マカティに住みながら不動産投資を現地で行わなかった理由




投資修業のために、フィリピンのマカティに移住して、様々な不動産やモデルルーム等を見て回ったが、結局購入したものはなかった。

マニラ市内の事業投資には2件出資をしているものの、結局その後にフィリピンで不動産投資をしたのは、あるリゾート地の南の島で、マカティではなかった。

当初は成長し、不動産価格や家賃が上昇している町に来て、現地の様子を確かめるという目的で、修行の場としてマカティを選んだし、良い物件が見つかれば、コンドミニアムを購入しようとも思っていた。

フィリピンの場合、外国人が土地を所有することはできないが、コンドミニアムであれば、一定割合まで外国人が所有することは可能なので、土地や戸建ではなく、コンドミニアムに投資対象は絞られてくる。

しかしながら結局、腰を据えて取り組んでも、購入するのに適していると思われる物件を見つけることはできなかった。


マカティではすでに価格が高騰している

フィリピンの中でも首都マニラ、更に言えばその中でも、マカティやグローバルシティ、オルティガスといったエリアは、投資対象になりやすく、不動産価格の顕著な上昇が見られる。

そういった中で、私が投資修業に行った段階で、既に価格に割安感はなかった。

2013年のタイミングですらも、もはや新興国の価格としては、かなり割高になってしまっていたし、一等地とはいえ、今後の価格の展望に確信が持てるような水準ではなくなってしまった。

新興国の不動産投資でイメージされるような、割安な物件を買って、家賃でローンをまかないつつ、最終的にはキャピタルゲインを取るという方程式が通用するかというと、かなり怪しい。

まずフィリピンというのは、銀行の金利が高いので、ローンを組んで支払いを行うにしても、その全額を家賃でまかなうというのは、なかなかハードルが高い。

更に言えば、キャピタルゲインについても、購入価格が高くなってしまえば、当然ながら成功する確立は下がることになる。

完全に投機的な取引ばかりで、値が上がっているわけではなく、実需の伴うものであるので、そこまで悲観的になる必要はないと思うし、東南アジアの中では、明らかに有望な部類であるとは思っているが、それでもとりあえずマカティの不動産を購入しておけば、数年後には値上がりした状態で、売り抜けることはできるという、楽観的な環境ではないことは明らかだった。


円安が更なる追い打ちに

2013年当時と比べると、円安が進んでしまったために、円からフィリピンの通貨であるペソに両替をして、不動産を購入しようとすると、ますます割高感が増すことになった。

私の場合基本的に、日本円を資産として持たないようにしているので、日本円対比で言うと、資産が増えたことになるが、ドルベースで考えれば大きな変化はないので、ただ単に日本円が一人負けしていると言ってもいい状態。

海外で暮らしていると、円が安くなった時に、日本円換算した時、現地の物価が高く感じるし、食事代やホテル代でそういったことを痛感しているが、コンドミニアムの購入のような大きな買い物になると、益々その傾向は大きくなる。


立地による勝敗が明確になっていく時代

数年前までは、フィリピンの不動産とか、あるいはマカティのコンドミニアムに投資をすれば、勝手に利益が取れるというような、いかがわしい報道もあったし、もしかしたら、今も日本の一部のテレビや雑誌では、そういった特集が組まれているのかもしれないが、現実を見ればそんなことは決してない。

例えば、マカティ市内やグローバルシティの中でも、道を一本渡っているかどうかとか、ちょっとした違いによっても、勝ち負けというのは、ハッキリとコントラストができてくるだろうし、マニラなのかセブなのか、あるいはボラカイであったりとか、それ以外のリゾート地であるのか、そういったことによっても、大きく展望というのは変わってくる。

これからもフィリピンの、あるいはマカティの不動産の一部には確実にチャンスは残っているし、それはセブだったり、ボラカイだったり、ダバオだったり、そういった別の都市についても言えることではあるが、その選定法については、よりシビアな判断が要求されるようになっている。

それだけの覚悟があって、フィリピンに物件を持つというのであれば反論はないし、タイやマレーシアに比べると、まだまだチャンスは多く眠っていると、私自身も考えている。

実際、もっとも大きな資産額になっているのは、国別で見ると、私自身のポートフォリオでもフィリピンになるし、そういった意味でも今がバブルの頂点で、あとは転がり落ちるだけとは思わない。

ただ過剰にマスコミ等に煽られて、業者の言うままに購入するということであれば、ダメージを追うだけなので、避けることをお勧めする。



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執筆者、伊田武蔵
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