インドの物価や治安面での注意、危険エリアについて

今回は不思議の国、インドの治安や物価について。



バックパッカーや駐在員を含め、
毎年多数の渡航者を出す国であり、
ヨガやアーユルヴェーダ、仏教の発祥の国でもある国。

一方で性犯罪の多さや現在でも残るカースト差別、
またアファーマティブ・アクションによる逆差別も
取り沙汰されるところとなっている。

アファーマティブ・アクションは
差別される対象の弱者を救済するため、
大学の入学や企業の就職において
意図的に優遇策を設けること。

アメリカでは人種等にもとづいて行われるが、
インドでは下位カーストに対して実施されており、
結果的に下位カーストの方が有利に働く場面もあるため、
あえて下位カーストであるかのように偽装する例も。

かつては自分のカーストを上位に偽る人がいたが、
現在はアファーマティブ・アクションによる優遇を目的に
逆の行為も行われている。

女性は穢れた性とされているため、
レストランでもウェイトレスはほとんどおらず、
男性のウェイターばかりであるのも周知の事実。

世界の中でも独自路線を進んでいる国であり、
一方で膨大な人口を背景に存在感を増している国でもある。


インドの治安と言えば、
近年は性犯罪の多さと逮捕・処罰の不徹底が
世界的に取り上げられている。

結婚を断られた相手の顔に
塩酸や硫酸をかけるアシッドアタックと呼ばれる行為も
最近まで黙認されてきた事実もある。

ただし、これについては
外国人旅行者にはあまり関係がなく、
インドの村社会の中で容認されてきたもの。

旅行者が被害に遭うことはめったにない。

また、危険な国ではあるものの、
アフリカや南米のように命を落とすリスクは大きくない。

大半の被害は
詐欺やスリ・ひったくりのような財産犯と性犯罪に集中している。

だから安心というわけにもいかないが、
傾向として覚えておく意味はあるだろう。


インドの大まかな概要として、
南インドは北インドより安全で、
詐欺を働く人も少ない。

たとえば、南部のムンバイはインドの中でも安全。

ただし、ダラヴィーのような貧困地区は危険なので
近づくべきではない。


逆に言えば、
北インドはより詐欺が横行し、
致命的な信頼の欠如が日常の前提になっている。

そもそもぼったくりや騙すことに対する罪悪感が薄く、
騙される側が悪いという論理が横行している国民性であり、
北側はその傾向が強い。

また、インド人はグイグイ詰め寄ってくるが、
日本人とは明らかに圧が違う。

逆に言えば、
彼らには日本人としては相当強い態度に出ても、
普通のこととして受け止められる。

日本にいる時のようににこやかに交渉する必要はなく、
きつい表情で睨みつけても
彼らにはいつものことでしかない。

それだけ強くNOの意思表示をして、
ようやく拒んでいるという態度を示したことになる。

鋼の心臓を持つ彼らにとって、
日本人が強めに文句を言っても平然と聞き流せる。

日本とインドでは、
表情や態度からスイッチを切り替えなくてはならない。


観光地では、案内や写真撮影を申し出るインド人がいるが、
十中八九後から不当な額のチップを要求される。

最初から無視するか、はっきり追い払うべき。

ポイントは交渉の糸口さえ与えないこと。

理由をつけて断れば、
その理由に対する解決策を向こうが提示するチャンスになる。

その解決策が嘘の塊であったとしても。

そのため、最初から断りのみ伝えるほうが安全。


ニューデリーのような街には政府公認のツーリストオフィスが
そこかしこにある。

あまりにも多すぎて不自然に感じるが、
実際にこれには事情があり、
ほとんどが政府公認を偽装した偽物。

それを政府が放置しているのがインドの治安が
改善しない原因の1つだが、
国としてもそういう態度の国ということ。

偽ツーリストオフィスに行けば、
ホテルはキックバックをもらえるところ以外
ありもしない祭り等を理由に満室だと言われる。

高額で室の悪いツアーを売りつけられることも。

先日台北で会った女性の話では、
デリーで郊外のツアーを申し込んで湖に行ったものの、
到着してから追加費用を要求され、
断ったら湖の向こう側で放置されたということ。

