オーストリア国内を移動する際には注意が必要だと、
インスブルック、ザルツブルク、ハルシュタット、
グラーツ、ウィーンと移動して感じた。
国として歴史があり、
伝統や文化に裏付けられた格式があり、
イメージではしっかりした国という感じがする。
実際、それぞれの街並や博物館等の展示品も素晴らしい。
しかし、運営レベルではどうなのか?
ここにオーストリアの注意が必要な気がした。
長距離鉄道の予約は要注意
ヨーロッパ内の移動は長距離鉄道とバス、LCCが
しのぎを削っている。
日本国内の新幹線やLCC、深夜バスよりも
格安で他の街や国に行けるのは嬉しいところ。
通常、長距離鉄道の予約をオンラインで行った場合、
そのチケットをそのまま鉄道内に持参するか、
駅の窓口で交換してもらうことになる。
日本のように自動改札があるわけではなく、
駅のプラットホームまでノーチェックで誰でも通過できるため、
鉄道内で車掌によるチェックが行われる仕組み。
なお、こうしたシステムだと不審者もホームにいるし、
実際に詐欺師が駅で声をかけてきたりもする。
その意味では、日本や台湾のように
乗車券がないとホームに入れないほうが
治安要素を考慮すると優れている。
それはさておき、
オーストリアの鉄道で注意が必要なのは、
こうした一般的な仕組みとは異なること。
インスブルックからザルツブルクへの移動の時、
オンライン予約をした時に送られてきたPDFを持参し、
それで乗車した。
車掌が周ってきたのでPDFを見せると、
これではダメだと言い出した。
これはチケットではないと。
どこからどこまでの移動か、
何月何日の何時の便かも書いてあるが、
これはチケットではないので料金を払えと言う。
意味がわからないので、
ネットで予約したのになぜ使えないのかと尋ねると
急に英語が通じない様子になった。
その後、ブツブツ言いながら一度立ち去ったと思ったら、
ザルツブルクが近づいた頃にひょっこり戻ってきた。
彼が誇らしげに見せてきたスマホには
切符の自販機のようなものが映っていた。
この機会で何かをするべきだったということだろうか?
面倒になったのでお金を払おうとすると、
なぜか満足気に立ち去った。
支払いが必要だったのではないのか?
結局、そのままザルツブルク駅に到着するまで、
その車掌が戻ってくることはなかった。
その後、ハルシュタットからグラーツに移動する時には、
駅の窓口で聞いてみた。
というのも、オンライン予約をした時には
英語とドイツ語を選べるので英語で手続きをしたが、
その後届くメールは問答無用でドイツ語。
そのため、何が書かれているか分からない。
サイトを見ても予約後の流れが見当たらず、
現地でどうにかするしかなかった。
駅に設置してある機械をいじってみたが、
結局それらしい機能が見当たらなかった。
予約時の番号を入力すると、
正式なチケットが発券されるのかと思ったのだが。
ということで、
まず窓口の係員に確認したのは、
PDFをプリントアウトした紙がチケットになるかどうか。
結論としては、チケットではないらしい。
では、どうすればいいのかを尋ねると、
「私の仕事ではない」と言い出した。
ハルシュタットは小さな駅で、
その時に開いていた窓口は1つだけ。
そのおばさんに質問する以外の選択肢がない。
先程操作してみた機械を指差して、
「あれで手続きをするのか」と聞いてみると、
いかにも嫌そうに首を振りながら
「これは私の仕事ではない」を連呼しながら、
何かキーボードに打ち込み始めた。
あまりにブツブツ文句を言うので、
「手続きの方法を聞いている、チケットを出せとは言ってない」と言うも、
その言葉は流された。
結局駅の窓口でチケットが手渡されたが、
最後まで「これは私の仕事ではない」の言葉が付いてきた。
オンライン予約をした後に手続きが必要なら、
そもそも駅で直接チケットを買ったほうが早い。
席が空いていないというリスクはあるものの、
二度手間がかかるのは非効率で仕方ないし、
なぜオーストリアのみローカルルールを採用しているのか?
外国人観光客も多い国だし、
なぜそんなまぎらわしいことをしているのか?
疑問は深まるばかりだった。
インスブルックからザルツブルク、
ハルシュタットからグラーツ、
この2つの移動を経て、
オーストリアの鉄道を利用する時には
事前にオンラインでの予約は避けることにした。
バスはバスで問題があった
ザルツブルクからハルシュタットへはバスで行ったが、
その時にはスーツケースを積まなければいけないので
運転手が他の乗客のチケットのチェックを終えるのを待っていた。
すでに私のチケットは見せていて、
スーツケースを載せるのを待っているのは
向こうも把握していた。
むしろ待っているように言ってきたのは運転手なので。
しかし、そのまま発車しようとする、
ドアをノックして制止したが、
申し訳無さそうな様子はみじんもなく、
いかにもうっとうしそうに降りてきた。
こうした移動期間ばかりではなく、
観光スポットの受付もいい加減だったり、
態度が悪いことが多かった。
インスブルックのチロル民族博物館や
ザルツブルクのホーエンザルツブルク城行きの
ケーブルカーの係員等。
環境の良さにあぐらをかいたビジネス
オーストリアを天地人の3つの要素で考えると、天地の要素が突出して素晴らしい。
気候は良く、インスブルックのように
アルプスに隣接したチロル地方の街もあれば、
ハルシュタットのように湖畔の美しい街もある。
ウィーンやザルツブルクのように
伝統とアート、過去の偉人に彩られた街もある。
オーストリアは優秀な人材を過去に多数輩出してきた。
モーツァルトやシューベルト、
アルバン・ベルク、グスタフ・マーラー等の天才音楽家はもちろん、
画家としてもクリムトやアンゲリカ・カウフマンがいるし、
心理学で有名なアドラーもオーストリア出身。
しかし、そうした過去の人はもはや
現在ではオーストリアの遺産なり、環境のような要素。
つまり天地人では地にあたる。
現役の人の部分、特に観光に関連するところで言えば、
オーストリアは自然や伝統という環境の上にあぐらをかき
放漫経営をしているのに近い。
特に現場の最前線は。
インスブルックカードやザルツブルクカードのように
制度的にはうまく作っているが、
観光客が直接接する現場はひどい。
ドイツ文化圏に詳しい人から聞いた話では
元々オーストリアでは接客業の社会的地位が低く、
残念な人材が集まりやすいという事情もあるらしい。
観光業にたずさわる人を見ていると、
環境依存のギリシャやイタリアを思い出した。
勤勉で文化的なイメージのオーストリアだが、
実態は必ずしもそうではないように感じる。
移動のたびにトラブルになるのではストレスなので、
通常のヨーロッパでの移動よりも
注意を払っておく必要がある。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
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