You will what you imagine
これはシドニーのNSW美術館に掲げられていた言葉。
「あなたは自分が想像したものになる」
この言葉は成熟した国において、
特に重みを持つように感じた。
そして、この言葉に吸い寄せられるように、
偶然見つけたこの美術館にフラフラと入ってしまった。
私がこの3年ほど過ごしてきたマレーシアやフィリピン、
さらに旅先の東南アジアの国々。
これらは新興国や発展途上国と位置付けられる。
基本的に経済が右肩上がりで、
将来が良くなっていくという確信が国民の共通認識となっている。
そのため、収入は日本人よりずっと少ないのに、
消費意欲はとても高い。
実際、ショッピングモール等でのお金の使い方を見ても、
平均収入からはイメージできない姿がそこにはある。
彼らは、時代の流れに乗って生きているだけでも
そこそこ幸せになれる可能性が高い。
それは実際に訪れて彼らの表情を見れば納得できるはず。
国や経済が良くなっていって、
自分も恩恵を受けられるという前提であれば
流されているだけでもそれなりに幸せ。
単なるその他大勢として生きても、
暗くはない道が用意されている。
では、オーストラリアは?
たしかに資源等の強みはあるものの、
今後グングン経済が伸びていくとは考え難い。
言い換えれば、
普通に生きていれば今より豊かになれるとは
言えない状況にある。
日本に至っては、
人口動態を見ても長期的には経済が衰退せざるをえない。
つまり、普通に生きていれば今よりも貧しくなっていく一方。
この悲観的な空気が、
一時帰国の時に感じた重苦しい雰囲気の一端なのだろう。
新興国vs先進国という構図で見るのなら、
日本は明らかに後者に入る。
ただし、他の多くの先進国の場合、
長く衰退してきた歴史を持つ。
ヨーロッパ各国を見れば、
ポルトガルのように最盛期が大航海時代という国も。
いわば衰退に慣れてきた歴史があるわけで、
その中でうまく生きていく知恵を彼らは身につけてきた。
なぜギリシャやイタリアやスペインの人々は、
経済危機を目の前にしながらも楽しそうなのか?
それは衰退や停滞という流れの中で
心地よく生きる術を身につけてきたから。
そして、欧米のエグゼクティブには、
「スタイル」が求められると言われる。
このスタイルとは主義や信念、流儀。
自分軸と言い換えてもいい。
多くの国民には経済が今一歩の状況の中で
上手に生きる道が示されている。
そこから先に進むためには、
自分のスタイルを持つ必要が出てくる。
これは新興国も同様で、
経済が上向いている中でそれなりにうまく生きる術は
周りが勝手に示してくれる。
高度経済成長時代の日本がそうであったように。
そこから特異な生き方をしたければ
他人に流されない軸が必要になるものの、
流されていてもそこそこ幸せになれる確率が高い。
では、日本はどうなのか?
経済成長時代に機能した生き方にすがりつき、
衰退という時代への適応がまだまだ不十分なのが現実。
出世したくない社員の増加、草食系等の
時代の変化に対応する兆しは出ているものの、
偏差値の高い学校→大きな会社→定年まで勤める、
というかつての分かりやすい構図はまだ存在していない。
日本人は環境に合わせた生き方を、
身近な人やマスコミに提示してもらえずに生きている。
厄介なことに、以前に機能した生き方が
なぜかいまだに推奨されているために
混乱に拍車がかかる中で。
結果として、定年になるまでは会社にこき使われ、
会社から解放されたら呆然として時間を持て余すという
悲しい人生を送る人も。
苦労してたどり着いた先に待っているものとしては、
あまりにも虚しい。
新興国や、衰退の歴史を持つ先進国と違うのは、この点。
他人の価値観に流された場合に、
幸せになれる確率が低い理由がここにある。
世間の価値観やライフスタイルが
時代の変化に適応するのには時間がかかる。
それを待つよりは、
自分の軸を見つけてしまった方がはるかに早いし、
流されるよりも楽しいのは当然のこと。
いわば、
日本の世間の常識→真夏に暖炉
新興国や衰退に慣れた国の常識→真夏に扇風機
自分軸→真夏にエアコン
ぐらいの感じではないかと。
むしろ日本でマスコミや教育が植え付ける価値観なんて、
マイナスの要素のほうが大きい気さえしている。
少なくても、自己責任で自由に生きていく上では。
ということは、
自力で自分の価値観を見出さないことには話にならないし、
少なくても5年や10年で
今後の社会情勢に合わせた常識に塗り替えられることはない。
自分が何を基準に生きていくのか、
好き勝手に生きることを周囲に受け入れさせるにはどうしたらいいのか、
その点については自分軸構築講座を参考にしていただければと思う。
なお、この講座は質問や意見を受け付けながら、
ワークの内容を調整していく予定。
自分の価値観を作るとか、
こういう直接的な利益の分かりづらい講座は
受け入れられるか若干心配していたものの、
一昨日のメールで多くの人が参加してくれたのは嬉しかった。
ちゃんと伝わる人には伝わることが確認できたし、
同じ危機意識を共有できる人の存在は心強い。
PS.
この講座の説明ページを書いていたのは、
メルボルンのロイヤル・ボタニカル・ガーデンという公園。
池のほとりの静かなベンチで、
緑のにおいに包まれながら書くことができた。
市内中心部から、片道30分以上は歩いたものの、
空気がひんやりしていて気持ちよかった。
一転して、今はクアラルンプール経由でジャカルタ。
どこもかしこもクラクションや大声での呼び込みで騒がしいし、
昼間は暑くて出歩く気にならない。
国による環境の差が激しすぎて、
来る前から分かっていたのに唖然とした(笑)。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼントすることにした。
電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ。
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