MM2Hが大幅値上げ、マレーシア以外の海外移住戦略にも影響

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2011年から2年間マレーシアに住んだのが
私の初めての海外生活だった。

その際にMM2Hも取得したのだが、
MM2Hの取得基準が大幅にあげられることが発表された。

かつてもマレーシアの大臣が
6,000万円程度の定期預金を組むことを
条件にすべきと発言したことがあったが、
今回の条件変更も厳しいものとなっている。

金融資産は1,500,000リンギット(約3,800万円)で済んだが、
定期預金1,000,000リンギット(約2,500万円)、
月々の収入証明が40,000リンギット(約100万円)、
さらに35歳〜49歳だと年間90日以上のマレーシア滞在が必要。

今までのMM2Hは20代でも取得できたし、
50歳未満だと多少条件は厳しくなるが
それでも金融資産は500,000リンギット、
定期預金も300,000でよかった。

この条件のゆるさがマレーシア移住の重要な醍醐味で、
簡単に住めるというハードルの低さが
多くの日本人移住者を魅了してきた。

リタイア後の生活やFIREをマレーシアで
達成しようという人も少なくなかった。

しかし、ここに来て事態は急旋回することとなった。


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マレーシアに移住したがる日本人は残るのか?

マレーシアに住むことのメリットとして、

・温暖な気候

・文化の多様性(マレー系・中国系・インド系住民が混在)

・イスラム教の国だが宗教的戒律がゆるい

・物価が安い

・東南アジアの中では比較的英語が通じる

・治安がそれほど悪くはない

といった点が挙げられたが、
正直なところこれだけでは決め手に欠ける。

実際に住んでみた感想としても同様で、
すでに海外生活歴が10年を超えたが、
MM2Hを保有しているにもかかわらず
マレーシアに住んだのは最初の2年だけ。

それは住環境としての魅力に
いまいち欠けるから。


それでもMM2Hを簡単に取れることから、
移住希望者にとっても、
ビザサポートをする業者にとっても魅力はあった。

とにかく海外生活を始めたい人に
マレーシアはたしかに魅力的だった。

一方、業者としても日本人が大勢くれば
サポートの仕事をできる。

こうして日系業者による情報発信もあり、
マレーシアの移住先としての人気は奇妙に高騰していた。


移住先人気ランキングの変化が楽しみ

マレーシアがタイをはじめとした各国を抑え、
ロングステイ財団の海外移住先人気ランキングで
14年連続で1位を取ったことは不思議にしか思えない。

実際、日本人がそれだけマレーシアに移住しているかと言えば、
そんなことはない。

外務省が発表した海外在留邦人数調査統計によると、
2020年10月1日の段階で
マレーシア在住邦人数は30,973人で
12位という結果。

実際の在住者数ではベスト10入りすらしないのに
人気ランキングだけは14年連続1位という快挙。

この裏にはマレーシア関連の業者による
熱心な宣伝や勧誘もあったのだろう。

MM2Hの条件引き上げにより、
日本人のマレーシア移住熱は一気に冷めていくだろうし、
ビザ業者の仕事も大幅に減るだろう。

廃業したり、他国に活動の場を移す会社もあるはずだが、
今後の海外移住先人気ランキングはどう変化するのだろうか?

この点は個人的に興味深い。


マレーシアが想定しているのはどんな人?

日本円で考えると、
月収証明が100万円以上ということで
そこそこ以上の高額所得者のみが対象となる。

平均的な年金生活者ではとてもMM2Hを取れないことになる。

マレーシアでビジネスをして
毎月100万円以上の収入を得る外国人はなかなかいないだろうから、
収入源は他の国にある人が主流だろう。

しかし、35歳〜49までは年間90日以上
マレーシアに滞在する義務まであり、
これを満たしてまでマレーシアに住みたい日本人が
どれだけいるかは疑問。

一方で、金融資産は3,800万円程度でいいので
いわゆる富裕層レベルである必要はなく、
資産はそこまでなくても月収が高い人のほうが有利。


ただし、マレーシアはイスラム教の国。

同じくイスラム系の国の富裕層を狙うことは十分に可能だろう。

マレーシアは中東から避暑地として使われたりもするので、
それであれば年間90日の滞在も非現実的ではない。

最高気温が30度を超える国に避暑に来るのも奇妙な話だが、
40度を超える国から見れば涼しいのだろう。


また、中国系住民も20%ほどいることから
中国語がよく通じる国でもある。

そのため、中国の富裕層の移住も見込める。

大幅に移住者数は減らしても、
マレーシアに落ちるお金は
そこまで減らないという目論見は分からなくもない。


MM2Hの公式サイトによると、
2018年までは取得者の11.3%を日本が占め、
中国に次いで2位となっている。

この勢力図も大きく変わっていくのだろう。


周辺国のビザ事情への影響

新しいMM2Hの条件を満たせない人にとって、
マレーシアは移住しやすい国から
ハードルの高い国に一気に様相を変えた。

となると、タイやベトナム、フィリピン等の国に
移住先を切り替える人も増えるだろう。

もちろん日本人だけではなく、
各国からの移住者が増えるだろうから
それらの国もいずれビザの要件を厳しくする可能性がある。

新興国のビザの基準は
往々にして時間の経過とともに厳格化するか、
ビザの新規受付が終了するのが通例。

マレーシアの変更は、
間接的に周辺諸国へも影響していくのだろう。

個人的にはフィリピンの永住権があるし、
当面はタイランドエリートも有効なので
すぐに新規ビザの取得は考えていないものの、
数年以内にビザを取得予定の人にとっては
MM2Hの変更は頭の片隅に入れておいたほうがいいと思われる。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
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