なし崩し的に就職活動を回避し、
なし崩し的に派遣社員になり、
なし崩し的に正社員になろうとしている。
まさになし崩しの連続で
人生は進んでいるのだろうと思う。
少なくとも、私の場合は。
しかし、今さら就職しても新卒としての研修があるわけでもなく、
基本的なマナーやスキル等は自力で習得しなくてはならない。
しかも、いわゆる新卒採用としての横一線の就職活動はなく、
転職扱いだが職務経歴はない。
何だか、マイナス面しか目につかない。
済んだことは仕方ないにしても、
新卒で就職しなかったメリットが1つぐらいはあってもいい。
というより、なければ自分を納得させられない。
無理矢理にでも角度を変えて見れば、
「あの選択も悪いことばかりじゃなかった」
ぐらいは言えるようにしたい。
お金はないが、時間はあった。
何しろ、派遣を辞めれば無職だ。
今後の予定はほとんど入ってない。
唯一入っている予定は、
約60年後に「そろそろご臨終?」という
曖昧極まりない予定があるのみ。
そんな状況を活かすため、
海外旅行にでも行ってみることにした。
海外に行ったことはなかったし、
一度ぐらいは行ってもいいだろうということで。
正社員になれば、
もはや海外旅行に自由に行くこともできないだろうし。
手持ちの資金、約80万円が尽きるまでという条件で
ヨーロッパに行ってみることに決めた。
理由は特にないが、何となく憧れ、という程度の理由で。
憧れとは言いながらも、
先進国なんてどこも大して変わらないだろうと
たかをくくっていたので、
テンションは低かった。
が、ロンドンのヒースロー空港からバスに乗り、
地下鉄に乗り換え、予約していたホテルの最寄り駅についた時、
その考えは消えた。
その幻想的な街並みを見て、
ここに来て良かったと心から思った。
忘れもしないあの駅
・・・ちょっと駅名を思い出せないが、
その駅の周りだけが特別なのかもしれないと思ったものの、
どこを歩いても日本とはまったく違う街並みが続いている。
私の知らない世界だった。
11月にロンドンに到着し、
2月にアテネを出発するまでの間、
イギリス・ベルギー・オランダ・ドイツ・フランス・ポルトガル・
スペイン・ハンガリー・オーストリア・イタリア・
バチカン・ギリシャと12カ国を回った。
イギリス行きの航空券を買ったはいいものの
その後の旅程も決めず、
ガイドブックすら持参しないという驚きの初海外旅行だったが、
とりあえず一通り色々な国を周り、
アテネの旅行代理店で帰りの航空券も現地調達できた。
外国人と話したこともない状態だったことを考えれば、
上出来だろう。
使い道のないパソコンを
ロンドン到着翌日に郵便局に持ち込んで船便で日本に発送したり、
「写真なんてプロのカメラマンにまかせて、肉眼で世界を見てこよう」と
カメラも持たずに行った結果、
旅先の風景を見事に思い出せなかったり、
振り返れば残念な点もあったが、
それでも行ってよかったことは間違いない。
ロンドンから始まった意外な寒さに震え、
パリでクレープを食べたいものの
お金が足りなくて我慢して通り過ぎ、
時には電車が遅れて日付が変わってからミラノに到着し、
もはや朝を待つまでと
一晩を身を切るような寒さの外で過ごしたりもした。
ポルトガルではクリスマスに乗じてシャンパンを飲んでみたり、
最後の方で懐具合に余裕が出てきたイタリアでは
本場のピザやパスタでご機嫌になったり、
貧乏旅行の醍醐味は色々と味わえた。
この旅を境にして、私は海外に興味を持つことになった。
しかし、そんな期待など
吹き飛ばす日々が始まることになったのだが・・・
→プロフィール第6話:パワハラと神かくし
海外に移住するのは本当に難しいのか?
日本を出て海外に住むようになってから
「海外に移住したい」という話をよく聞くようになった。
同時に、
「英語が苦手で・・・」
「海外での部屋選びで失敗しないか不安」
「他の国での生活を想像できない」
「下見で何を確認したらいいか分からない」
「移住後の仕事やお金が問題」
等々の様々な不安や悩みも耳にする。
そこで、10年以上海外で暮らし、
4ヵ国に住んできた経験を凝縮した電子書籍、
『「いつか海外に住みたい」を手の届く現実にするための本』
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電子書籍の目次等も掲載しているので、
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