海外移住に永住権が必要ない理由

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メルボルンのカフェ
永住権なしで海外移住をするというのは、
一部の人にとっては意外なようだが、
実際には一般的なこと。

たとえば、現地で就職したり、
駐在員として派遣されている場合には
ワーカービザ等の非雇用者としてのビザを取得する。

要件を満たして働いている限りは
このビザを更新し続けることになる。


香港のように、法的に有効なビザを維持して
一定期間暮らすと永住権をもらえる場合もあるが、
それはまた別の話。

ちなみに、香港だと7年となっているが、
これまでの各国の歴史を見てみると、
この年数が途中で変えられることもあり、
永続的な制度として残り続けるわけではない。

大抵は取得しづらい方向に動くので、
その点はあまり楽観視できないところ。

なお、香港はこのような制度があるため、
駐在員として派遣されている期間が長くなってくると、
永住権の取得が見えてくる。

しかし、7年も駐在として香港のみで仕事をすることもまれなので、
結局は日本に呼び戻されたり、
別の場所に赴任させられることも多い。

あと数年で香港の永住権というチャンスをものにするため、
そこで退職して別の企業で働く人もいる。


また、リタイアメントビザで海外移住をする人も多い。

むしろ50歳以上ならリタイアメントビザを取れる国が多いので、
こちらの選択をする人の方が多いだろう。

永住権に比べると権利として持続性に乏しいのが難だが、
特定の国に是が非でも住み続けたい場合以外は
この選択肢で問題ないのではないだろうか?

たとえば、私が持っているリタイアメントビザに
マレーシアのMM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)がある。

こちらは10年更新になっていて、
途中で預託金の金額が変更になる可能性は十分にある。

マレーシアの大臣も、
定期預金額を大幅に引き上げる旨の発言をしており、
取得から10年後も今の基準が維持されるかは不明。

どちらにしても、
永続的に権利が保証されるわけではない。


しかし、仮に海外移住先としてマレーシアを選んでいて、
リタイアメントビザが無効になったら終わりだろうか?

その時には他のビザが用意されているかもしれないし、
マレーシア以外に住む選択肢もある。

特に50代以上の年代なら、
タイでもフィリピンでもインドネシアでも
現在の制度ならリタイアメントビザが簡単に取れる。

わざわざ永住権を取るのは大変な国でも、
リタイアメントビザなら取得が容易。

それでもいいのではないかと。


たしかに1つの国に一生住みたいということなら
永住権を取得するのがベストな選択になる。

しかし、海外移住をしたからと言って、
1つの国に身を捧げなければいけない義務もない。

実際に海外に出て生活し、
さらに色々な国を見て回ると、
どこかの国にこだわる必要性を感じなくなってきた。

マレーシアでリタイアメインとビザを取ったり、
フィリピンで永住権(クオータビザ)を取得したりしたが、
それは将来の保険としての位置づけ。

日本以外にも常に住める国を確保するのが狙いで、
どちらかの国に一生住もうという趣旨ではない。

事実、今は2ヶ月後の台湾移住を控えている状態。

台中で1年ほど暮らしてみることを予定している。


どんなに良い国でも、
住んでいれば多かれ少なかれ飽きるもの。

わざわざ骨を埋める覚悟を決める必要もないし、
特に仕事を引退して年金生活を海外で送るような場合は、
仕事上の都合でどこかの街にいなければいけないこともない。

リタイアメントビザを色々な国で取りやすいので、
安定的に数年間住む国を確保するのも難しくない。

その中で、あえて永住権にこだわる必要はないだろう。



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私が永住権を取った理由

ホイアン
海外移住に永住権が要らないのなら、
なぜ私は取得したのか?

まず、私は現在30代で、
生きている間に日本に大きな問題が起こる可能性も十分にある。

たとえば首都圏を直下型の地震が襲えば、
経済に著しいダメージを与えることも危惧される。

日本の経済力が弱まれば、
パスポートの信頼度も落ちることになる。

そうした未来も可能性の1つとして想定すると、
パスポートの信用力に頼らないで
海外で暮らし続けるための準備をしておきたかった。


当面は帰国して日本で暮らす予定もないし、
1つ1つの国はあまり長くないスパンで
色々な国を周りながら暮らしていたい。

仕事による場所の制約はなくなったので、
どこにいても収入を得ることはできる。

そうなった時に、
日本以外でも確実に身を寄せられる場所を確保したかった。

それがマレーシア在住時に取得したリタイアメントビザであり、
その後フィリピンで申請して取った永住権。

フィリピンだと、マニラ(マカティ地区)とセブに住んだ。

しかし、一生住み続けるつもりは最初からなかった。

ただ、人口動態を見ても確実にこれから経済が伸びる国な上、
永住権の取得難易度が異常なほどに低かった。

日本人に割り当てられている枠が年間50人なので、
その点で最近は少々厳しくはなっているようだが、
国際的な取得難易度の標準に比べて圧倒的に取りやすい。

今のフィリピンはまだまだ経済も弱く、
地方に行けばインフラ整備の程度も甘い。

しかし、これからの成長が確実視される以上、
今のうちに青田買いしておきたい。

投資家として言えば、
安値のうちに買っておきたいという気持ちになった。


住環境が整ってくれば、
当然永住権の取得ハードルは一気に上がる。

今のように5万ドルを海外から送金し、
数ヶ月フィリピンの銀行に預けておいただけで
資金面の要件を満たすような制度はなくなるだろう。

先進国なら、数千万円台後半から億単位の資金を
要求される場合もある。

いかに大きな違いかは一目瞭然だろう。


私が永住権を取ったのは将来に向けての戦略であり、
海外移住に必須だからではない。

年齡や取得予定のビザの種類、
今後の展望によって永住権の必要性の有無は違ってくるので、
先入観でなければ困るとは思わないほうがいいだろう。


なお、永住権をとっても国籍は変わらないし、
日本人であることに何も変化はない。

国籍が付与されるのは市民権で、
この場合は原則として国籍変更を伴う。

本来、市民権は新しい国籍が与えられるもので、
仮にドミニカの市民権を取得したとしたら、
元の国籍とドミニカの国籍の両方を持つことになる。

国によってはこれが認められているが、
日本では法律的に二重国籍は認められていない。

そのため、市民権を取るのに際して
日本国籍を捨てなければいけないルールになっている。

実際には二重国籍のケースもあるようだが。


なんにしても、
永住権は国籍とはまったく関係ないので、
単なるビザを取得したのと同じように考えていい。

取得してデメリットがあるものではないので
必要なら取ればいいし、
海外移住して数年住みたいだけなら他のビザでもいいだろう。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ

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