多くの観光客を集めるスリランカの治安や物価が
今回のテーマ。
元々、2009年5月までは25年以上も内戦が続いており、
かつては危険な国という位置づけだった。
ベトナムやカンボジア、コソボ、バルト三国辺りに比べると
過去のきなくさいイメージは薄い気がするが、
実は比較的最近まで内戦をしていた国。
一方、現在は観光立国としての側面を見せ、
年間の外国人旅行客は130万人を越える。
アジアばかりではなく、
ヨーロッパから来る人も多い。
物価も上がっており、
去年はコロンボのコンドミニアムに
投資するか検討している人にも会ったが、
すでに一部屋が1,000万円近かった。
そして、スリランカの治安上の注意点や犯罪の手口は
タイとブルガリアとインドを組み合わせたかのよう。
たとえば、トゥクトゥク(スリーウィーラー)のドライバーは
コロンボにおいても宝石店やその他の紹介料がもらえる店に
あの手この手で連れて行こうとする。
これはバンコクのトゥクトゥクとまったく同じ。
彼らが案内する店にろくなものはないと思った方が無難。
中には良心的なドライバーが
純粋な善意で紹介している場合もあるかもしれないが、
確率論的には圧倒的に悪質な可能性が高い。
店の中に入ると、
買うまで帰さないという態度を取られたケースも報告されている。
スリーウィーラーは料金についてもトラブルが置きやすい。
メーターが付いている場合もあるが、
ない場合は乗る前の料金交渉が必須。
自称ガイドが次々に寄ってきて、
最終的に高額なガイド料を請求してくるのは
インドでよく見かける手口。
これと同じことがスリランカでも行われている。
隣国なので似たような犯罪が行われているのは納得。
バスに乗っていると、
女性は身体を触られるという被害も。
外国人旅行者がコロンボでバスを使うことは
あまりないとは思うが、
もし乗るなら注意が必要。
混み合っている場合、
当然スリの可能性も考慮しておく必要がある。
ホテルに荷物を置いておく際も、油断できない。
たとえ5つ星ホテルであっても、
スリランカでは部屋の中に置いておいた物を
盗まれる被害が起きている。
実は、まったく同じことをブルガリアの4つ星ホテルで経験した。
私が盗まれたのはパソコンで、
スーツケースの中に入れておいたのを盗られた。
ホテルのポーターが部屋に入っていたので、
状況証拠的には彼が犯人だろうし、
部屋の前には防犯カメラがあって出入りした人物も特定できるはずだが
警察に被害届を出しても犯人探しは行われず。
ホテルぐるみの犯行だったのだろう。
セキュリティボックスに貴重品を入れるのも1つの手だが、
安全上は限界があるのも事実。
何しろホテル側がセキュリティボックスのマスターキーを持っているので、
設定した4桁の番号が分からなくても簡単に開けられる。
とは言え、部屋に入った清掃員等が
この鍵を持っていなければセキュリティボックス内は安全なので、
テーブルの上に物を放置しておくよりは安全。
あるいは鍵がついたスーツケースに入れておく手もあるが、
これも鍵を解錠できる器具もあるし、
そもそもスーツケース自体を盗まれたという話もあるので
万全の体制とは言えない。
貴重品を持ち歩くのもスリや強盗のリスクがあるし、
部屋に置いておくのも安心できないのは
二律背反の悩ましいところ。
治安の悪い国で一番の防衛策は、
やはり最低限のものしか持ち込まないことだろう。
スリランカの首都、コロンボで危険な地域としては、
まずフォート地区が挙げられる。
ここはスラム街ではなく、ホテルが並ぶエリア。
自称ガイドやスリーウィーラーの運転手が
声をかけてくる。
外国人旅行者を狙ったうさんくさい人物が多い土地なので、
フォート地区では用のない相手は
とにかく無視するのが一番。
スリーウィーラーを時間単位でチャーターすることもできるが、
当初聞いてきた金額の数倍を
平気で請求してくる悪質なドライバーも。
しかもスリランカ人は簡単には引き下がらないし、
むしろ脅してくるような態度を取ることも。
さすがインドの隣国。
理屈や正当性が通じない相手がゴロゴロいるので、
不用意に近づかない方が賢明だろう。
スリランカの国内移動でフォート駅を移動する場合、
駅内で案内をしている人物に要注意。
声をかけてきてチケットを見せるように言われたので見せたら、
勝手に案内をしてきたりする。
親切な人かと思いきや、
本来は必要もない数分の案内だけで
1,000円近く請求してきたりする。
コロンボのフォート駅だけではなく、
これもブルガリアのソフィアで見た手口。
なんだかデジャブを味わっているような気分になる。
こうした詐欺まがいの手口も国境を越え、
世界中に伝播しているのを感じる。
不愉快な気分を味わいたくないなら、
フォート駅で案内に近づいてくる人物がいたら
はっきり断っておくのがいいだろう。
コロンボから南のマウント・ラビニア・ビーチに行った場合、
北側にフィッシャーマンビレッジというスラム街があるため、
うっかり近づかないように気をつけたい。
また、マリーンドライブのあたりは
日中には多くの人がいて問題ないエリアなものの、
夜には人通りが少なく、不穏な若者の集団も見かける場所に変貌する。
コロンボで治安が悪いエリアは、13区,14区,15区。
このあたりはスラム街になっている場所も多く、
犯罪率が高いことで知られる。
外国人が近づくのは昼間でも推奨されない場所で、
位置的にはコロンボの北部。
