は楽しいとすら思っている。
労働環境を変えたら、仕事観まで変わった
サラリーマンの時には、尊敬できない上司の下で働いていた。
スキルも大して身につかない仕事で、
未来の見通しもなかった。
その状態で望んでいたのは、
アーリーリタイアだった。
しかし、独立して自分で仕事をするようになってから、
仕事に対するコントロールができる環境が整ったし、
日本の労働システムとも無縁になった。
この状況において、
仕事はもっとも達成感のあるものになった。
各国を旅して周ったり、
マレーシアやフィリピン、台湾で暮らしたりしてきたのは
もちろん刺激的だし、
時にアドレナリンが放出される。
とは言え、日々の仕事が楽しみになったのは
毎日の生活の質を上げるうえで大きかった。
私は海外に移住したこと以外に、
そもそもサラリーマンでいることを辞めて
独立したというのが労働環境を変える上で大きかった。
これから先、
日本でも海外でも、
他人に雇われて働くことはないのだろう。
かつてのように仕事に対して
ネガティブな感情を持つ人生に戻りたくはないし、
重めの花粉症の私が日本に住んでいるのは
生産性の面でも快適さの面でも望ましくない。
活躍しやすい場所に移動できる力を持つと楽になるし、
今後の人生の選択肢も広がった。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼントすることにした。
電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ。
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