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ミュンヘンへの移住を後回しにした理由



初めてミュンヘンに移住したいと思ったのは、今からちょうど10年前になる。

ヨーロッパを周遊している際にドイツにも立ち寄ったが、その時は十カ国ほどを周った割にはドイツにはあまり縁のないルートで、最初にオランダから北部のケルンを経由して数時間だけ滞在したりした以外は、ミュンヘンに立ち寄ったぐらいで、ベルリンやフランクフルト等には行かずに旅が終わった。

その後、ドイツは何度も訪れることになったのだが、この時に初めてミュンヘンに移住してみたいと感じた。

もっともその時に思っていたのは、別にミュンヘンだけが特別だったわけではなくて、基本的にヨーロッパに住んでみたいと思ったし、もっとゆっくりと暮らすように旅ができればいいと思っていた。

当時は単なる夢想のレベルで、現実的にそれを実現できる目処は立たなかったが、サラリーマンを辞めて独立した今、そしてフィリピンやマレーシアで永住権やリタイアメントビザを取って実際に現地に住んでみて、日本以外の国にも住める確信と実績を得た今となっては、ヨーロッパも現実的な目線で見られるようになった。


ドイツはビザの面での優位性がある


ヨーロッパの中でもドイツの場合は比較的ビザの取得条件が緩く、私のように個人事業主であってもフリーランスビザを取れるという強みがある。

30代は移住において谷間の世代のようなところがあって、50代以上のようにリタイアメントビザを取れるわけでもなく、かと言って20代のようにワーキングホリデービザが利用できるわけでもない。

現地就労をする場合や、学生ビザを取得する場合を除けば、実をいうとかなり移住のハードルは高い。

実際フィリピンでは永住権を取ったし、マレーシアではリタイアメントビザを取ったのだが、それ以外のビザを取るのは中々困難な所があり、そしてほとんどの国においては個人事業主に対して、かなり門戸が狭くなっている。

それに対してドイツの場合、フリーランスビザがあるので、この点に関してはかなり環境が恵まれている。

これはミュンヘンにしろ、ベルリンにしろ、ニュルンベルクにしろ、共通して言えることなので、実を言うとドイツは経済力が強く先進国であるにも関わらず、30代であっても比較的移住のハードルが低いという特徴がある。

通常、先進国になるほどビザは要件を厳しくするのが一般的なので、この点は注目すべき理由となっている。


一方で治安悪化には大きな懸念も

仮にミュンヘンで暮らすとすれば、当然ながら治安がいいか悪いかは重要な要素となる。

そして今現在のヨーロッパの中でも、ドイツは移民や難民を最も多く受け入れている国で、スウェーデンやフランスと比較しても2倍以上の人数を受け入れている。

当然ながらそこに摩擦が生じないわけもなく、ネオナチのような極端な思想に走る若者たちも出ているし、逆に移民が犯罪を犯し治安を悪化せている一面もある。

この両方が日本人にとっては脅威となる。

というのも、貧しい移民が住み着いたエリアの治安が悪くなるのは、最早ヨーロッパ各国を見ていれば常識であって、そこにはきれいごとが通じる余地がない。

遠くの国にいれば、安全な場所で平等主義や博愛主義を口にすることはできても、現地で暮らして自分自身がその危険にさらされるとなれば、そんな呑気なことを言っている訳にはいかず、寝言よりも現実を直視しなければならなくなる。

その中においてドイツの移民受け入れの姿勢は、治安面で今後において大きな影を落とす可能性が充分にあり、移住する先としては魅力がなくなっていく懸念がある。

別にフリーランスビザを取ったからと言って、永住するつもりはないし、思ったよりも危険であると感じれば、そこから離れればいいだけという側面もある。

ただし、家賃の支払いの問題等を考えると、部屋を借りる場合にはそこまで身軽に動きづらくなるし、さらに言うとドイツの場合、税金を納めながらきちんとしたビザを取得して5年以上住めば、永住権に切り替わるという大きなメリットもある。

途中から治安が悪くなったりすると、それはそれでかなり深刻な影響を受けることになる。


外国人排斥感情

そしてもう一つの問題が移民を発端とする外国人排斥感情で、実を言うとこちらの方が日本人移住者にとっては脅威なのではないかと思う。

ミュンヘンに関わらず、ドイツの場合過激な思想に走る人が少なからずいるが、これは移民との摩擦が増えれば増えるだけ、深刻な問題になる。

さすがにシリア等からの難民と極東の日本人では明らかに顔つきが違うし、混同されることは少ないだろうが、中東やイスラムに対する攻撃感情がさらに拡大して、外国人排斥感情にまで移行してしまうと、日本人への差別感情とか、攻撃的な言動も加速することは充分に考えられる。

ただでさえ中国人と間違われて差別を受け、海外で嫌な思いをすることもあるが、こういったことが増えていくと、ミュンヘンに移住しても快適な生活ができるかどうか、不安が残ってしまう。



こういった事情があるので、ミュンヘンに住んでみることについては、かなり慎重に考えている。

住環境として魅力的なのは間違いないが、10年前からの憧れだけで住む街を決めてしまうほど、海外生活が甘いものではないというのは今までの体験でも分かっている。

ヨーロッパの場合、魅力的な街は多数あるので、必ずしもミュンヘンだけ、あるいはドイツだけにこだわる必要も無い。

あくまでも、有力な選択肢の1つとしてキープしておくという扱いになっている。


伝えるのが難しいこと

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本当はすべてあなた自身が決めていいことなのに、
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執筆者、伊田武蔵

「旅をするように暮らしたい」

そんな思いで2011年に
下見なしで海外移住後、
フィリピンとマレーシアで
コンドミニアムを借りて住む。

その後、
今後の移住先候補の視察のため、
各国を周り住環境の研究をしながら
2年9ヶ月のホテル暮らし。

1年間の台湾生活を経て、
現在はタイでの暮らしを満喫中。

フィリピン永住権と
マレーシアのリタイアメントビザ、
タイランドエリートを取得済み。

8カ国に資産分散。

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