本来は湖周辺の観光も料金に含まれていたはずなのに。

土地勘のない郊外に連れて行かれ、
しかも女性の一人旅となれば身の危険も感じるわけで、
立場的には相手の方が強い。

こうした論理がまかり通っているインドの治安が
良いわけがないのは当然のこと。


デリーで危険なエリアの例を挙げると、
レッド・フォートは睡眠薬強盗が多いため、
話しかけてくる人がいても相手にしないほうが無難。

間違っても食事をおごってもらったりして、
貸しを作るようなリスクは背負いたくないところ。

長距離鉄道も含め、
電車に乗るときも他人の勧めてきた飲食物に
睡眠薬が入っていることがある。

純粋な善意の可能性もあるが、
安全に旅をしたいなら辞退するほうが無難。


メインバザールはニューデリー駅のパハルガンジ側を出たところだが、
ここに至る道中でひたすら嘘をつかれる。

メインバザールに観光に来た旅行者を
どうにかキックバックを得られる店に連れて行こうと
うさんくさい人間が寄ってくるため。

メインバザールが休みと言われようと、
チケットを買わないと言われようと、
聞く耳を持たずに無視するのが得策。


オールドデリーの中心部でもある
チャンディ・チョークやジャマー・マスジットのあたりは
イスラム教のモスクということもあり、
時々テロの警告が出ることもある。

常に危険ということはないが、
ご時世がご時世なので気をつけたほうがいいだろう。

過去には爆発事件も起きている。


旅行会社が集まるコンノートプレイスは、
先程述べた通り大抵は偽物。

紹介先もろくなところではないことがしばしば。


デリーの玄関口であるデリーインディラガンジー国際空港では、
頼んでもいないのに勝手にスーツケースを
運び始める人々がいる。

勝手に運んでチップを要求してくるので、
嫌なら最初の段階で荷物に触らないように断固拒否が鉄則。

持ち運ばせた後は、
支払わないと集団で詰め寄ってきたりするので面倒になる。


オールド・デリー駅で要注意なのは
オートリキシャのドライバーが数倍の価格を
平気でふっかけてくるところ。

ぼったくりを行ってくる以外にも、
途中で関係のない旅行会社や土産物屋に連れていく手口も。


ニューデリー駅も安心とは言えず、
駅員らしき制服を着た人が
チケットを無効と言い出して書い直すように迫る手口も。

偽駅員の疑いがある場合には、
その場で払わずに窓口で確認を。

たとえ制服らしきものを来ていても、
インドでは信用できない。


インドの首都デリーについて言えば、
犯罪の多さ以外に空気が悪いことも知られている。

マスクを持っていく人は多いが、
1枚では汚れてしまうので、
何枚か予備を持っていっておきたいところ。


病気では
腸チフスやコレラ、マラリヤ・デング熱等の問題があるので、
飲水や蚊にも注意を払っておきたい。

また、街中は野良犬が大量にいるため、
特に夜になって活動が活発になっている時は要注意。

万が一噛まれたら、
狂犬病の危険があるので病院へ。


インドの治安が良いと思って訪れる人はほとんどいないと思うし、
細かい詐欺やぼったくりが特に北側の地域では頻発する。

それが一部のバックパッカーをインドに惹きつける
不思議な原動力にもなっているようだが、
快適に旅をしたいなら
海外の中でも常に警戒を怠ることはできない国。



インドの物価水準は?


