※以下はロンドン在住の山本さんからの投稿
私はイギリスに移住しようというふうに決めた時点では、全く英語は身についていませんでした。
おそらくTOEICを受けたとしても400点は無かったでしょう。
それで実際に現地に着いてから部屋探しをするために、まず携帯電話が欲しいと思ったんですね。
それで電気屋さんに行ったんですけれども、そこで店員さんに携帯電話が欲しいと伝えまして、そしたら目の前にあったものすごくきらきらしたピンクの携帯電話を薦められたんですね。
でも私あまりピンクは好きではなかったので、むしろその隣のこの渋い黒の機種が欲しいというふうに言いたかったんですけれども、いろいろと英語でまくし立てられまして。
私もその剣幕に圧倒されてしまいまして、しかたなく渋々そのピンクの電話を買わざる得なかったんです。
それがものすごく悔しくて、こんなことも英語で伝えられないのかと本当に自分自身に失望してしまいまして、それから必死に勉強しました。
そのときの勉強方法が、ロンドンの書店などでよく売られているんですけれども、ペンギンリーダーズ(Penguin Graded Readers)っていう英語学習者のために作られたテキストがあったんですね。
それが世界の小説ですとか映画を学習者用向けにレベル分けして要約してくれてある一冊の本だったんです。
それがレベル1からレベル5までありまして、そのレベルによって語彙数ですとか文章の長さとかが違っていて、段階を追うごとに英語力がついていくっていう風になっていたんですけれども、そのペンギンブックスのシリーズをたくさん買い揃えて、毎日必死で読み込みました。
それを続けること半年間ぐらいで、よく急に英語がわかるようになったなんていう声を聞くんですけれども、まさにそのとおりでした。
突然相手が何を言っているのか明瞭に聞き取れるようになりまして、それから飛躍的に英語力がつきました。
学校には行きませんでしたので、たとえば現地でどこか買い物に行ったりレストランなどに入ったりしたときに、隣の人がなんと言って買い物しているのか、どんなふうに注文しているのかというのを耳をそばだてて聞き取りまして、それを実際に自分でもリピートして注文をしてみたり。
そういった手法で日常会話を身に着けていきました。
もちろんきちんとビジネスで使えるような文法を身につけるのでしたら、学校には行ったほうが良いと思うんですけれども。
とにかく私は一年という限られた時間でしたので、学校に行くよりも、とにかく自由に楽しみたいと思いまして、そんなふうに俗にいうサバイバルイングリッシュって言うんですかね、そういった独自の方法で英語を習得しました。
移住の準備で気をつけること
イギリス移住の準備で気をつけることなんですけれども、イギリスはビザの取得が非常に困難な国という事情がありまして、学生ビザ、それからユースエクスチェンジスキームに限らず、ワーキングパーミットなどもビザの代行業者さんに取得をお願いするという方が非常に多いようです。
私は自分自身でビザの申請をしたんですけれども、このビザの代行業者の中でも本当に詐欺に近いような法外な手続き料金を請求するところもあるようです。
ですので、ビザの代行を業者さんにお願いしようかなと思っておられる場合には、必ず手続き料金を確認すること、それからその業者さんが信頼できるかどうか確認してから、ビザの手続きを代行業者さんにお願いするのが良いかと思いました。
もう一点、これはいろんな人が引っかかってしまいそうだなと思ったのが、部屋のデポジット詐欺ですね。
やはり初めて海外に移住したりする場合には、最初に住む家が決まっていないととても不安な部分があります。
私も実際に、出来ればイギリスに発つ前に部屋を決めておきたいと思ったので、個人の方が賃貸情報を掲載しているサイトにアクセスしまして、「お部屋を押さえていただくことは出来るんですか?」と問い合わせをしたことがありました。
日本でしたら、まず「頭金一万円払えばお部屋は押さえておきます。契約の際に実際にデポジットや家賃を入れてください」って言われることはあるんですけれども、その問い合わせた相手方から返ってきた答えが、「まず家賃の二か月分をデポジットとして国際送金してください」と言われました。
イギリスで二か月分といったら、なかなか大きな額になりますので、国際送金を事前にするのは怖いなと思いまして、その時点ではお断りしたんですけれども。
後からいろんな情報を見てみますと、こういったデポジットを国際送金して、それを詐取する手口の詐欺事件が横行しているという情報を見ました。
ですので、とても不安ではあるんですけれども、安く個人の方からお部屋を借りたいというのでしたら、やはりイギリスに行ってからお部屋を探したほうが良いかなという印象を受けました。
こういったことは大手の不動産業者さんなどにお願いすれば、イギリスにも物件を持っているようなところがありますので、そういった業者さんに仲介をお願いすれば間違いはないんですけれども、個人で行かれる場合は気をつけたい点です。
イギリスに行ってみてからどうにかなることも多いので、何でもかんでも日本にいるうちに準備しようという風に思わないことも大切です。
やはり顔の見えない地球の反対側にいる相手ですから、そういう方とやり取りするのはリスクもあります。
ですので、準備の段階であれもこれもと気を回してしまうよりは、まず思い切って現地に飛んでしまう度胸も必要なのかなと思います。