移住はしたいが、東欧で仕事をする気はない理由

デブレツェン
東欧で仕事をしようと思えないのには、
いくつか理由がある。

興味がないわけではないし、
ハンガリーやチェコ、ポーランドに住みたい気持ちはあり、
最近は毎年訪れてもいる。

しかし、このエリアで働こうという気持ちはない。


まず、東欧は基本的に経済が弱く、
比較的一人あたりGDP等も多いチェコやスロバキアでも
ヨーロッパの中では凡庸なレベル。

スイスやスウェーデン、イギリス等のような
経済力は望むべくもない。

そうした場所で仕事をすれば
人件費等のコストが安くで済む反面、
顧客単価も安くなりがちで収入も限られる。

もちろん外国人観光客をターゲットにするとか、
富裕層を顧客にするとか、
大手起業をクライアントにするといった施策は考えられるが、
あえて東欧で仕事をする必然性がない。


最近まではフィリピンやマレーシアで暮らしたし、
今でも1年の大半を東南アジアで過ごしているが、
こちらは新興国だけあって経済は未熟だが
ぐんぐん伸びている実感がある。

人口ボーナスや整備されるインフラ、
まだまだ未熟で隙が多い競合他社といった条件を踏まえると
大きなチャンスがある。

実際、シンガポールに飲食店を出店して、
半年で初期コストを回収したという話も聞いた。

日本なら数年がかりで償却するところ、
1年すらかからないというのは店舗ビジネスでは脅威。

こういった場所で働けば
国の成長に乗じてチャンスをつかめる可能性が上がる。

現在の東京よりも、
高度経済成長時代の東京の方がチャンスが多かったのと同じ論理で。


東欧の成長への期待値

プラハの教会の改修現場
東欧はどうかと目を転じると、
そこまでの急激な伸びは見られない。

人口統計を見ても、ASEAN諸国のような
美しいピラミッドではない。

たとえばポーランドの場合、
一番のボリュームゾーンは30歳前後で、
続いてが55歳前後。

この2つの年代の間はくびれるような形になっている。

今後の経済予測において重要な子供世代は減少しており、
これから先を考えた時に労働力が増えていったり、
結婚・出産する世帯が増えていったりするわけでもない。


そう考えると、わざわざ仕事の場所を東欧に設定する必要がない。

海外で人に雇われて働くのなら、
時給単価の高いスイスや北欧、イギリス、ドイツ、
あるいはヨーロッパを離れてオーストラリア等が有利。

自分で起業して大きなチャンスを狙うなら
急成長中のASEANあたりが狙い目だろう。

もっともアジアの中でも街によって成熟度は大きく異なり、
バンコクとホーチミンでは和食レストランのレベルが違う。

こうしたリサーチは当然必要だが、
起業しようと思っている人には当たり前だろう。


では、東欧で仕事をするメリットは何か?

そう考えると、特に思いつかない。

それ以前の話として、
私には今のビジネスがあるわけで、
無意味に多角化したり、国境を越えて海外展開する理由もない。

そうなった場合、
例えば仮にハンガリーのブダペストに住むとしても、
今の仕事を続けながら住むほうが
ビジネスとしては合理的な判断。

わざわざ不慣れなマーケットに飛び込んでも
失敗するリスクが大きくなるだけ。

新規事業に意識が向いたせいで
今のビジネスまでとばっちりを受ける危険すらある。

人の可処分意識や意志力は有限なので、
色々手を広げすぎると本業すら危うくする。


ただ、そうなるとワーカービザや起業ビザ等を
取得することができないという問題がある。

場所にとらわれずに仕事ができるのは魅力だが、
わかりやすくその国で法人を作って
会社組織の中で展開していくとか、
個人事業主として仕事をしていくということを
相手の政府の役人が認めないとビザがおりない。

これが移住においては障壁になってしまう。


その解決策としては、
たとえばハンガリーで特別国債を保有し、
投資永住権を得るという方法もある。

これならチェコやポーランド、ルーマニア等の
シェンゲン協定加盟国にも自由に行き来できるようになり、
実質的には住むことも可能になる。

なにしろタイとマレーシアのように
国境でパスポートコントロールがあるわけではないので。

移動において1つの国のようにみなすのがシェンゲン圏で、
東欧の大部分の国も加盟している。

私が東欧で住みたいと思っているのは
チェコ・ハンガリー、ポーランドの3ヶ国で、
これらはすべてシェンゲン協定加盟国。

つまり、どこかの国でビザが取れれば、
他の二カ国においてはビザなしでも住めてしまう。

となると、無理に仕事を東欧で作り出したり、
今のビジネスを向こうの政府が納得する形で持ち込むよりも
投資永住権等の別の手段を講じた方が妥当ではないかと。


なお、ブルガリアやルーマニアも見てきたが、
住環境を考えると選択肢から外れた。


現地で起業するとなれば、
それなりに手続きも面倒なことになりがち。

そんなところに何日も時間を割くぐらいなら、
他の選択肢を検討する方がいいのではないか。

そんな結論に至っている。


今後の移住の可能性を探るべく、
今年はひとまずハンガリーを諸都市を見てきた。

すでにチェコはプラハやブルノを訪れ、
ポーランドはワルシャワ・クラクフ、ウッチ、ヴロツワフに行った。

ハンガリーはブダペストが3度目なものの、
他の街には足を運んだことがなかった。

そこで、今回はイタリア・スロベニア・クロアチアの
アドリア海沿岸めぐりの後でハンガリーに入り、
ペーチュ・ブダペスト・エゲル・デブレツェンを周ってきた。

結論として、ハンガリーに住むならブダペストが有力になった。


仕事のことを気にせずに暮らせるようにするため、
投資永住権を取得するか?

あるいはビザなしで滞在できる90日を上限にして、
東欧を含めヨーロッパに、この数年同様毎年訪れるか?

ここが悩ましいところ。


海外に移住するのは本当に難しいのか?


日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。

同時に、

「英語が苦手で・・・」

「海外での部屋選びで失敗しないか不安」

「他の国での生活を想像できない」

「下見で何を確認したらいいか分からない」

「移住後の仕事やお金が問題」

等々の様々な不安や悩みも耳にする。

そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
を無料でプレゼント
することにした。


電子書籍の目次等も掲載しているので、
プレゼントページへどうぞ

電子書籍のプレゼントページへ



よく読まれている記事