マフィアがらみの事件も起きているので、
旅行中にうっかり迷い込まないようにしたい。
スリランカの物価を検証
スリランカでローカル系のレストランに入ると、物価の安さを如実に感じる。
ベジタブルカレーが100〜150ルピー、
チキンカレーが200〜270ルピー、
パリプワデーが15ルピー。
このあたりはインド並の物価水準で、
東南アジア諸国と比べても安い。
外国人向けの簡素なレストランだと一食600〜1200ルピー。
きれいなカフェでマキアートを頼んで470ルピー、
ビールが380ルピー。
カルギルスやアルピコのようなスーパーでは、
1.5リットルのミネラルウォーターが85ルピー、
ライオンラガー(ビール)が145ルピーだった。
コロンボ市内の交通費関連を見ていくと、
タクシーは流しで走っている車が少ないため、
原則として電話で呼ぶことになる。
メーター制になっており、
初乗り料金は96ルピーで、3キロ以降は1km走るたびに34ルピー。
コロンボ市内の移動なら、
大抵の場所に400ルピー以内で移動できる。
市内から空港までタクシーを使うと、3,000ルピー前後。
空港からエクスプレスエアポートバスを使うと、
終点まで45〜60分かかり、料金は110ルピー。
メーターが付いているトゥクトゥクの場合、
初乗りが50ルピーで、900メートル以降は100メートルごとに4ルピー。
メーターがない場合は交渉制となる。
レンタカーを借りて自分で運転する場合、
1日あたり3800〜8300ルピー。
バスでコロンボからキャンディーに行く場合、
140ルピーで、所要時間は3時間〜4時間。
コロンボのホテル代は、
5つ星のGalle Face HotelがGalle Face Hotelが12,411円、
Jetwing Colombo Sevenが10,199円。
4つ星のOZO Colombo Sri Lankaが14,271円、
Fairway Colomboが8,115円。
3つ星のBongo Stayが2,995円、
My Holiday Ticketが2,479円。
スリランカでアーユルヴェーダの施術を受けたい場合、
本格的に行うなら3週間程度は必要。
気が向いた時にシーロダーラを受けたりはできるが、
本格的な施術となると時間がかかる。
この場合、朝晩にヨガを行ったり、
油を垂らされた頭を洗うのを禁止される期間があったり、
話すことや読書を禁止されたり、
かなり制約も多い。
そのため、気楽なリラクゼーション気分で行くと、
ハードな内容に唖然とすることになる。
本格的な施設が集まるベントタ周辺で費用の例を挙げると、
Barberyn Reef Ayurveda Resortが一泊190ドル、
Paradise Islandが125ドル、
AIDA Ayurveda Hotelが150ドル、
AYU PIYASAが215ドル、
Heritance Ayurveda Maha Gedaraが245ドル。
もっと手軽にアーユルヴェーダの施術を受けたい場合、
老舗のSiddhalepa Ayurveda Spaでは
6時間で18,000ルピーのコースが用意されている。
根本的な治療には不十分でも、
リラックス効果やストレスの緩和には役立つ。
White by Spa Ceylonなら短いコースは45分から、
施術料も4,500ルピーからと手頃だし、
スリランカには様々な施設が用意されている。
ただし、アーユルヴェーダとは名ばかりの
素人のマッサージ店もあるので要注意。
観光スポットの入場料から物価を見てみると、
まずはコロンボのデヒワラ動物園が2,000ルピー、
コロンボ国立博物館が600ルピー、
シーマ・マラカヤ寺院が200ルピー、
キャラニヤ寺院やベイラ湖が無料。
コロンボ以外の地方にも目を向けると、
ダンブラ石窟寺院が1,500ルピー、
キャンディ仏歯寺が1,000ルピー、
ホートン・プレインズ国立公園が25ドル、
ビンナワラのゾウの孤児園が2,000ルピー。
スリランカは8つの世界遺産を有する国のため、
観光が目的ならコロンボ以外の地方にも足を伸ばしたいところ。
時間を有効活用したいのなら、
現地ツアーを利用する手もある。
たとえば、
3泊4日の日程で世界遺産のシーギリヤ、ダンブッラ、
ポロンナルワ、キャンディ、象の孤児院を周るツアーは483ドル。
シーギリヤとダンブッラ黄金寺院を
日帰りで周るツアーなら171ドル。
スリランカ現地の物価を離れて
日本からの航空券の費用を調べると、
東京とコロンボの往復で最安値を探したら
スリランカ航空の直行便が101,957円だった。
所要時間は片道約9時間。
コロンボにはエアアジアも就航しており、
クアラルンプールとコロンボの往復は
直行便で16,845円から。
圧倒的に安い。
東京から大阪までの新幹線の
片道の運賃に若干上乗せ程度の金額で
マレーシアとスリランカを往復できる。
時間としても3時間半程度なので、
東南アジアからついでに足を伸ばせる距離。
あるいは中東とまとめて周る手も。
日本からはかなり距離があるだけに、
時間に余裕のある旅なら他の場所と効率よく周りたい。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼントすることにした。
電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ。
電子書籍のプレゼントページへ