まずは市内交通について見てみると、
デリーのインディラ・ガンディー国際空港からニューデリー駅まで
所要時間20分で地下鉄で100ルピー。

エアポートバスの場合、
所要時間コンノート・プレイスまで約50分で100ルピー前後。

タクシーはMeru Cab、Mega Cabが乗り入れており、
1kmにつき20ルピーと、空港乗り入れ料として80ルピー。


市内でインドの物価を感じる場面として、
カフェに入ってカプチーノを頼むと170円、
コーラで60円。

インドらしくチャイを地元の店で飲むなら30円程度。

同じくローカル系の店でカレーを食べるなら、70円程度。

バックパッカーを魅了する物価の安さがこのあたりにうかがえる。

日本人にとっての味噌汁のように
カレーが日常にあるインドだが、
それ以外もローカルの店なら安い。

チャーハンも100円以内だったり、
野菜が入った麺料理が120円ぐらいだったり。


ミネラルウォーターも1.5リットルのもので50円ほど、
試しに見てみた牛乳も1リットルで80円。

このあたりにはまだまだ物価の安さが残り、
インフレが続く東南アジアに比べて
コストの面だけ見れば優位性がある。

その分治安は悪く、気は休まらないが。


続いて、インドの物価として
ホテル代を都市別に見てみると、
デリーにある5つ星のAndaz Delhi, a concept by Hyattが15,402円、
Taj Palace Hotelが11,124円、
4つ星のHotel The Royal Plazaが7,649円、
3つ星のHotel City Starが4,107円。

ムンバイの5つ星のJW Marriott Mumbai Juhuが15,402円、
The LaLiT Mumbaiが10,395円、
4つ星のKohinoor Continentalが7,187円、
3つ星のHotel Leafio Mumbaiが3,344円。

バンガロールの5つ星のLe Meridien Bangaloreが9,241円、
4つ星のHoward Johnson Bengaluru Hebbalが8,762円、
The Elanza Hotelが4,819円、
3つ星のTreebo Golden Tranquilityが3,182円。

チェンナイの5つ星の
Crowne Plaza Chennai Adyar Parkが11,296円、
4つ星のCourtyard by Marriott Chennaiが9,241円、
Trident Chennaiが8,557円、
3つ星のTreebo Mount Kailash Suitesが2,600円。

コルカタの5つ星のThe Oberoi Grand, Kolkataが12,321円、
The LaLiT Great Eastern Kolkataが9,002円、
4つ星のKenilworth Hotel, Kolkataが7,025円、
The Gateway Hotel EM Bypassが9,156円、
3つ星のTreebo Orion West Willowsが4,790円。


続いての物価の項目として、
観光スポットの入場料は、
デリーから見ていくと、
インドを代表するタージマハルは外国人の場合、750ルピー。

フマユーン廟が250ルピー、
レッド・フォートは外国人が250ルピー、
ジャンタル・マンタルは100ルピー、
国立博物館が300ルピー。

ロータステンプル、ジャーマー・マスジット、
ラクシュミーナーラーヤン寺院は無料。


ムンバイの観光スポットだと、
Elephanta Cavesが250ルピー、
チャトラパティ・シヴァージー・マハーラージ・ヴァツ・サングラハラヤは
オーディオガイド込みで500ルピー、
ドクター・バウ・ダージ・ラッド博物館が100ルピー、
カンヘーリー石窟群が200ルピー。

ドービーガート/巨大洗濯場はあまり治安が良くないので、
近寄らないほうが無難


コルカタでは
インド博物館が500ルピー、
タゴール・ハウスが50ルピーとなっている。


では、インドまでの航空券はいくらか?

1ヶ月分の最安値を調べてみたところ、
東京(成田)とニューデリーの直行便での往復が
エア・インディアで71,160円から。

行きは9時間15分、
帰りは8時間かかる。

東京とムンバイの直行便の往復は
ANAで84,741円。

国内移動を飛行機で行う場合、
安い上に鉄道に比べて安全で環境が良い。

お金のない場合や
バックパッカー気分を味わいたいのでない限り、
飛行機を使うのも1つの方法。

ニューデリーからムンバイなら、
SpiceJetで片道5,035円という便もある。

ニューデリーからコルカタの場合だと、
vistara(ビスタラ)で片道6,160円の便が見つかった。


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