※以下はロサンゼルス在住の金本さんからの投稿
アメリカで生活していて経験したトラブルなんですけれども、トラブルというか失敗談になりますね。
ずっと失敗だらけのアメリカ生活だったんですけれども、いま考えれば笑い話になる良い思い出です。
語学学校からカレッジに編入をしまして、すぐに車の免許が必要になりました。
日本と違ってアメリカではまず免許センターに電話をして、筆記試験の予約を取る必要があります。
いまだったらオンラインで予約とかも考えられたんですけれども、私はなぜかそのとき電話をして予約をしようと思ってしまいました。
日本語だったら長電話は大好きなんですけれども、英語での電話は本当に苦手でした。
面と向かって英語をしゃべるんだったらまだしも、電話だと相手の表情も身振り手振りも見えないし、自分の耳だけが本当に頼りです。
例えば私が「運転免許の予約をしたいんですが」と言ったつもりでも、向こうは「え?もう一度言ってもらえますか?」という感じです。
同じように繰り返し言ってようやく通じて、次に名前や電話番号、住所などを聞かれます。
アメリカ人には日本人の名前はなかなか理解しがたいものでしょう。
「スペルは?」なんて聞かれて「え、スペル?」なんてもごもごしていると、少しずつ向こうがイライラしてくる様子が伝わってくるんです。
電話番号もパッと英語で出てこないので、とうとう向こうもしびれを切らして「ごめんなさい。何を言っているのかよくわからないの」なんて言われて電話を切られてしまうこともありました。
この時は本当に落ち込みました。
日本では立派な社会人だった私も、アメリカでは子どものようだという感じで。
カレッジに編入するほどTOEFLのスコアは上がっていても、結局会話はこの程度なのかなという感じで落ち込みました。
結局、私より会話が上手な友人に電話をしてもらって、代わりに予約を取ってもらうという結末だったんですけれども。
この後に電話が苦手になってしまいまして、苦手意識を取り除くのにしばらくかかりました。
ガス屋さんとか、どこどこのサービスセンターに電話をする時は部屋のテレビや音楽、音系は一切ない静まり返った部屋で、ノートに一度言うセリフを書き出して、音読してから「よし、かけるぞ」と言って電話のボタンを押してかけるような感じで、電話を掛けるときは本当に一大事といった感じでしたね。
他には車のトラブルが多かったです。
アメリカのわずかな都市部以外に住む人は、車は必需品です。
ちょっとした買い物でも車を使用しますので、本当に消耗は早いというか、あっという間にボロボロになっていくというか。
理想は新車を購入して定期的にメンテナンスに出すことで、それは日本でも一緒なんですけれども。
私は学生で、なおかつお金もそろそろ底をつき始めていたこともあって、20年落ちのシビックセダンを30万くらいで購入しました。
古くて外見も良くなかったんですけれども、さすがにホンダシビックということで、割かしよく走ってくれました。
ある日、ロサンゼルスの日本大使館にパスポートの更新手続きに行く必要がありました。
当時私のアパートから150㎞ほど離れていたんですけれども、高速を一人飛ばして快適にドライブをしていました。
天気はいつものように素晴らしく青空で渋滞もなくすべてがスムーズだったんですけれども、大使館に到着する10㎞ほど手前だったでしょうか。
1mほどの大きな大木が私が運転をしている前方に横たわっていました。
高速道路ですので結構なスピードで飛ばしているため、避け切ることが出来ずに結局その大木の上に車ごと乗りあげてしまいました。
その後はさんざんで私の愛車のシビックはオイル漏れを起こしてしまって、アクセルを踏んでも前にも後ろにも進むことが出来ないで、その場に立ち往生というか。
ロスの高速で渋滞を作ってしまいました。
私を迂回していくドライバーの人たちは怒っている人もいれば、同情的に微笑んでくれる人もいました。
もうおろおろしていてもしょうがないので、自動車の保険カードを取り出してそこのフリーダイヤルに電話して牽引サービスを頼みました。
10分ほどで到着してくれて、大きな牽引トラックの後ろに私のシビック、助手席に私が乗り込んで、自分のアパートに一番近いディーラーに送ってくれるように頼みました。
あと10㎞先には大使館があったんですけれども、結局140㎞自分のアパートまでUターンして戻っていったという落ちなんですけれども。
トラックの中では運転手のおじさんが私にひどく同情してくれて、長い道のり1時間半の道のりを明るく励まし続けてくれたというお話でした。
結局私の愛車は購入時の金額以上に修理費用が掛かってしまうということで、もう廃車にすることにしました。
後日ロスの大使館に出なおしたときは言うまでもなく、前方注意、車間距離をとって運転していき、無事に到着することが出来ました。
このほかにもアメリカの高速道路は皆びゅんびゅん飛ばします。
90㎞/h、100㎞/h、120㎞/hとか当たり前なので、スピードを出すのが怖くてゆっくり走っていたら、後ろからパトカーが付いてきて「ゆっくり過ぎて危険運転」ということで切符を切られたりしたこともあります。
高速の出口の英語が通り過ぎるのが早すぎて、読めずに出口を通り越してしまったり。
もう自動車に関するトラブルというか、失敗談はこれでもかっていうくらいありました。