現在はメルボルンに来ているが、この都市は今では世界的に見ても物価が高く、一方で景色はいい雰囲気が漂っている。
実際に町を歩いている人達を見ると、裕福そうだし、文化レベルも高め。
メルボルンは治安も悪くないし、夜に独り歩きを楽しむことも可能。
しかしながら、歴史的に見てみると、オーストラリアは不毛の地で、5大陸のうちで最も文明が発達せず、人口も増えなかった地域とされている。
それが変わったのは、ヨーロッパ人が移民としてやってきてからで、それまでの間は、オーストラリアの人口は数十万人規模だったと言われている。
これだけ広大な土地に、それだけの人しか住んでいなかったのは驚愕だが、これには理由がある。
土地の問題
まず、オーストラリアの土地は基本的に平坦で、一見すると人が住むのに良さそうではあるものの、逆に言うと多様性がない。当然ながら作物が育つ環境は、それぞれの作物ごとに適正があるが、高地も低地もあまりない平地ばかりだと、そういった植物が生きていく上での多様性が欠けてしまう。
加えて、オーストラリアの大部分の土地は土地の質が悪く、作物を作るには痩せすぎているという問題がある。
家畜や天候に恵まれなかった
元々オーストラリア大陸に家畜化できるような動物がいなかったために、農業や運搬の面で家畜の力を借りることができなかった。そして、1年ごとに季節が定期的に巡ってくるわけではなくて、不安定に天気が変わっていくために、数年ごとに大きな変化があるという。
今であればある程度気候について予測できたとしても、かつての時代は天気予報や天文学、気象学の知識もないわけで、当然ながらうまく天候に対処することができない。
こういったことがあったので、オーストラリアは、人間が住む上では実に厳しい環境だった。
地理的な孤立
ユーラシア大陸のように、すぐ近くから技術や農作物の種が伝播してくるような状態でもなく、海を挟んで周囲と孤立化してしまっているので、その点も問題だった。パプアニューギニア等の一部の島であれば、船で行けない距離ではないが、そもそもオーストラリアの人口密度自体が極端に低かったので、単純に海の距離だけが障壁となるわけではなくて、オーストラリア大陸そのものが障害となってしまう部分がある。
大陸に数十万人しかいない人間を発見するのは、それだけでも重労働。
交易や文化交流の発展を望むのは難しかったことだろう。
こういったこともあったので、いつまでも石器時代を抜けることができず、金属を使うこともない時代が続いた。
今で言えば、オーストラリアは鉱物資源が豊富な国として知られているのに対して、アボリジニーの時代には、そういった資源をうまく有効活用することができなかったという。
こういったこともあったので、オーストラリアでの文明の発展は遅れ、ヨーロッパ人がやってくるまでの間は、他の大陸に比べて著しく文明が進んでいない場所として認知されていた。
逆に言えば、ヨーロッパ人の移植が始まってから一気に発展したのは、それまでのユーラシア大陸での積み重ねがあったからと指摘できる。
移植後に持ち込まれた農作物や技術によって著しい発展を遂げ、今ではかつての面影すら残していないほどの成長をオーストラリアは遂げた。
こういった歴史や文化人類学的な見地から見てみると、またオーストラリアの違った一面が発見できて面白い。
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼントすることにした。
電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ。
電子書籍のプレゼントページへ