OECDが2013年の調査結果として発表した数字によると、最低賃金が時給7.06ドル以上になると、最低賃金が最も高い国の上位10位に入るらしい。
10位はイギリスの7.06ドル。
ロンドンは非常に物価が高いという印象もあるし、1万円程度ではまともな中級ホテルに泊まることもできない。
ちょっとした食事であっても、レストランやパブなら飲み物代を抜きにしても2500円〜3000円ぐらいかかるので、むしろこの程度の時給で暮らしていけるのかどうか、疑問な部分はある。
しかしながら、ロンドン以外の町に行けば随分と物価も安くなるので、そういった意味で言うと、納得できる部分もある。
9位はカナダで7.18ドル。
ロンドンに比べると、モントリオールやバンクーバーの方が物価が安いイメージがあるが、最低賃金に関しては僅かにカナダの方が上という結果。
そして8位はドイツ。
ヨーロッパで最も大きな経済大国は、7.19ドルの時給で第8位に入っているが、その後2015年には、最低時給を上げたので、現在の順位で言えば、もう少し上にくるものと思われる。
第7位はニュージーランドで7.55ドル。
オーストラリアよりは、随分と物価も賃金も安いイメージのあるニュージーランドだが、それでも世界の中で7位ということで、オセアニアの賃金や物価の水準が、いかに上がっているかが伺える。
第6位はオランダで、ここから8ドルを超えて、8.2ドルとなっている。
福祉の充実や、先進的な政策、そして人口は僅かに1600万人ほどしかいないにも関わらず、世界最大の競技者数を誇るサッカーにおいて、FIFAランキング上位に入り続ける実力を持っている国。
最近は日本人が労働をする際に、労働許可証を取らなくて良いという判決が出たことでも、注目されている移住先。
第5位はフランスで8.24ドル。
こちらもパリとそれ以外の町でだいぶ生活費に開きがあるが、全体として見た場合は、世界で5位という結果になっている。
そして意外だったのは、第4位のアイルランドで8.46ドル。
ダブリンやそれ以外の町を考えても、そこまで物価が高いイメージはなく、フランスやドイツに比べて、最低賃金も当然低いだろうと思っていた。
どう考えてもロンドンよりもダブリンの方が物価が安かったので、なぜイギリスよりも最低賃金が高いのかはかなり謎。
もしかすると、経済格差が比較的小さい国なのかもしれない。
第3位は同じくヨーロッパのベルギーで8.57ドル。
国連本部のある国としても有名だが、こちらもそこまで物価が高かった印象はないので、かなり意外な結果となっている。
第2位はルクセンブルクで9.24ドル。
これによって、ベネルクスと呼ばれるベルギー、ルクセンブルク、オランダのすべては、上位10位以内にランクインしたことになる。
ルクセンブルクの場合は、金融によって成り立っている小国で、他の国と比べるとかなりイレギュラーな立ち位置。
そして第1位はオーストラリアの9.54ドル。
確かに、近年のオーストラリアは、世界的に見ても非常に物価が高く、レストランでちょっとピザを食べるだけでも、3000円以上するし、味も正直微妙。
こういった環境で生活していくのに、この金額ではむしろ安いとすら感じてしまう。
ちなみに日本人がシドニーやメルボルン等で働こうとした場合には、ビザを出すという条件の代わりに、最低賃金以下で働かされるということもあるらしい。
物価が高いため、オーストラリアに移住したり、留学しても、生活がカツカツになることが多く、自分一人で家を借りることすらできなくてルームシェアになる場合のように、生活には経済的な面で制約が出やすい国でもある。
なお日本は、ランク外となったが、13位に入っており、それ以外でもアメリカは11位に入っている。
移住先としてこれらの国を考えた場合には、必ずしも最低賃金が高い国がいいというわけではない。
現地で働かないのであれば、当然ながら物価が安い方がいいわけなので、こういったランキングの上位に名を連ねていない方が有利だし、経済格差の大きさによっても生活費は変わってくるので、最低賃金のみでは計れない部分も多々ある。
しかしながら、平均所得だけで全てを見ることができないように、最低賃金も一つの指標としては十分に役に立つものなので、それぞれの国の概要をざっくりと捉える上では、こういった調査もかなり参考になる。
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