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いつまで日本人アスリートは世界で活躍できるのか?


テニスの錦織圭選手がグランドスラムの決勝戦に進出したり、フィギュアスケートでは羽生結弦選手が金メダルを取ったり、水泳界でも次々にスターが出たりしている。

こういった日本人アスリートが活躍しているだけではなく、バレエコンクールやヨーロッパの国際的な音楽コンクールにおいても、上位に食い込む日本人が出てきて、10代や20代の若い才能が次々に開花している印象がある。

日本も捨てたものではないという声が上がっているようだが、長期的にその状態が続くのかどうかということになると、大いに疑問が残る。

例えばバレエやクラシック音楽の世界においては、経済力が習得の背景にあるわけで、ピアノにしろバイオリンにしろバレエにしろ、子供の頃から続けていることと、原則として優秀な先生について習うことが才能を開花させる条件となる。

そうなってくると当然ながら、新興国においてそういった習い事を子供の頃から継続的に行える子供の割合は低く、逆に国が裕福になってきた段階で経済力の面での条件を満たす子供が増えてくる。

これはフィギュアスケートやテニスにおいてもそうだし、サッカーや野球でも同じことが言える。

つまり高校や大学に入ってから身に付けたのでは遅い技能もあるわけで、アスリートであったり、音楽家やバレエダンサー等であれば、一定の時期までに始めておかなければ、そもそもの足切りにあってしまうということがある。

では日本の状況はどうかと言えば、世界第3位のGDPを誇る経済大国という現状だけではなく、これまでの歴史ということも考えてみると、1990年頃がこの国の経済のピークだったわけで、その頃には競技施設であったり、スケートリンクであったり、いわゆる箱物が次々に作られた。

そして、その恩恵を受けた世代は最近になってブレイクしているし、羽生選手や錦織選手はその筆頭だろう。



日本の育成環境の悪化

今後も次々にスターが生まれ続けるのかといえば、バブルの崩壊と景気の悪化によって、むしろ育成環境は悪化している。

スケートリンクが閉鎖されて、フィギュアスケートの有名な選手たちが継続を求め嘆願していたのも記憶に新しい。

こういった環境の悪化に加え、少子化によって子供の絶対数も少なくなってくるわけで、母数が減れば突出した才能を持っている子供自体も少なくなってしまう。

こういった状況を考えると、今後10年20年といった単位で見た時に、日本人のアスリートであったり、あるいは音楽家等が世界を舞台にして活躍するという場面は減少していくと思われる。

もちろん、国民の絶対数や子供の数だけが全てが決めるわけではないので、オランダが小国でありながらサッカー大国であるように、例外の側に入ることはあり得ない話ではない。

例えば優秀なアスリートを移民として迎えて日本国籍を取らせるとか、あるいはかつてのロシアや中国のようにエリート教育を施すとか、そういった対策によって、母数自体が少なくなっても、才能を開花させる人数を増やせる可能性がないわけではない。

実際、東京都もトップアスリート発掘育成事業の募集を行っており、日本国籍を持っていて都内に住んでおり、なおかつ都内在住の中学1、2年生を対象にして、書類選考や体力テストなどを行い、未来のトップアスリートを育成していく事業を行っている。

なお、対象となる競技は、ボート、レスリング、ボクシング、自転車、アーチェリー、カヌー、ウェイトリフティングの7競技ということで、これらの競技は高校生になってからトレーニングを始めた場合であっても、一流になれるということが共通点らしい。

元々日本はエリートを生み出す教育というよりは、全体主義と揶揄されることが多いし、それは事実であるとも思うが、世界的に活躍できるアスリートや音楽家の育成は、国威を掲揚するためにも重要な施策。

逆に言えば、国力が落ちて生活が貧しくなっていく中で、日本人のプライドを満たす方法として、おためごかし的にこういった部分で光を作り、闇の側面を隠す方法を採用することも、国としての選択肢になっていくのかもしれない。


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